クリスタルマインド討伐①
話が終わる前に先に討伐準備の方が終わった。
と言っても、荷物の中身は3日分の食料と緊急バックくらいしかない。あとはペタの機能とスリーで何とかなる。
(ニー)「私は止めたのだ。死んでも文句言うなよ」
「死人にゃ口なしですよ。ニーの旦那」
(ワン)「あんた何言ってんのよ、、」
(スリー)「テンション上がってきたなー!!!」
「ねー!!」
(ファイ)「いつも喧嘩ばかりしているくせに、、、」
[両翼]の機能を使って上空へ飛び立った。スリーは地面に何度か着地しながら私についてくる。空中での滞在時間は会話を少しできる程度。こいつの跳躍力バグってんだろ。
「スリー。どこに向かえば良いのか知ってるの?」
(スリー)「いや、知らん」
「は?」
(スリー)「ペタはなんて言ってんだ??」
『ひとまず、山岳地帯へ向かいましょう。岩肌が出ているところへとりあえず向かいます。生息地ではないですが、最も観測されている場所ですので。』
(スリー)「おっけ〜!!!」
「了解〜!」
(ファイ)「本当にテンション高いな」
「だって、あいつ倒したら帰れるかもだしね!!!」
(ニー)「楽観的な憶測は身を滅ぼすのだ」
「なんて〜??」
上下する少女は途中で何度か会話が途切れる。少女にも[両翼]をつけさせてあげたいが、宇宙制服を着てないので拡張機能は扱えないのだ。15分ほどで山岳地帯へ着いた。スリーはほぼ走ってきたようなもんだが、疲れている様子はなかった。
(スリー)「ここかぁ??」
『はい』
「とりあえず、周囲を散策してみよう。前みたいに突然出てくるかもしれないし、棲家っぽいところも探ってみよう」
(スリー)「そうだな!」
山岳地帯は嫌に曇っていた。雷も遠くでなり始め、ただの岩山だが緊張感がなかなかにある。標高300m〜500mくらいの細い岩山がそこらじゅうにある。先端は丸まっているが、まるで砦のようだ。
私は[両翼]で低空飛行しながら岩肌をじっくりと観察して、スリーは地上から散策してもらっていた。洞窟に住んでいるのか、山頂に住んでいるのかそれともそもそも住んでいないのか、全くの未知だがなんだかワクワクしていた。
ゲームのラスボスを倒す感覚に近いのだろうか。強化した仲間を集めてラスボスに挑むRPGのような感覚に気分を高揚させているのだろう。
小雨が降り始めたと思ったら、急に大粒の雨になり始めた。雷もひどくなり、近くの洞窟に避難をする。中に入るとエーテリウムを含んでいる鉱石群が青赤橙にそれぞれ輝いていた。[発光]の機能を使って辺りを照らすと奥に扉のようなものが見える。縁は白く塗られていて、扉自体は深緑色だ。豪勢な装飾が縁と同じ白色であしらわれている。
「スリー。ここって誰か住んでたの?」
(スリー)「いや、そんなはずねぇーけど、、」
(ニー)「すごい重厚な扉なのだ」
(ワン)「あいつの棲家だったりして、、、、?」
「そうかも、、ね、」
少女と目を合わせて愛想笑いをしているとゆっくりと扉が古めかしい音を立てながら開いた。両側の壁にはトーチがついており、勝手に奥まで火がついていった。まるで案内されているかのように、、、
「ど、どうする?入る?」
(スリー)「なぁにしにここにきたんだよ、、!は、入るに、決まってんだろ、、!!?」
「な、ならスリーからお先にどうぞ、、、私。怖いから」
(スリー)「は、はぁ!?しょ、しょうがね〜な〜、、、!」
私は虎型のペタにピッタリとくっついてスリーの後をついていった。あんなに豪語してたのに、、って??それならあんたの家の近くの廃墟が勝手に扉が開いて勝手に電気が付いたら怖くないの??怖いよね??
って誰に話してんだ私、、
煉瓦造りの通路はものすごく長かった。入ってからすぐに扉が閉まり、中からは開けられないようになっていた。ますます怖くなったが、もう進むしかない。
10分ほどだろうか、まだ先は続いていた。
キョロキョロと辺りを見回していると、少女の姿が消えていた。
「あ、あれ!??スリー!!?ニー!??ファイ!!?ワン!!?フォー!!?どこにいったのよ!!」
『おかしいですね、突然視界から消えました。まるでどこかに連れて行かれたかのような、、、』
「ちょっとペタ!!怖いこと言わないで!」
『一応、25%ほど宇宙制服内に入っておきます。』
「そ、そうね、そうして!」
そんな会話をしていると、今度は隣にいたペタも消えた。ずっと毛皮を掴んでいたのに、、、
私はパニックになった。信頼していた攻撃係が両方消えてしまったのだ。
「えぇ〜〜〜!!ぺ、ペタ!!!」
慌てふためいている私の前に白い頭をしたクリスタルマインドが現れる。
私は目の前に現れたクリスタルマインドを見た瞬間そのまま後ろに倒れ、失神してしまった。
そのまま担がれてどこかへ運ばれていく、、、
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今日は3話同時に出しています!!




