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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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探索工作 ②

(ニー)「よし、これで宇宙船が海中に潜れるように改良できるのだ。ソナリンク・エコセンサーに必要な人工衛星の制作は残っているけど、この素材で3つのうちの1つのパーツは完成するのだ」

『そうですね。今回集めた素材でアクアフュージョン・ジェルは今夜中に完成するでしょう』

(ニー)「こ、今夜中、、、が、頑張るのだ!」

『ニー様そのいきです』


二人の会話を焚き火を背にして横になり、聞いていたのだが私はそのまま眠ってしまった。



食事の準備をしているのだろうか、調理器具が食器や鍋があたる音が少し聞こえる。だんだん鼻が香ばしい良い匂いを嗅ぎ分け出す。口の中では涎が溢れてくる。もう一度鼻を開いて大きく嗅いだ。だんだん意識が冴えてきて空腹なのを自覚し始める。目をゆっくりと横になったまま開けてムクリと起き上がった。


振り返ると、焚き火をしていた場所が調理場となっていた。そこではフォーがウキウキしながら何やら作っている。


(フォー)「ノモちゃん。おはよう〜そろそろご飯できるからね〜」

(スリー)「タイミングが嫌にいい奴」

『ノモ様。おはようございます。水に濡れたため、平均体温が下がっておりますので火に当たりましょう』

「う〜ん、、」


私は寝ぼけながら近くの石を持って火の近くに置いて座る。フォーから取ってきた魚をアルミホイルで香草焼きにしたものを皿に乗せて渡された。アルミホイルに包まれている状態でも香ばしい香りと香草の蒸された香りが湯気に混ざって感じられた。


フォークを使って一口食べる。


「う、うまぁ〜」

(フォー)「あははっ!ありがとう!」


口の中に魚のサラッとした旨味のある油とほろほろとした身。塩と香草で簡単に味付けしただけとは思えない奥深い味わいへとなっていた。地面に寝そべっていたため地表からの冷気で冷えきった身体に染み渡る。


勢いよくバクバクと食べ始めた私を見て、フォーは笑いながら「まだあるよ」と言い、さっきよりも多めに皿についでくれた。


空腹を凌ぐ量を食べ、少しゆっくりと食べ始めた頃、ニーが進捗報告を伝えてきた。


(ニー)「よし、ノモとペタが取ってきた素材で今晩中にはアクアフュージョン・ジェルとやらを作るのだ」


私は口にフォークを咥えながらニーの報告を聴く。

「でもそれどうやって作るのか知ってるの?」

(ニー)「・・・」

「知らないの、、、?」

『大丈夫です。私が後で設計図を公開します。ご安心ください』

(ニー)「頼むのだ!」

「よかった」


なんとか一つ目の改良品は完成できそうだ。ペタの作る設計図に、ニーの技術力ならすぐにでも出来上がるだろう。



食事の後、フォーが食糧を入れているボックスから保存食のドライフルーツを取り出してきて手の上に転がしてくれた。少し硬い干したグレープフルーツをガジガジと齧りながら明日の素材集めについてペタに聞いてみる。


「明日はどこに取りいくの?」

『特に御座いません』

「え?もういいの?」

『はい。合金は宇宙船をそのまま分解して鍛錬し直します。今の宇宙船の形は大きく変更して球体にしていきます』

「そうなんだ、、なら明日何をすればいい?」

『食料をお願い致します』

「私も何かてつだ、、」

『いえ、ニー様の技術力にはノモ様は必要ありません。食糧調達が最も優先的な課題ですので、よろしくお願い致します』

(スリー)「オメェはいらねーんだとよ」

「・・・わかった」

(スリー)「拗ねてやらぁ〜〜」


スリーはなぜか鼻高々に語っているが、お前も何もできないだろ。まあ毎回魚なのも飽きるだろうし、肉でも取りに行こうかな。

「おい〜」とツンツンついてくるスリーをほたってペタに肉が取れそうな地域をリストアップしてもらう。


『食肉用を確保するならば、リフレクトクローが住む青の樹海に行くと良いでしょう。そこに生息するラビットなら食べられます』

「ラビットは鉱石でできた身体じゃないの?」

『毛皮などの表皮は鉱石で構成されていますが、筋肉は鉱石で構成されていませんので、食べられます』

「おけ。ならそれ取ってくるよ」

(スリー)「肉!!!!めっちゃ取ってこい!!!」

「お前にはやらねーよ」


殴りかかってくるスリーの背中にペタが『両翼』を後付けする形で取り付け、地面から1mくらい足を浮かせた。空中でジタバタとしているアホをまたほたって、宇宙船の中に入り、眠りについた。





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