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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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あんた何ができんの?

「連れて行くのはいいけど、、あんた荷物持ち以外になんかできんの?」

[・・・]

「できねーなら足手纏いだ。私の速度についてこれないやつもいらん」

[私はもともと産業用の組み立てロボットでした]

「で」

[何かを改良したり、修繕したりはできますが、、]

「ここには直してもらいたいものなんて何もないけど]

[たとえばそこのタイヤと重機、そしてあなたのその身体を使えば乗り物を作れます]

「乗り物?」

[試しに外側の部分を作りましょう。中身の駆動部分はあなたの身体の中の方にお任せいたします]

「・・・。ペタのこと知ってんのか」

[いえ、知りませんでした。ペタというのですね。私の(レンズ)にはどうやら混じっておられるように見えただけです]

「わかった。10分やるから作ってみろ」

[はい。]



10分後


[できました。バイクです]

「バイク?なんでそんなもん。砂漠の上じゃまともに走れねーだろ」

[走る?そんな必要ありません。浮かびますから]

「浮かせて進むのか?」

[はい。ここは重力が強いですからね。反重力を取り付ければ簡単に受けますよ]

「反重力なんて簡単に作れるわけねーだろ。嘘言うな」

[嘘ではありません。あなたの緻密な分子操作なら可能でしょう?]

「どう言うことだよ」

[あなたの身体には細胞レベルの機械が混じっていますね。およそ4割か5割か]

「そうだけど」

[このバイクは一度分子レベルに直し、その隙間の分子にあえて空洞を作っています]

「ん?」

[発泡スチロールというのと同じです。軽いんですよ。ものすごく]

[そして、その隙間にあなたの細胞機械を取り込ませて分子レベルで磁場を使って浮かせるんです]

[すると、その隙間にある分子を意図的に上へ動くよう操作できますので全体を浮かせられるということです]

「・・・。嘘くさいな。それに私が分子レベルでバイクと同化するやり方が分からん」

[血液を流せば良いのですよ。少量の血液を燃料の代わりとして使用し、バイク全体の分子に行き渡らせれば良いのです]

「はぁ」



そういえば、ペタってどうやって浮かんでたんだ?羽のようなものはあったけど、それだけで飛べるもんだっけ?もしかして、ペタの仕組みも似た感じなのか?


でも、このプロトタイプのロボットが作られている時にはそんな技術はまだ開発されてなかったよな。


そうか、、こいつが破壊されずここに送られた理由はおそらく()()()()だからだ。普通の個体よりも数段性能が良いか悪い個体のことだが、こいつらのようなユニーク個体はその先の技術を発展させるのに必要なデータだったんだろう。


だが、私が生まれる前からペタのような機械生命体は発明されていたから、必要でなくなったのだろう。多分放置されているのだろう。


破壊するのにもお金がかかるし、破壊する際に他の機械に悪影響を及ぼすような行動を取られる危険性を考慮した上での放置なのだ。


壊されることもなく、用途も無くなったユニークの墓場にもなっているのか、、、

まだこいつ生きてるけど。



[どうかされましたか?]

「いや、とりあえず乗ってみる」

[どうぞ!どうぞ!最高時速は400kmですよ]

「まあまあだね」



私はそう言いながら、自分で親指の皮を引きちぎり、ハンドルを握った。少し時間が経ってからエンジンがかかり、地面から浮遊し始めた。


[そのまま!アクセルを!引いてください!右手を!手前に!捻るんです!]


浮遊したバイクの風とエンジン音のせいで、オリゴの声が聞き取りにくい。

あんまり聞こえなかったが、とりあえず右手のハンドル側を軽く手前へ捻ってみた。

すると、勢いよく前進し砂煙がけたたましく立ち上った。


私が全速力で走る速度より遅いが、ファニーが安全に移動できる最速の手段としては重宝できそうだ。時速100kmで走っていたが、このバイクに座って前に私、後ろにオリゴが座ってファニーを挟んでいれば落ちることはないだろう。



私はUターンしてオリゴとファニーがいるところへ戻った。数十秒で3kmほど進んだ。

ブレーキをなんとなくで踏んでみる。するといきなり急ブレーキがかかり、横向きになったバイクがそのまま滑っていく。(アキラのあのシーンのような)


バイクは止まったが、私は慣性に揺られ吹っ飛んだ。大きな動物の肋骨のような骨に思いっきりぶつかった。ガラガラと軽い音が周辺に鳴り響く。1mくらいの骨が最後、私の頭にカランとあたり、砕けた。


[大丈夫ですか?]



心配そうな顔をしながらファニーとオリゴが走ってこちらへ向かってきた。(オリゴは無表情だ)


「運転に慣れれば、今までよりも早く移動できそうだ」



無傷な私を見て少し黙っていたが、オリゴが嬉しそうな声で返事をした。


[それは良かったです。なら、私は仲間になれますね]

「そうだな」

「ただ、外見がダサすぎる。もうちょっとどうにかならない?」

[ええ。まだ試作ですから。仕上げをしておきます]



外見はバイクと言われればバイクだが、ぱっと見は重機のベルトゴンベアが全面的に主張する無骨すぎるデザインだったので少し嫌だった。


「今日は、もうすぐ夜になるから日が登ったら出発しよう。その間に完成させといてね」

[わかりました]



こうして、ロボットのオリゴが新しい仲間になった。

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