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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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ハイ・ボルテージ

(ダニエル)「グゥ!!ア"ァア"ア"アア"アアア"ア"!!!!!???」



ダニエルは倒れ、その背後には掃除用具入れのカートが貫通している扉と砕けたガラス片。ダニエルに駆け寄ったノモが残り、リーダー。アリアは呆れていた。



(リーダー)「事情を説明してもらうか・・・ノモ。」

「は、はい・・・」

(リーダー)「みんなはダニエルと、片付けを頼む」

(リナ/キイス/モーラ)「了解」

(キイス)「ナイス!!」


キイスはモーラの肩を叩きながらダニエルを抱えて医務室へ連れて行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[4F司令室]


(リーダー)「ノモ。そこ座って」

「はい・・」

(リーダー)「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」



リーダーは長いため息をつき、大きめのデスクに腰掛けてこちらを向いた。


(リーダー)「どうせ、ダニエルが揶揄ってきたんでしょ?」

「はい・・・」

(リーダー)「ダニエルには後でキツく言っとくわ・・・」

(リーダー)「それより、モーラの銃が当たらなくてよかった・・・」

「・・・」

(リーダー)「ノモ。落ち着いて聞いて欲しいんだけど、あの日の事について。知ってることを話すわ」

「私が光に包まれた日のことですか・・・?」

(リーダー)「そう」



リーダーは手早くコーヒーを淹れ、私には紅茶を淹れてくれた。



(リーダー)「ノモをあの日、連れ去ったのは私」

「え・・・」

(リーダー)「ノモは(宙船(そらふね)計画)に選ばれたの」

「な、なんですかその計画」

(リーダー)「冒険家の最高到達地はどこまでか知ってる?」

「3光年先。ブラッドベリが到達しました」

(リーダー)「そう。でもね現代の技術だと1000光年先まで無人で行けるの」

「1000光年先!?で、でもデータ送信ができないのでは?」

(リーダー)「そうできない。中継地点の星に無数の電波基地局を作っても無理」

「でも、飛ばすだけならいける・・・」

(リーダー)「片道切符だけどね」

(リーダー)「でもそれを往復切符にする計画が"宙船計画"」


(リーダー)「暗黒物質(ダークマター)の抗体は持ってるよね?」

「は、はい。宇宙冒険家になるための大条件ですよね」

(リーダー)「宇宙冒険家、宇宙探索家、見習い。全部含めてようやくパーツが揃ったの」

「パーツ・・・?」

(リーダー)「脳。心臓。血液。四肢。上半身。下半身。血管。その他臓器。抗体を持つ人物の移植部位が適合する人たちで作る全身像のパーツが」

「ひ、必要なパーツ」

(リーダー)「いくら抗体があるとはいえ、被曝し続けられる人物は居ない。それに1000光年先は人間の寿命じゃ絶対に行けない」


「コールドスリープ・・・?」

(リーダー)「まあ、そう。抗体を持つ人物で被曝したところを優先的に治癒することができる身体を持つ人が選ばれているの」

「わ、私は?どこなんですか・・・?」

(リーダー)「脳・・・」

「い、嫌です!死にたくありません!!!!」

(リーダー)「死にやしないの。脳は他のパーツから流れてくる被験者の情報が流れてくるけど、人格を乗っ取れたりはできない」

(リーダー)「意識はあなたが持つの」

「嫌です!私の身体は私のです!!!」

(リーダー)「宇宙法で定められている法律が一つ。宇宙での不慮な事故の責任は自責になる。しかし、本人が発つ前にそれを承諾したことを確認し、船に乗せること」

「私は、承諾していません!!」


(リーダー)「そう。そこなのよ。私もこの計画が馬鹿げている事だと分かってる!!でも、国が推進しているの!」

「国策なんですね・・・」

(リーダー)「いくら好きで宇宙に来て、利益を上げるからって。人間の命を軽んじすぎていると思うの」

「そ、そうですよ!!」

(リーダー)「でもね。ノモ。あの日召集された人物はコレをつけさせられたの」

「それって・・・」



リーダーが宇宙服を解除すると、喉元にチョーカー型の爆弾が取り付けられていた。おそらく盗聴器や録音、録画もされているのだろう。



(リーダー)「私は、組織を抜け出した。チームには言っていないけど、この船はどんどん変えれない位置まで離れて行ってる」

「信頼してるってメンバーのみんな言ってました・・・」

(リーダー)「そう、嬉しい。でも私はみんなを裏切ってしまった」

(リーダー)「ノモ。逃げて。国は今銀河警察を使って私たちを追いかけてきてる。ノモを捕まえるために」

「私が、いるからその爆弾は使えないって事ですね?」

(リーダー)「多分ね・・・」

(リーダー)「私は避難ポッドに乗るから・・・・。ノモにペタの主導権を託します」

(リーダー)「そしたらどこか遠くに逃げ続けて。ポッドに乗り込んだらみんなに通知します」


「ま、待ってください!!リーダーが話さなかったらリーダーが死ぬことは無かったんじゃないんですか!!??」

(リーダー)「私はこの地位を得るまで、たくさんの悪事を働いた。潔白を証明するために流した血は数え切れない」

「・・・・!!!」

(リーダー)「宇宙冒険家には絶対になれなかったの・・・」



リーダーはそう言い残し、避難用ポッドが置いてある一階倉庫室へ走って行った。



ピコン



[リーダー。アリアから。"動物型変形機械生命体-コモン(ペタ)"の主導権が譲渡されました。新たなマスター。よろしくお願い致します]



「え・・・」


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