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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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統合スキルはマスト?

回復度が40%になり、目標の45%まであと少しに迫ってきた。

だが、この場にはもう回復度に貢献できる宇宙生物は倒しきってしまった。宇宙船の破片ももうほとんど取り尽くしてしまったらしいし、、、頭打ちになってきたなー。


[両翼]で空を飛びながら胡座を組み、顎に手を当てて考えていた。その時、さらに上空から鯨の鳴き声が耳に響いてきた。上を見るとスペースホエールが数匹こちらに向かってきていた。いや、たまたまこちらの方向に来ていただけだった。

首を上に向けたまま茫然とスペースホエールを眺めていると、一つ案が浮かんだ。


「スペースホエールの卵ってどこにあるかな」

『はい?』

「いやぁ。あいつの卵なんか取り込めたらすごい回復しそうかな〜と思って、、」

『国際法で密猟に該当すると思われますが、、』

「だよねぇ〜」

「帰っていきなり逮捕ってのはシャレになんないよね〜」



{まさか現実になるとは、この時のノモは知らない。}


「スキルを統合するスキルがあったら回復度に何かプラスになりそ〜?」

『わかりません。』


どこかへ向かっていくスペースホエールを眺めながら今できそうなことをフラフラと考えていた。




ーー少女の家ーー


(???)「ようやく人格を制御できるようになった。」


私はガサガサとこの部屋にある資料に目を通してここで何をしていたのかを探る。どうやら研究者の人格が一つあるようだ。扉の軋む音に注意しながら下に誰もいないか確認をする。どうやらアイツはまだ帰ってきてないようだ。


昨日作ってくれた野菜炒めが不味すぎて掻き込まないと食えなかった。料理が下手なやつ。それにふわふわと隣を飛んでいた謎の生き物?もいないようだし、この家から人格の手がかりを探すのは今が絶好のチャンスだ。アイツと制御した人格同士はどうやら仲がいいようだから話を合わせられるようにならないと、不審がられるだろう。


したはリビングキッチンのようだな。調理器具が丁寧に仕舞われている。皿も豊富だし、包丁なんか形が異なるものが数十本も揃っている。どうやら料理が得意な人格もいるらしい。研究好きのやつは総じて料理ができないやつしかいないから、間違い無いだろう。


この部屋は、筋トレルームか?運動好きな人格もいるのか。それに本棚や壁のポスターを見る感じ趣味が少し幼稚だ。ロボット戦闘系?が好きなのか。


玄関の扉を少し開け、まだアイツが帰ってくる様子が無いことを確認して、家全体の外見を見る。ツリーハウスのような外見で丸みを帯びている屋根や外装の感じから見るに、料理ができるやつ以外にも別の女の人格がありそうだな。


とりあえずこの身体の人格者は4()()、、、か?だが、()()させる時にあんなに手こずったのに納得がいかないような、、指示役がいると睨んでいたが、外れたか、、、?


10年間海底でこの()()()を監視していたはずだが、、、




ーー青の樹海-上空ーー


「スペースホエールってエーテリウムを求めてこっちにくるんでしょ?」

『はい』

「ペタもエーテリウムで回復するなら、スペースホエールが向かうところに行けば、宇宙生物も破片もじゃ無くても回復できるんじゃない?」

『・・・』

『確かに、その可能性はあります。しかし、エーテリウムとは本来危険な元素として非常に取り扱いが難しいです。私は宇宙生物の核の中に含まれているエーテリウムを直接分解して解析に回すため、人害はありませんが。』

『人間がするとなると、非常に危険です。爆発しやすい物質としてニトログリセリンよりも危険とされています。』

「だから[追尾]機能をつけた入れ物で取りに行くんだってば」

『なるほど。そういう場合ですと、確かに入手はできそうです。しかし、現在のペタが1%回復するには指数関数的にエーテリウムを消費いたしますので、膨大な量が必要となります。』

「え。どのくらい?」

『1.5Lの瓶2000000000000個分ほどで1%回復する計算になります。』

「・・・?なんて?」

『ですから、』

「そんな量集められるわけないじゃん。てか宇宙生物の核ってそんな量のエーテリウム含まれてるんだ」

『いえ、宇宙生物の核はペタと比べるとそれほど多くは含まれていません。回復度に貢献できる程度の宇宙生物はもうすでに倒してしまいました。』

「そうなんだよね〜」


結局話は振り出しに戻ってしまう。もう三度目だ。40%で諦めるか?いや、リスクが大きすぎるよなー。どうしたら良いのやら、、、


『ご提案が一つございます。』

「ん?なになに?」

『クリスタルマインドの討伐はいかがでしょうか?』

「げ、アイツか〜。初っ端に出てきた石頭野郎でしょ?倒せるの?」

『わかりません。生態について不明な点しかありませんので、、、』

『ですが、もし倒せれば回復度としては間違いはないかと。』

「どうして?」


強いやつだからという理由だけだと、確かに宇宙生物の核は強ければ強いほど回復度が高かった。しかし、アイツは未知数すぎて近寄らない方が良い気がするんだよね、、、そもそも、どこに住んでいるのかも判明していないらしいし。ニーと意思疎通してた感じ、私はこの星に歓迎されていないとかなんとか言ってたし

。ちょっとな〜、、、、



『回復度が40%になり、クリスタルマインドの頭部が発している信号をこちらもキャッチできるようになったのです。』

「おお?」

『相手の信号を真似して発することも可能ですので、意思疎通をとってみる価値はありそうですが、いかがしますか?』

「う〜ん、どういう作戦で行くつもりなの?核を手に入れるには倒すことになるでしょ?倒し方がわからない相手に挑むのはちょっとリスクがすぎるかな、、、」

『では他の案を考えてみましょう。』



そんなこんなの会話をしていると、少女のいる家に着いてしまった。とりあえず今日は5%追加で回復しただけでも上々だし、いいか、、


玄関を開けると、少女は研究室から出て、リビングにいた。


(少女)「や、やぁおかえり、、」

「・・・。」


なんかぎこちないな。まああれからずっと無言だったし、気まずいのかな、、?


「お、おう」

『・・・』


うん?なんかアイツぎこちないな。なんでだ?仲が良かったんじゃないのか?少し探りを入れてみるか、、、






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残り5話で一章終わります。

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