青の渓谷-下層の洞窟④ 閃光
私は自分の力不足に苛立ち、絶望を感じていた。ペタは卵に吸われ、スリーは先ほどの攻撃で動けなくなり地面に伏せている。
大蛇は少女が横たわって動けないことを確認し、私の方へ近づいてきた。リズムを刻みながら地面を抉るように這いずる音は、沈黙した洞窟内で起きている出来事に終わりを告げようとしていた。
少女を吹き飛ばした同じ尻尾の攻撃を私にしようとしている。最大限の力を与えられる距離まで近づき、その御神木のような太さの鉱石の塊を音を立てずに振り翳した。
風を切る音がブォンっと耳元でなり、死を覚悟する。前のような走馬灯は今度は見えなかった。思い出はこないだ出し切ったからだろうか、、、
私の頭部目掛けて放たれた一撃が眩い緑の光によって遮られる。
瞬間的に洞窟内の空間が緑色に染まるほどの力強い緑の光線が、崩壊した巣の中心部や空いた天井部から湧き出てかと思ったら、光線は大蛇に直撃。
大蛇は仰天と同時によろめく。この場で今、何が起きたのか理解できない私と少女と大蛇。しかし、この隙が生きて帰る最後のチャンスであることだけは確かだった。スリーはワンに入れ替わり、回復。スリーはすぐさま体勢を崩している大蛇に反撃の蹴りを入れ、倒れるように重心を崩す。
これでしばらくは起き上がれないだろうと思い、こちらへ駆け寄ってきた。
(ファイ)「ノモ!!大丈夫か!!ノモ!!」
声を掛けられているのには気づいているが、身体が死を覚悟し硬直していたため反応に遅れる。肩を捕まれ揺らされてようやく意識が戻ってきた。
「い、今のは??」
(ニー)「ペタなのだ」
「えっ、、、、?」
(スリー)「ペタが取り込まれずに済んだから放ったんじゃないのか??」
「わ、、からない、、でも卵が破壊できなくて、、、取り込まれたんじゃ、、、」
大蛇が起きあがろうと崩れて乗っかっていた洞窟の岩石をガラガラと音しながら、立ち始めていた。まずい、、反撃がくる!!
気づいた途端に、大蛇は地面を再び抉りながら、左右に巨体を波打ちさせつつこちらへ速度を上げながら猛突進をしてきた。
(スリー/ファイ)「逃げろ!!」
少女はその場で高く飛び上がって回避したが、私は腰が抜けてしまい、なんとかよろけてながら立ち上がるのが精一杯だった。今の私の脚で逃げられるような突進のスピードではなかった。すると巣の中から小さな瓦礫を吹き飛ばしながら小さい水色のドラゴン?が出てきて、私の前に飛んで現れた。
岩石や鉱石群程度では止まる気配のない突進で破壊しながら、こちらへ一直線に近づいてくる大蛇に対して、その小さなドラゴンは口を開け、さらに強力なプラズマキャノンを大蛇の大きな口目掛けて放った。
もう一度洞窟内が緑色の激しい光線で覆われる。私は眼を必死に腕で覆いながらもその様子を見ていた。
小さなドラゴンの口から放たれた特大のプラズマキャノンは大蛇の開いていた大きな口から御神木のような太さの尻尾まで瞬く間に貫いた。
大蛇は核が破壊されたためか動かなくなった。突進の慣性が地面との摩擦で打ち消されながらこちらに速度を落としながら近づいてきて、私の顔手前で止まった。
「た、、助かった、、、?」
(ニー)「う、、そ、、」
手汗が滲んでいる拳を広げ、安堵する。急な出来事が幾重も起きたため、処理しきれずその場でペタンと座り込んでしまった。
少女がこちらへヒタヒタと忍足で恐る恐る近づいてくる。
(ファイ)「それは...ペタ?」
水色の結晶でできた背中が時計回りに半回転してこちらに腹を向ける。
ゆっくりと私の方へと近づいてきて頭の上に乗った。するとペタ?らしきドラゴンからは送信してきたデータとは別のことを喋り出した。
『破片エネルギーを使って回復し、周辺のスパイキークリスタルパイソンの卵の核を取り込みました。その結果、ペタの身体の一部は鉱石で構成できるようになったのです』
表示されたデータには回復度の数値が書いてあった。
[ペタの回復度16%]
流暢に話し始めたチビドラゴンのペタとその回復度合いに私と少女は少し引き気味に一歩後退りをする。
『あの巨大なスパイキークリスタルパイソンの核も破壊せずにうまく攻撃できて取り込めていれば20%まで回復できました。残念です。』
(ニー)「あぁ、、、そう、、、なのだ??」
(ワン)「なんか可愛くて知的になったね〜!!!」
(ファイ)「す、すごい、、」
(フォー)「まぁ〜!!!可愛い!!!!」
(スリー)「・・・・・」
「た、、、助かったよ、、!!ペタ!!!!」
『いえ、、ご無事で何よりです。』
「か、、かっこよくなったね、、?」
『ありがとうございます。』
淡々としているが、会話する機能はチームにいた時なかった機能だ。それにこのドラゴンの姿も見たことがない。まるで別の生物の卵から孵ったようだ、、、、
「ペタ、君はどうやって、、、?」
『ノモ様がプラズマキャノンを外してくださったおかげで、天井部が破壊されその破片により多くの卵が破壊されました。その結果、ペタは卵から吸われていた分と宇宙船の破片の一部を全て取り込みました。また、残っていた卵の核も取り込むことで変身に成功。蝙蝠の羽の構造とスパイキークリスタルパイソンの構造を組み替え、この姿へと変身を可能にしました。』
「は、、はぁ、、」
(ニー)「す、す、すごいのだ!!!そんなことまでできるのか!!もっと詳しく知りたいのだ!!かっこいいのだ!!!」
ニーが青い眼を煌びやかせながらチビドラゴンのペタに近づいていく。
確かに、背中の鱗の部分や翼の部分が淡い青色の鉱石でできていて神々しさを放っている。
『それより、早くこの場から退散致しましょう。洞窟内に甚大な損傷が出ているため崩壊寸前です。巻き込まれてしまっては意味がありません。早急な退避を。』
(ニー/ファイ/私)「は、、、はい、、、」
突如神々しくなったペタに指示をされつつ、、この場を脱出するのだった。。。
リーダー、、もう、、ペタでよくない、、、、、?




