宇宙船を作ろう①
ペタの機能と回復度を確認したので、とりあえず少女の家に帰ることに。
私はなんで朝っぱらから全裸を見られなきゃ行けなかったんだ、、、
(前回を参照)
試しに{ドラゴムーブ}とやらの機能を使ってみる。
ペタの半分を改良した宇宙制服に取り込み、使用した。
すると、白の宇宙制服が全身真っ黒になり、どんどん禍々しくなっていく。
膝、肘、肩周りは鎧状になり、その他は大きい鱗になっている。鱗鎧といえば伝わりやすいかも。手は鉤爪状になり、足は鎧状のブーツになった。ドラゴンというより甲虫じゃ、、、?
(ニー)「おおぉ〜〜〜〜!!!!かっこいいいのだ〜!!!!」
(スリー)「すげぇ〜〜いいなぁ〜〜!!」
(ファイ)「めっちゃいいじゃん!!」
男子陣は絶賛しているが、、、
女子陣は少し嫌そうだ。
(ワン)「わ〜頼もしそう〜、、、」
(フォー)「虫、苦手なのよね〜」
おい!だれが虫じゃ!ってツッコみたいけど。まあ確かに虫と言われば虫に見える。後で、もう少し別のデザインにできるか聞いてみよう。ニーがどうしても一緒に飛びたいというので、少女を両手で抱えて地面を踏み込んだ。
すると、一瞬で上空5000m付近まで到達し、雲の上を突き抜けた。家の方向をペタが案内してくれていたので、そっちの方向へ飛ぶが、早すぎて通り過ぎてしまう。何度も何度も通り過ぎるので、ペタが自動操縦に切り替えて着陸させられた。この星は木星の半分ほどの大きさだが、本気を出せば数秒で一周できそうだ。
ニーは酔っていた。。。
私も少し気持ち悪い。。。
操縦はペタに任せた方が良さそうだな、、、、オエ
ペタはというと、私たちが空を目まぐるしく駆け回っている間に家に到着してゆっくりしていたらしい。優雅に空を見回りながら来たと言っていた。他の人が見たら美しい妖精か、魔女だというふうに見えたんだろうな。
家に入り、フォーがお茶を入れてくれた。今回は緑茶と煎餅。素朴で美味しい。
バリボリ煎餅を食べながら、宇宙船について本格的に取り組んでいく話をする。
「ペタ。こないだの設計図の中でγ機関っていうよくわからない箇所があるんだけど、分かる?今の状態なら。」
『γ機関ですね。うーん。。どうやらブラックホールのガンマ線を利用しているようですね』
「ガンマ線?」
『はい。ブラックホールが対になるように放出している高エネルギー帯のことです』
「ほう、」
『こちらは説明すると長くなりますので、簡潔に言いますと。ブラックホールから生じるエネルギー波のようなものです』
「それをどうするの?」
『そのエネルギー波をアダマンチウムで作った制御路を三重に構成した放出部分から出力し、従来の宇宙船の数十倍の速度で移動できるようになる。というパーツですね』
「そんなことできるの?」
『可能ではあります。ただ、アダマンチウムという金属が伝説上のため、実現可能なのかどうかは怪しいです、、、』
「え〜どうすんの〜」
『私の中でアダマンチウムに似た物質を{プレミモス}で初期化して再構築を試みてみます』
「オッケー。私たちは何をすればいい?」
『私が宇宙船のエネルギー炉とγ機関を制作いたしますので、それ以外をお願いいたします』
「りょーかい!ニー!へばってないで作業するよ!」
(ニー)「う、、オエ~」
「ウワ、キタネ」
吐瀉の処理をして、ニーが回復するまではとりあえず休憩を取ることにした。スリーなら多分大丈夫だっただろうが、ニーはとにかく三半規管が弱いようだ。
ニーの回復を待つ間に、{ドラゴムーブ}形態の宇宙制服のデザイン案を修正してもらおう。ただただいかつくて虫っぽい見た目だったので、もう少しオシャレというか、かっこよさというか、可愛さというか、、、マシにしてほしい。
私はペタにドラゴムーブ時のデザインについて変更点を加えさせた。
まずは頭部。
黒黒した甲冑ではなく、シルバーと白がベースのものにしてもらった。狐のような面に青色のラインが所々入っている。
次に上半身。
肩は相変わらず少しトゲトゲしているが、白ベースにすることでいくらかマシになった。
最後は下半身。
少し変えてと言っただけなのに、めちゃめちゃ露出が多いデザインを提案してきたのでペタの頭を叩いた。こんなエッチィやつ装備できるか!!!
ということで体にフィットはしているが、そこまで露出度が高くない感じにしてもらった。目のやり場に困らなくて済んだ。。。
ドラゴムーブのコスチュームを改良し終わると、ニーがようやく回復した。
「そろそろ作り始めよーよ!」
(ニー)「う、、わかったのだ」
「ペタが難しい箇所は作ってくれるみたいだから、他のパーツを作っていきましょ」
(ニー)「了解」
ガレージへ行き、宇宙船を作っていく。前に改良した宇宙船ではなく、1から新しく作る。形はやっぱり涙滴型にしてもらった。かわいいじゃん?
って言ったら、ニーとファイは理解に苦しんでいた。
一度作ったことがあるニーたちはテキパキと作っていく。あっという間に外殻が出来上がった。見た目はシルバーとガラスがメインに使われていて、綺麗だ。
本当に雫のような宇宙船に仕上がった。
あとは中身を作っていく。ペタが操縦してくれるので、完全自動運転で進めていく。操縦席はいらない。私は操縦してはいけないのだ。免許ないし、、、
制作1日目は外殻が完成し、内装に少し取り掛かる程度で終わった。
ーーー制作二日目ーーー
朝から制作を始めていたニーのおかげで、昼過ぎに起きてきたらほとんど終わっていた。こんなに早く作れるもんなの?
「おはよ〜。早いね〜」
(ニー)「おーん」
「もうすぐできるの?」
(ニー)「こっちはもう終わるのだ。あとはペタが作っているエネルギー炉とアダマンチウムの三重構造くらいなのだ。。。」
「こんなに早くできるようなものなの?」
(ニー)「慣れなのだ」
「慣れ、、、」(慣れで出来るようなものじゃなさそうだけど、、、)
ペタは、ニーの研究部屋に籠ったまま、丸二日出てきていない。忘れているかもしれないが、この星は地球時刻の4分の1なので、丸2日というのはいうのは地球時刻でいうと8日ほどだ。時差ボケのレベルではない。
まあ、ペタは機械生命体だから寝なくてもいいらしいけど。
私は、研究部屋にいき、ペタに進捗を聞いてみた。
「ペタ〜。今入ってもいい?」
『どうぞ』
「入るよ〜」
扉を開けてすぐに目に飛び込んだのは部屋一杯のバカでかい機械だった。
どうやらアダマンチウムは一度型をつけると二度と変形できないらしく、鋳型を一つ一つ変えてから作っているようだ。床にはペアになった鋳型が何個も置かれている。
「どんな感じ?」
『あと半分ほどでしょうか』
「早いね」
「休憩してんの?」
『いえ、休憩は不要です』
「そう、、」
『ご心配ありがとうございます』
作業を一旦やめて、こちらへニコッと微笑む。
グッと胸にくるものがあった。メカニックな美少女がこちらを向いてニコって、、、
惚れてまうやろ〜〜〜!!!
『ノモ様。うるさいです』
「あ、すいません」
「失礼しました〜」
明日にはもう完成しそうだな、、、
いよいよ、帰れるのか、、、、
『ハインライン』のみんな無事だったのかな、、、、
私はキッチンで料理をしながら思いを馳せていた。。。




