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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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宇宙探索家たちの計画

ノモのニュースが流れてすぐのこと。。。


宇宙探索家たちは三つの派閥に割れていた。

・関与しない派

・擁護派

・逮捕派



この三つの派閥のうち、ほとんどは関与しない派だった。理由は簡単。余計なリスクを負いたくないから。


もし、擁護派にまわれば銀河警察と宇宙海賊団を相手にしないといけなくなる。

また、逮捕派についても、宇宙海賊団から目をつけられてしまうだろう。


以上の簡単な理由から少し薄情さを感じるかもしれないが、仕事でやっている彼らに取っては合理的に判断するべき一件なのである。


3つのチームを除いては、、、



宇宙探索家チーム『ドイル』(逮捕派)

銀河警察の逮捕協力要請に答えた2つのチームのうちの1つ。


チームメンバーは5人。

隊長「太宰」が率いるチームだ。


ここに新しく、最近移籍してきた人物がいる。

最近解体された、最も宇宙冒険家に近いと言われていたチーム『ハインライン』のメンバー。ダニエル・フィリップだ。(旧名ダニエル・フィリップ・ハインラインだが、チームが解体されたのでハインラインの名称は取り除かれている)


ダニエルはノモがニュースで言われているような犯罪者ではないと信じている。だが、逃走を続けるノモの真意を知るため、逮捕協力を承諾した。

自分の知っているノモがそんなことをしないと言い聞かせるだけでいっぱいのダニエルは、ひとまず逮捕してから面会でその真意を確かめたいのである。


大雑把な性格だが、根は堅実なダニエルらしい行動だ。





宇宙探索家チーム『ドスト』(中立派)

銀河警察の逮捕協力要請に答えた2つのチームのもう一方。


チームメンバーは10人。

リーダー「坂口」と副リーダー「夏目」が率いるチームだ。


ここにも新しく、最近移籍してきた人物がいる。

ダニエルと同じチームに在籍していた人物。最近解体された、最も宇宙冒険家に近いと言われていたチーム『ハインライン』のメンバーの一人。リナ・クラークだ。(旧名リナ・クラーク・ハインライン)


彼女もダニエルと同じ考えだが、逮捕派ではない。擁護して、自分たちの宇宙船、もしくはどこか星で話を聞こうとしている。


実は、このチームは絶賛対立中だ。

"逮捕派の夏目"と擁護派の坂口で真っ二つに割れている。銀河警察の返信にタイムリミットがあったため、やむをえず逮捕協力を受けたが、意見は対立したままだった。


もちろんリナは擁護派の坂口についている。チームのリスクを訴える逮捕派の意見もわかるが、今はとにかくノモと話がしたいという気持ちでいっぱいだ。


クールな印象の彼女の性格は心配性である。

自分が同じ立場ならどれだけ心に響くのか、というのが頭から離れない優しい人物なのだ。





そして、もう一つのチーム。

宇宙探索家チーム『ヒューゴー』(擁護派)


チームメンバーは3人。

元チーム『ハインライン』リーダー。アリア・アンスン・ハインラインが率いるチーム。


ノモのニュースを見てアリアが頼れる人材を集め新たに結成された即席のチーム。


アリアはノモが生きていることを知り、いてもたってもいられなくなった。


ある日、一人で助けに向かおうとしたところを当時在籍していた次期宇宙冒険家候補チーム『シェイクスピア』のメンバーに引き留められた。


リーダーから「チームで頼れると思う人物を連れて行け」と言われ、本人たちに許可をもらい作ったチームである。リーダーの名前であるチーム『ヒューゴー』はこの一件の騒動に限り関与することを特別に認められ、発足された。


普通の探索家チームは認められないが、アリアの今までの『ハインライン』での功績と、その後所属していたチーム『シェイクスピア』の功績を踏まえての特別的措置となった。


また、リーダーのヒューゴーはアリアのライバル的存在でもあった。チーム復活を後押しするために行かせたのだ。




こうして、ノモのニュースが流れ始めてたった3日間で三つの探索家チームと大きな二つの海賊団がノモを求めて追い始めたのだった。。。


チームメンバーが必死で探してくれていることをノモが知るのはまだ先のお話。。。








(ノモサイド)

かつて、私が所属していた宇宙探索家チーム『ハインライン』は解体されたというニュースをみた。おそらく皆あの事故で亡くなってしまったのだろう。ニュースの記事を見ると宇宙冒険家有力候補のチームだったらしい。そんなことチームメンバーは誰一人言っていなかったので、今知った。


そんなすごいチームにいたのか、、、



解体されたってことは、もうみんないないんだろうな、、、


私の中で何かがプツンと切れた気がした。



「もう、いいや」

『・・・?』

「逃げるのやめようか、、ペタ」

『と、言いますと?』

「追手は迎え撃つ。どこか遠い星でゆっくり過ごそう」

『ですが、、』

「頼むよ、、、ペタ、、、」



気づくと私は嗚咽しながら泣いていた。でないと思っていた涙が滝のように溢れ出す。もうとっくに限界を迎えきっていたのだ。唯一の望みだと思っていたチームメンバーの消息もついえた。






宇宙冒険家になるという夢を持ってしまった私が悪かったのだ、、、、







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