第二章-二部 常夜①
この日から私の地獄の日々が始まった。永遠とも思える時間の流れは断末魔と共に流れていく。。。
(以下、グロ注意)
私はロロネーの奇行に付き合わされていた。感喜な奇声をあげながら爪を剥ぎ取っていくロロネー。指の爪がなくなると、足の爪を剥いでいった。
そして毎回、同じ質問を繰り返す。
「残りのハインラインメンバーの行方を教えろ」
「青い星について全て答えろ」
私はすでに知っていることは全て話し終わっているのに、当然、信じてはくれない。
また、こいつの趣味なのか、ペタのことについてやたらと執拗に聞いてくる
「彼女は何者だ」(低い声)
「どんな男がタイプなんだ」
「好きな食べ物は」
「理想の男は」(高い声)
「デートに行くならどこに行きたい」(高音大声)
「胸でけ〜」(大声)
後半になるにつれて、ただの性癖を暴露するだけになっていっていた。興奮する男性というのは、こんなにも気持ちが悪いものとは、、、
意図しているのか分からないが、そんなくだらない質問に答えようと無意識に考てしまう。その度に、私の壊れかけている理性がギリギリ保ってしまう。
次の日。
彼はまた来て、今度は指を一本ずつ切れ味の良いナイフで削いでいく。知っていることは全て話したのに、また同じ質問を繰り返し。そしてまた、性癖暴露大会をするだけの拷問の日々が続く。
質問。
拷問。
性癖。
このループに私の精神と身体はズタボロになっていく。男性に対する嫌悪感も日に日に大きくなる。もうまともな恋愛はできないだろう。
ある日、同じ時間に来たロロネーは刀を持っていた。それを大きく振りかぶり八双の構えをし、私の右腕を叩き切った。血が圧のかかった水道管ように吹き出し、白い壁を染めていく。私はあまりの激痛で失神してしまった。
が、電気ですぐに起こされてしまう。すぐに手際良く止血をしてもらっていたが、いっそのこと止血しないで、そのまま失血死したかった。
5日後。
今度は左足を膝から叩き切られた。またもや失神する私を電気で起こす。すぐさま止血をして、煮えるような苦痛と耐えられない意識だけが残される。激痛とともに熱を持ち始めていた右腕に続いて左足まで同じようになってしまった。
鋭利な角度で刃が通っているため、切断面が大きく、尖っている。
また、なぜかこの辺りからロロネーは質問も得意な作り笑いも何もしてこなくなっていた。切っている向こうも何か思い詰めているような表情で、恐怖に勝つため狂気と戦っていた。
切断面はさらに熱を持ち、激痛が走る。心臓が脈打つたびに失神するほどの痛みが生まれる。頭痛がひどくなり、体調がみるみる悪くなっていく。血液量が足りていないのだろう。呼吸もどんどん浅く早くなっていく。
死にそうなのに、死ねない。自殺しないように口には猿轡をかまされている。
アイツは何がしたいのか、、、なんて考えることすら痛みがひどくてできない。
死の淵に立たされている私はもう限界だった。
「ペタはなんで助けに来てくれないの、、、、」
3週間前(残り22日)
(ペタ/アリアサイド)
ノモが別の地下牢屋に入れられてからもう3日がたった。
何も詳細がわからない。ペタがダニエルたちにある小型探索機を遠隔操作している間は下手に動けないし、何がどうなっているのか、私にはさっぱりだ。
私がここに連れてこられた理由も不明だった。
突然、宇宙海賊団エースが複数の船で現れ、私たちの船を囲ってきた。
そしてそのまま連行された。他に乗っていたメンバーはどこかへ連れ去られてしまったまま連絡が取れない。
これは私の直感だが、おそらく一緒に乗っていたメンバー二人に売られたのだと思う。
一緒に乗っていた二人、双子のホクとサイは孤児で出自が不明だった。困窮していたところをヒューゴーが拾い、育てていたらしい。私も孤児で施設育ちだったので、勝手に親近感を抱いており、安直だがヒューゴーが育てだったということに信頼していた。
実際、性格もよく、働き者で、正義感強い良い奴らだった。いや、強すぎたのか、、、
正義感、、、
二人は犯罪者に会いにいく私の言動を許せなかったのだろう。流されやすく、情報の精査をろくにしない最近の若者だったのか、、、?
もう一つ。気がかりなことがある。
育てのヒューゴーは"元銀河警察役員"だった。私が何か怪しい行動をしないか睨まれていたのかもしれない。




