第一章 二部 青の渓谷-地上 詳細と次
「ペタ。なら次の質問を良い?」
『スパイキークリスタルパイソン撃破について。ですね?承知しました』
『スパイキークリスタルパイソンの撃破方法は以前ニー様が不可能だとおっしゃっておりましたが、それは外皮への攻撃が通らないということであり、内部。すなわち口内から内臓部と核を破壊するほどの威力で攻撃をすれば撃破の可能性はあったのです。』
(ニー)「それはそうだけど、、積んでいたプラズマキャノンの威力では内部すらも破壊は出来なかったのだ」
『ニー様の言うとおりで御座います。ペタが威力を増強させなければ傷ひとつつきませんでした。しかし、回復度が大幅に上昇したことによって機能の増強。解析の速さ。分析の速さ。移動の速さ等全ての機能をグレードアップしたことにより撃破可能になりました。』
「なるほど。取り込む量を増やすと同時に全ての機能を底上げしていったから、当初の予想時間より早く終わって威力が上がってたのか」
『おっしゃる通りで御座います』
(スリー)「やるじゃん」
ペタは鼻息をフンスーと鳴らして少し仰け反っていた。口調は丁寧だが、態度は少し横柄な感じなのが見た目に出ているのだろうか?チビドラゴン。
「なら最後の質問」
『形状について。ですね。承知しました』
『ペタが現在、変身しているこの形状はスパイキークリスタルパイソンの表皮と鉱石構造の身体。蝙蝠の翼と超音波を放つ声帯機能を使って話すことを可能にしております。このフォルムは現状一番かっこいいです。』
「え、あ、、うん、、確かにかっこいい」
(ニー)「かっこいいのだ!!!」
「西洋風のドラゴンだけど、、東洋風の龍みたいにもなれるの?」
『なれます。ですが、こちらの方がかっこいいです』
「そ、、そう、、」
少し自我が強くなっているのは蛇を取り込んだ影響なのかな。
『予想される質問は以上になります。他に質問はございますか?』
(ファイ)「なら、一ついいかな?」
『どうぞ』
(ファイ)「次の宇宙船の破片を探索するには何処へ向かえば良い?レーダーの機能は僕たちのよりはるかに性能が良いんだろうし、君の一部を探すなら君のほうが確実に分かりそうだ」
『そうですね。少し分析してみます。』
(ファイ)「頼んだよ」
『結果が出ました』
「はや」
(ニー)「もう?」
『こちらを参照してみてください』
ペタから送信されたデータを開くと地図が広がった。そこにはRPGゲームの攻略本のように整理されていて、ここから最も近い破片の場所は海になっていた。
『ここから最も近い破片は海淡水域西側の海中研究施設Aになります』
(ニー)「何そこ!?知らないのだ!?行きたいのだ!!」
(ファイ)「ニーすら知らないところなんて、あったのか、、、よし!そこへ向かおう!!」
(ニー)「海中に行くなら宇宙船を修繕して海中探索モデルに改良しないと水圧でペシャンコになるのだ」
『ニー様のおっしゃる通りになると思われます。まずは宇宙船の修繕からが先決でしょう』
(ファイ)「りょ、了解!」
「・・・リーダー。ペタでよくない、、、?」
『いえ、私では不十分です。機械の性能でできることはデータを集め分析し、解析した後で結果を出すと言う作業には向いていますが、直感的動作や善悪の感覚などはまだ人間の方が優勢です。それに、機械に命令されて動ける人材は限られております』
「ん~、、、?」
(ファイ)「まあ、リーダーなんて順番が来たら誰でもできるようになるよ」
「そんなわけないよ、向き不向きはあると思うな」
(ファイ)「・・・・・」
(ニー)「それじゃあまず修繕に必要な材料集めから始めるとするのだ!ペタ!必要な資材のリストアップをして欲しいのだ!」
『承知いたしましたニー様。リストアップ処理を開始致します』
『リストアップが終了しました。データを共有致します』
ペタが一瞬でリストアップした修繕に必要な資材のリストデータを送ってきた。
[宇宙船修繕必須リスト]
・アクアフュージョン・ジェル
高圧環境でも保護可能な特殊ゲル。水圧環境による浸水を完全に防ぐ
[素材]
・ミラージュリーフの樹液
・ニアクリスタル
・青天草
・プラズマフィン・プロペラ
水中で推進力を高めるための特殊なプロペラ。プラズマエネルギーを使用し、超高速で回転し、海水、淡水、汽水域で駆動可能。
[素材]
・ペタナノテク
・合金プロペラ
・プラズマチャージバッテリー
・ソナリンク・エコセンサー
水中の地形や生物を高精度で探知することを可能にする超音波センサー機関。深海でも探索可
[素材]
・ペタナノテク
・リンクソナー
・人工衛星
「めっちゃあるやん」
『ほとんどはすぐに手に入ります。素材の中にはニー様が作らないといけないものもあるので、一概には言えませんが。』
(ニー)「ペタ。私が作るのは合金プロペラとプラズマチャージバッテリーとリンクソナーなのだ?」
『いえ、人工衛星のみです。他はノモ様でも作れます。』
「でもって何よ」
『・・・』
「ちょっと、黙らないでよ!」
少女がクスクスと笑っている。スリーかと思ったが、ニーだった。。。
『ですので、ニー様工作チーム。ペタ、ノモ様の探索チームに分かれて作業を行なっていきます。素材集めは私たちにお任せくださいませ。』
(ニー)「頼んだのだ!!」
「えぇ〜」
ここで私と少女は二手に分かれて作業を始めた。私とペタはまずはじめに、青の樹海に向かいミラージュリーフの樹液とニアクリスタルを取りに行く。
ペタが宇宙制服に入り込み、『両翼』を起動させて飛び立った。これめっちゃ便利機能すぎ、、、
歩いて片道1時間かかっていた青の樹海に数分で着いた。上空から見るとやはり水が豊富な星なのだと改めて思う。水なのか植物なのか見分けがつきにくい程青い星だ。
ミラージュリーフの前に降り立ってすぐ、幹から大きな口を開けて食べられそうになるところをペタの作った腕でこじ開けている。ペタはそのまま口を引き裂いた。そこから出てきている樹液をガラスのボトルに入れて採取する。いや〜なんか、、、その、、、残虐性も上がっているのかな、、、?
ミラージュリーフはパキパキパキと音を立てながら縦に開いた口からそのまま引き裂かれていた。中にあった核も一応取り込ませてみたが、ほとんど回復はしなかった。雑魚敵のようだ。
「ペタ。大胆だね、、、」
『いえ、そんなことありません。効率的な行動です。』
「うん・・・」
次はニアクリスタルを取りに『両翼』を使って、樹海にある洞窟へと向かった。
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