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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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会社見学

人工物の塊を通り抜け、会社の入り口へ向かった。

ガラス張りの一階はどこが入り口なのか分からない。適当に進んでいたらガラスに衝突してしまった。恥ずかしがっているのを隠しつつ隣の入り口と思わしきガラスに突っ込む。

しかし、また、ガラスに衝突してしまう。


「もおぉ!!!入り口どこ!」

(ユニ)「全部入り口だよ、、、社員証が無いと開かない」

「!!」

「早く開けろ!」

(ユニ)「はいはい」


全く。私に恥をかかせやがって!分かってたんなら声でもかければ良かったのに!(何度も声をかけられていた) 額が真っ赤になってるじゃん。


(ユニ)「開きました」

「どうも!!」


建物内に入ると、ガラス張りな空間がより無駄に感じるほど何もない。普通は、観葉植物とかインテリア見たいのを無意味に飾っておくもんじゃないの?この空間って。

ただガラスの箱に入っただけじゃん。内装ケチんなよ。


ロビーには誰もおらず整然としている。


「誰もいないね」

(ユニ)「そりゃあノモが来るって知ったらみんなどこかへ出かけるさ」

「避けられてんのか」

(ユニ)「で、どこを見学したいんだ?」

「工場とかかな。私の宇宙船を量産するなら、どんな工場か見ておきたいし」

(ユニ)「そうか。まあ、うち以外の工場はどの星にも無いと思うよ」


工場のある星へ移動するには一度この星の一番高い場所へ行かないといけないらしい。私はジャンプすればいける気がするのだが、星が歪んでしまうと言われたので仕方なくユニの後ろをついて行くことにした。

また1時間かけてエレベーターを登り、ようやくビルの頂上へ着いた。


その上空には巨大な透明の筒が浮かんでいて、そこへバスのような乗り物や貨物が吸い込まれていっている。イメージするならマ○オの土管だ。


「あれは?」

(ユニ)「真空管を利用した移動用通路だよ」

「どうやって移動するの?」

(ユニ)「あそこにある真空電車に乗るんだ。時間になったら超高速で移動できるから」

「どんくらい?」

(ユニ)「時速2万kmくらいだな」

「ほ〜早いね」(私の全速力より早いな)

(ユニ)「あれに乗って行くと、工場のある星につくぞ」

「おけー」


私はユニを抱えてビルの頂上の地点から300m程高い位置にある乗り場までジャンプした。ビルが少し凹んで、凄まじい勢いで風切り音が聞こえる。隣のユニが少し気張っているのが面白かった。


(ユニ)「フー!!フー!!フー!!」

「大丈夫か?」

(ユニ)「よく飛べるよな」

「まあ落ちても別になんともないし」

(ユニ)「あれよ」


私たちは真空電車に乗って工場地帯の星[アルファ]へ向かった。乗車して1時間とちょっとで着いた。星から星の距離が近すぎるが大丈夫なのだろうか?互いの重力で均衡状態になっているから大丈夫だとは言っていたが、先ほど地上から見た空はほぼうっすらと見える隣のアルファで埋まっていた。

工場地帯と言うといわゆるスチームパンクな世界観を想像するだろうが、そうでは無かった。立体で真っ白な建物が積み木のように上へ積まれていて、螺旋状になっている。

上部へ行くにつれて立方体は小さくなっている様子は四角いソフトクリームのようだ。


真空電車から降りて、白の立方体が巻き巻きなっている根本の部分を目指して降りていく。途中で面倒臭くなり、飛び降りようとしたらめっちゃ止められた。

工場内では精密機器が寸分の狂いが許されない乗り物である宇宙船を作るため、先ほどのような振動を加えてしまうと多大な損害が出るらしい。よっ!。って降りようとしたんだけどな〜。



白の四角い巻き巻きの根本から工場内に入った私は中を見て少し興奮した。

数えきれない数の人型や動物型、機械型の機械生命体と人間の技術者が層になって宇宙船を作り続けている。巻き巻きしていた四角い部分の内側は一人一人のオフィスのようになっていて、そこでも一人黙々と作業をしている技術者が見える。

変な構造をした建物だなー。なんて思っていたが、中から見ると意外にオシャレでちょっと参考にしたくなった。


中央に聳え立つ柱から電力と水が供給され続けるようで、個室となっているオフィスにも細い管がそこから伸びている。まるで巨大樹の根本から上を見た感じ。円状に枝分かれしているように見える。ここも幾何学が採用されていて、美しい螺旋同士が交差するように枝分かれした管が見える。


「ここでは宇宙船のどのパーツを作っているの?」

(ユニ)「ここは外壁と内壁だ。ヒビや塗装のムラなんかがあると、事故につながってしまうから大事な作業行程の一部だね」

「他の建物は?」

(ユニ)「色分けされてただろ?色に合わせて作っているパーツを変えているんだ」

「だから宇宙船の内部パーツって色がついてるんだ」

(ユニ)「まあ、整備する時に一発で分かるって言うメリットもあるし、製造するときに色分けしていれば似たようなパーツでも間違いは一切ないからね」

「なるほどね〜」


いや〜宇宙船の工場って面白いな〜!気になってたっちゃ気になってたんだよね。宇宙船免許を取りたかったけど、年齢的に無理だったからな。(宇宙船免許は18歳から)


そういえば、内部構造だけでもと思って男性向けの電子雑誌を読み込んでたな〜。



宇宙船開発会社の工場見学をして久しぶりに興奮したノモだった。。。

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