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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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返信内容と体験入隊

三つの返信を順番に上から確認していく。



一番上にある返信相手は『ゴリアテ』という探索家チームだ。


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ご応募ありがとうございます!私たちの宇宙探索家チーム『ゴリアテ』は新人にアットホームな探索家チームです!明日10時に〇〇へお越しください。


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応募者に自動でテンプレート文を送るシステムなんだろう。

少しビジネスマンっぽい硬い文章に妙な高揚感が湧いた。





二つ目の返信を見る。チーム名『ノリッジ』からだ。


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ご応募いただき感謝いたします。あなたがこのチーム『ノリッジ』で一緒に活躍していただけるのを心より楽しみお待ちしております。


15時に〇〇の飲み屋にお願い致します。


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こちらもテンプレ文。





三つ目。『ハインライン』


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十七時〇〇にに来い。



[モーラ・ギブスン・H]

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「三つ目・・・物凄く淡白な内容だな・・・分かりやすくていいけど・・・」



これだけで決めつけるのはいささか短絡的かも知れないけど、明らかに最後のは怖いチームの雰囲気がぷんぷんだ。



それぞれのチームには独自の文化やルールなどがある。少し怖いけど、"習うより慣れろだ"。明日、一つずつ自分の目で確かめに行くしかない・・・。




こういう時は、考え方を変えれば良いのだ!




全く来ないと思っていた返信が三つも来た!ってね!

(それにどこでも良いから早く日銭を貰わないと、二日後の食費も寝床も無いし・・・今日も菓子パンで済ましちゃったし・・・)








ーー翌日10時ーー


最初に向かったのはチーム『ゴリアテ』。

ここはクズチームとしか言いようがないチームだった。リーダーは軽薄で、お金のことしか考えてないクズ。メンバーも見習いの私をただの自分の代わりをやってくれる労働力としか見ていなかった。ノモが到着するとすぐに、何の説明もなく重い宇宙資材の運搬を命じられた。


「おい、新人!あそこに運べ!」


ノモは何度も辛抱強く運搬を続けていたが、他のチームメンバーの男たちがただコーヒーを飲んでいるだけだったので、これ以上は無理だと判断した。


「入るなら明日からもっと早い時間に来いよ!!」


と、終わり際に告げられ、私は笑顔で断った。


「お誘いありがとうございます!遠慮します!!!」


と告げ、次のチームに向かった。






次に向かったのはチーム『ノリッジ』がいる飲み屋だ。


このチーム『ノリッジ』もなかなかの問題を抱えていた。チーム内の人間関係が荒れており、私がメールで住所が送られていたチームがいつも飲んでいる酒場に入った途端に不穏な雰囲気を感じた。



バーカウンターのようなところでは女性メンバーたちがリーダーらしき男を取り合っていた。はたまた別の席ではメンバーの大男たち同士が口論していたり、殴り合ったりしていた。また別の席では明らかにいじめに見える悪ふざけをする女子グループもいた。



私がリーダーの周りの女性が離れるのを待って入り口の入ってすぐの角で座っていると、さっき、このメンバーの中で気の弱そうな女子をいじめていた強気の女子三人がこちらに歩いてきた。



「新しい顔ね。どう?私たちと働く自信ある?」



入隊したら絶対いじめの標的にされそうな雰囲気だった。



私より少し年上のくせに化粧が濃いその女子の質問に対して、私は礼儀正しく入隊をお断りし、頭を横に振った。ここもダメだ。何をされるのか分からないし、昼間っから飲んでいる連中と仕事なんてごめんだ。(父さんを思い出すから酔っ払いは特に嫌いだし)








最後に残ったのは短文で返信してきた三つ目のチーム『ハインライン』だった。

返信の時点で明らかに歓迎ムードでは無い気がしたここが最後の希望になるとは・・・




指定された場所にはオレンジ色のラインが入った白い宇宙服を着たメンバーが一人と、少し青みがかった髪色の背の高い女性がいた。奥に駐めてある宇宙船の窓から数人顔を覗かせ、こちらを見ていた。



左の男は寡黙そうだが、ただならぬ威圧感を感じる。右の女性は、可愛いというより、美人って感じ。大人な女性だ。




私の視界から見て右側にいる女性が真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。



「明日、あなたがどのくらい本気なのか試させてもらう。それが済んだら、私たちはあなたを歓迎する」


女性の声色は見た目より低く、ハリのある声で一瞬ビクッとなったが、ものすごく頼れそうで、仕事ができる雰囲気がすごい。


「し、承知しました!」



私は女性の方に深々と礼をした。


彼女の佇まいと、発言で私は少しホッとした。




どうやらまともなチームっぽい・・・。


返信内容のような冷たい対応をされるのかと思って覚悟していたが、意外にそうでもなかった。これで、なんとかこれから先の進路に首の皮一枚繋がった気はした。









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