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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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懐疑会議

(少女)「お、おかえり。」

「・・・。」


私は少し気まずそうに頷き、奥の部屋へ入ろうとしたが、少女に止められた。


(少女)「どこ行ってたの?」

「・・・。ペタを回復させに、」



ペタ?こいつの後ろにいるとんでいるやつか。音声まで取れなかったから会話の内容までは知らないんだよな。。。


「あんたこそ何してたの?」

(少女)「いや、その、、ちょっと体調崩しちゃって、」

「そう、、、なら言ってくれれば良かったのに。」

(少女)「あんまり心配させたくなくて、、、」

「・・・。」

「あんた誰?」

ギクッ


意外と感が鋭いなこいつ。名前なんだっけ。前の人格から思い出せそうなんだけど、、、えーっと、、、


(少女)「ニーだよ。ノモ!」


私の名前を知っているとはいえ、今の少女の人格は多分あの五人ではない別のやつだ。ニーならダサい語尾を使っている。今のこいつは使ってない。もちろん毎回使ってたわけじゃないかもだけど、どこと無くぎこちない気がする。研究施設にいたアイツと関係があるのか???


「海中研究施設であの少女に会ってから様子がおかしいと思ってたんだけど、、何か関係あるの?」

(少女)(こいつ、、鋭いな。何か言い訳しないとまずい)

(少女)「いや、本当に体調を崩してただけなのだ」


そうだ、こいつ語尾になんかつけてたのがいたな。だから気付いたのか?待てよ、なら他に変な語尾をつけてたやつもいたのか??くそ。これだから多重人格は嫌いなんだ。


「で、あんた何者なの?研究施設にいたあの少女なんでしょ?」

(少女)「違うよ。あの少女は俺と何にもかんけーねーよ。」

「・・・?うん?スリー?」

(少女)(なるほど、男の人格も入ってたのか。口調が荒い感じの。)

(少女)「ああ?なんだよ。俺を疑ってんのか?別になんもしてねーよ」

「なんかしてるやつ奴は何もしてねーって言うんだよ。本当に何もしてないならそんなにぎこちなく言わない。」

(少女)(くそ、、なんとなく当たってるのがムカつく)

(少女)「別に本当に何も知らねーよ」

『ノモ様。少女には何も変化は見受けられないです。体内をスキャンしましたが、至って普通でした。』

「そー」


疑われてるな。まあ人格を乗っ取るスパイなんて初めてだから、仕方ないか、、、まあ次第にこいつが少しずつこの身体について勝手に話し始めるだろう。下手に探りを入れるよりも、こいつがボロを出すまで話を合わせた方が良さそうだ。


そういえば、こいつ宇宙船の設計図を書いて渡してきたな。それについてなら話しても大丈夫だろう。


(少女)「そういえば、昨日宇宙船の設計図を渡してきたけど。あれ、ノモが書いたの?」

「・・・。いや、ペタが書いてくれた」

(少女)「よく書けてたなと思った。でもあれじゃまだまだ飛べないと思う。だいたい君の住んでいる星はどこなんだい?」

「人工惑星Neoだよ」

(少女)「Neo!?ここから15光年も離れてるじゃないか!?」

「知ってるの?私の星。」

(少女)「あ、ああ。もちろんなのだ」

「ペタ。こいつ縛って」

『承知いたしました』

(少女)「は?」


こいつは絶対あの五人ではない。今ので確定だ。私の星を知るはずがないんだよ。ここに50年もいるって言ってたのに、なんで私の星を知ってるんだ。Neoはできてまだ日の浅い惑星だ。知ってる方がおかしい。こいつは外部から来た奴だ。

何しに来たのか、どうやってその身体に入ったのか、、聞き出してやる。


(少女)「ちょ、何すんだ!ぶっ飛ばすぞ!」

「ペタ。眠らせて」

『はい。』


ペタが背後から近づき、プラズマキャノンを首元にあて、失神させた。バタっと音をたて、俯きに倒れ込む。


一体誰が中に入ってんだ。でも、考えられるのはやっぱりあの施設の少女だろうな。目が醒める前にペタに背後から[棘]を使って拘束し、プラズマキャノンを首元に当たる位置に押しつけた。椅子に拘束しようかと思ったが、逃げられないように[両翼]を使って空中に捕縛した方が良いだろう。


でも人格を乗っ取ってるんだとしたら、そのまま人格を放棄したら逃げられるかもしれないな。1時間後彼女は目を醒ましたが、予想した通り逃げられてしまったようだ。拘束していることをスリーがブチギレて、私に抗議している。


(スリー)「テメェ!!これはどういうつもりだぁ!!?!?!?」

(スリー)「この前同じことして結局、俺のいうこと聞く権利まだ残ってんだぞ!?!?」

(ファイ)「ノモ。拘束を解いてくれないか?棘が食い込んで痛い」

(ワン)「ノモちゃん!なんでこんなことするの???痛いから早く下ろして!!!!!」

「・・・。逃げられたか、」

(スリー)「何言ってんだよ!!早くお!ろ!せ!聞こえねぇのかブス!」

「あぁ?」

「ペタ。下ろして」

『ですが、、、』

「いいから。あの神経にさわるムカつく野郎は本物のスリーだよ。私のアイツに対する怒りは本物だからね。」

『・・・。非科学的です。』

「いいから。ワンが可哀想だ」

『承知しました。ですが、攻撃態勢は解除致しません。』

「わかった」



少女の拘束を解き、事情を聞いてみる。


(スリー)「テメェこっち来い!!一発殴らせろ!!!」

(ファイ)「ちょっと待って、スリー。何か事情があるんだろノモ?」

(ニー)「何があったのだ?」

(ワン)「とりあえず、刺さった棘の治療するわね」


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