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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
4/101

デッド・ゾーン

[2F鯨側廊下]

「ッチ!」


(なんなん!!!あいつ!!嘘つき呼ばわりした挙句、無能扱いしやがって!!私だって、成人したら立派な冒険家になれるっつーの!!!!!)



(ダニエル)「おうおう!張り切ってやってんな〜!」

「・・・ども」

(ダニエル)「で!!?キイスの話はどうなった??」



(コイツが一番私のことをバカにしてんだよな。なんだよその憎たらしい顔は!!)



「掃除の邪魔なので、そこどいてください」

(ダニエル)「お〜悪ぃ。で?なんて言われた??」

(ダニエル)「アイツ頼りになるからな〜〜!!さぞ!記憶喪失について詳しく調べてくれたんじゃぁ〜ね〜のか??」

「いえ、特に何も」

(ダニエル)「嘘つけ!?俺がアイツに相談してやったんだぜ?お前のこと!物すんげ〜呆れた顔で嫌がってた見てーだけんどな?」

(ダニエル)「あいつぁ、きつい性格だけどな?意外と優しいとこもあるんだぜ?」

「・・・・」



(おっさん声でけーし、体もでけーし。邪魔なんですけど)



「どいてください。そっち掃除まだなんで」

(ダニエル)「おいおい?こっちは真面目に心配してんだぜ〜?ノモがここに来るまでの記憶が無いって相談してきたからぁな?」

(ダニエル)「せめて何言われたかくらい答えろぅよ〜?」

「・・・」

「どけっつってんだろ」

(ダニエル)「あぁ?」

(ダニエル)「おい。今なんつった」

「どけ」

(ダニエル)「・・・・」



エネルギー炉に燃料を運ぶ機械音だけがその場に響き、空気が重くなっていく。



(ダニエル)「っち。わ〜った。わ〜ったよっ!!!!!!!」



そう言いながら私の横を通り過ぎるダニエル。


私の右肩に軽く触れた瞬間。私の後頭部にデコピンをしようとしたダニエルの手をモップの棒で押し返す。


不意をつかれたダニエルはギョッとし、体勢を崩した。


ダメ押しにグイッとモップの棒で手のひらを押すと、手汗で滑ってしまい思いっきりダニエルの眉間に棒をついてしまった。




(ダニエル)「あだっ!!!」

「あ、」



ガッシャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!



(ダニエル/ノモ)「え」




[緊急事態発生!!緊急事態発生!!2Fフロアにて強い衝撃を感知!!侵入者の可能性有り!!武装し、直ちに撃退せよ!!!!]



よろめいたダニエルはエネルギー庫の宇宙強化ガラス扉をなんと尻でかち割ってしまった。




(ダニエル)「や、べ」




警報を聞きつけ駆けつけてくるメンバーたちの足音が近づいてくる。


「ど、ど、ど、どうします???先輩!!」

(ダニエル)「おま!?こういう時だけ"先輩"とか言うな!!俺が全部悪いみたいになるじゃねーか!!」

「元はと言えば"先輩"が私を揶揄ってきたんじゅないですか!!!」

(ダニエル)「いや!!!お前が棒で俺を突き飛ばしたからだろ!!??」



カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン



武装した4人の階段を降りる金属音がどんどんとこちらに近づいてくる。



「と、とりあえず・・・!!!」ゴニョゴニョ

(ダニエル)「なんだ!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

(ダニエル)「りょ、了解・・・!」



バンッ!!!!!!!!!!!!!



(リーダー)「手を挙げて武器を捨てろ!!!!」

(リーダー)「二人とも!!無事か!!?」

(ダニエル)「は、はい!!リーダー!!」

「大丈夫です!!!」

(リーダー)「よし!では!直ちに武装してこい!」

(ダニエル/ノモ)「は、はい」

(リーダー)「ダニエル!!」

(ダニエル)「はい!!!!」

(リーダー)「侵入者はどこに行った!!!」


(ダニエル)「も、もう逃げました!!たまたま近くにいたので、追いかけていったら・・・」

「おそらく、エネルギー庫を狙いに来たものだと思われます!!!」

(リーダー)「そうか。それで、燃料の"エーテリウム"は無事か!?」

(ダニエル)「は、はい!!!盗まれてはいないようです!!!」


(リーダー)「そうか。一応私も確認しておく!そこをどいてくれ」

(ダニエル/ノモ)「いや!!!!本当に大丈夫ですので!!!」

(リーダー)「いや・・・。確認は私がもう一度するから」

(リナ)「何か隠してるでしょ」

(ダニエル/ノモ)「い、いえ!!!!」

(リナ)「なら、どきなさい」



ダニエルとノモは目を合わせ、会話をする。


(ダニエル)(ま、まずいぞ!!!)

(ノモ)(ど、どうしますか!!!?)

(ダニエル)(侵入者(あいつら)は大体バレないように、音が出ない光銃とかでノブだけを壊すからな・・・)

(ノモ)(掃除用具カートを使って対抗してきた相手がぶち壊したってことではダメですか!!?)

(ダニエル)(だめだ!そもそも侵入された跡が無い!!不自然だ!)

(ノモ)(じゃ、じゃあ!!ど、どうするんすか!!?)

(ダニエル)(俺に任せとけ!!)



ダニエルはそう告げるように下手くそなウインクとグーを見せびらかした。



(ダニエル)「リーダー、実は強化宇宙ガラスが粉々で危険なんです・・・」

(リーダー)「なら、君たちこそ早くそこを退かないと危ないぞ!武装した私たちが処理する!」

(ダニエル)「あ〜〜っと!!!!実はエネルギーの一部に光銃が当たってて有害物質が漏れてるんですよ・・・」

(リナ)「なら、なおさらあんたらが退きなさい」


(ダニエル)(くそ〜〜〜!!!探索家は怯える奴いね〜のかよ!!!)

(ダニエル)(くそ!!そんなうるうるしてこっちみんな!!!)



バンッ!!!!!!!!


ダニエルの猿芝居が不発になり、ポンコツ脳の言い訳残弾数がゼロになった時、左右の扉から別の二人が様子を見に入ってきた。



(キイス/モーラ)「ちょっ!リーダー?突入したなら合図してくださいよ。わからへんやんか」

(キイス)「ってあれ、何やってんだ??ダニエル?」

(キイス)「それと、厨二病」

「厨二病じゃ無いです!!!!!」

(ダニエル)「おい!!馬鹿!!布が!!」




パサンッ・・・。




掃除用のブルーシートがノモのつま先に引っかかり、大きな尻の形に割れたガラスが顕になってしまった。



(リーダー)「・・・」

(リナ)「・・・」

(キイス)「なんじゃこれ・・・」

(モーラ)「・・・」 バン 


(ダニエル)「グゥ!!ア"ァア"ア"アア"アアア"ア"!!!!!???」



無言のままモーラが放ったショックガンはダニエルの胸に刺さり、そのまま高電圧が全身に流れ、ダニエルは喘ぎながらその場に倒れた・・・。


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