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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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小型潜伏機ペタ

添付された画像にはペタらしき人物と『ハインライン』のリーダー。アリアが写っていた。どうやら海賊団に捕えられているというのは本当らしい。



ん、、?


ってことはこっちには誰もいないんじゃ、、、


まあ、ペタとリーダーがあっちにいるならノモは無事だろう。私たちの任務の一つが消えただけだ。もう一つ重要な任務が残っている。


"この海賊団の目的はなんなのか探ること"



ノモを狙っているわけでもなさそうだし、銀河警察と何か交渉する気もなさそうだ。何を企んでいるのか見えない。ノモを探しに来れるから牢屋に来れてよかったと思っていたが、もう解決したなら牢屋にいる意味はない。


どうにかして抜け出さないといけないのだが、、、どうしたものか、、



とりあえず、ペタに返信しとくか。


[無事そうで何より。リーダー。生きていたんですね。よかったです。こちらは海賊団クラッシュにある任務で潜入中。牢屋に閉じ込められてしまったので任務が滞っている。援助求む。]



送信すると、すぐにペタから返事が来た。


[遠隔で制服内のパーツを操作します。画面を表示しますので、指示を]



すると、宇宙制服の中からモゾモゾと何かが動き出し、襟から出てきた。

ネズミ型のペタを牢屋に捕まっているペタが遠隔で操作しているようだ。配管や、通気口を通って盗聴するつもりだろう。


この宇宙船内の地図は把握していないので、ざっくりとしか現在地が分からないが、とにかく真ん中の司令部へ向かわせることにした。



あとは勝手にペタが操縦して司令部を探し出すまで待つだけだ。

ようやく安心して、もう一度眠れる気がした。




目を覚ますとネズミ型のペタが捕えられていた。船長のローキィは無表情のまま足でそれを踏み壊した。


(ローキィ)「出ろ」

(リナ)「はい」

(ダニエル)「フガっ」


コイツ起きろよ。起こそうとすると、ローキィはそのままにしておけと言い私だけ牢屋から連れ出した。


牢屋はこの船の後方最下層にあったらしく、高速移動する乗り物を乗り換えながら最高司令室と書かれた部屋に連れて行かれた。何をされるのか警戒しながら案内されるがまま入っていく。


対面になっているソファにローキィが座ると、目の前のソファに座れ。と目配せをしてきた。


私はオドオドしながら座るとローキィが話し始めた。


(ローキィ)「お前たち。何をしにきたんだよ」


意外にも、口調は優しげだった。


(リナ)「私たちは、、、」

(そうだ。これは極秘任務のはず。内容は誰にも言わないほうが、、、)

(リナ)「いえ、」

(ローキィ)「隠さなくても全部太宰から聞いておる」

(リナ)「え?」

(ローキィ)「極秘任務とか大層なこと吹き込まれたんだろう?嬢ちゃん」

(リナ)「は、はい、、、」


なんだよ。知ってたのかこの爺さん。緊張して損した。


(ローキィ)「俺と太宰の関係は知ってるんだろ?なら話は早い」

(リナ)「ど、、どういうことですか?」

(ローキィ)「俺たちは銀河警察から宇宙海賊団なんて呼ばれちゃ〜いるが、本当の組織としての活動は銀河警察の監視なんだ」

(リナ)「え、、?」

(ローキィ)「あいつらが何かおかしな捜査や政策、法律とかを勝手に決めねぇように見張るのが俺たちの仕事なんだよ」

(リナ)「なら、なぜそれをきちんと広めないんですか?宇宙海賊団なんて名誉なものではないんじゃ、、」

(ローキィ)「そりゃそうさ。都合の悪いことをする奴らは悪者って決めつけるのが奴らのやり方だ」

(リナ)「そん、、なこと、、許されません、、!」

(ローキィ)「いや、もうそんなのはいいんだよ。嬢ちゃん。俺が気がかりなのは最近、指名手配された少女ノモのことなんだよ」

(リナ)「何か、知ってるんですか、、ノモの一件で」

(ローキィ)「いやぁ?な〜にもしらねぇ〜ぜ?ただ、なんか警察どもの動きが変なのは確かなんだよな」

(リナ)「それは私もそう思います」

(ローキィ)「だから、警察どもの動きを確認してほしいんだよ嬢ちゃんたちにはな」

(リナ)「はぁ〜、、、?」

(ローキィ)「お前さんたちがいたチームの中に国から配属されて来た奴がいただろ。そいつと何か連絡は取れねぇのか?」

(リナ)「あ、、あぁ。彼は消息不明です。事故以来連絡は取れていません。それに、、」


(リナ)「最近になってようやくチームメンバーが生きていることが分かったんです。2年間の間、誰とも連絡が取れなかったので、みんな亡くなったのかと思っていたのですが、、、」

(ローキィ)「なら、そいつも生きてるかも知れねぇじゃねーのか?」

(リナ)「そうかも、、ですけど、、」

(ローキィ)「連絡が取れたらで良い。取れなければ別の手段を考える」

(リナ)「は、、はい、、」



話が一区切りし、私は部屋を出ようとした。

しかし、まだ話があるようで、引き止められた。


(ローキィ)「待て、」

(リナ)「はい?まだ、何か、、?」

(ローキィ)「太宰らは死んだ」

(リナ)「え、、?」

(ローキィ)「昨日、事故死というニュースが流れていたが、これも銀河警察が仕組んだ奴だろうな」

(リナ)「な、、なぜそう言い切れるんですか、、」

(ローキィ)「あのメンバーの中にスパイがいたんだよ。銀河警察のな」

(リナ)「!!」

(ローキィ)「あいつらはここ数十年、やり方が巧妙で卑劣になって来ている。誰かが、組織を私物化している可能性があるかも知れない、、な」

(リナ)「失礼、します、、、」



私は最高司令室を出て、外に待っていた案内人から居住区間の部屋へ案内された。隣の部屋にはダニエルもいるらしい。すごく心配していた。と言われたが、正直、それどころではない。


銀河警察は人類の中で最も権力と武力と資金を持っている。


敵対するとなるならば、強敵という一言では済まない。。。



(リナ)「ノモが危険だ、、、」


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