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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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墜落した船を探しに ③

野営するところを決め、晩御飯にシチューを作ってくれている(フォー)に香辛料を取ってきてと頼まれたノモは辺りを散策していると、宇宙船の破片らしきものを見つける。。。

「ノモ!やったじゃないか!!これ、宇宙船の破片だ!」

ガバッと後ろから肩から首にかけて腕を巻き付け抱きついてきた。


「うわぁ〜〜〜!!!!!!!」

「うわぁお〜〜!びっくり!!」

「こっちがびっくりしたわ!アホ!!夜の不気味な樹海で後ろからいきなり抱きつきながら耳元で大きな声出すな!!!ばか!」

「饒舌だな。驚くと饒舌になるのか、良いことを知った」ニヤニヤ


見覚えのあるそのニヤケ顔。宇宙探索家チーム『ハインライン』のダニエルを急に思い出して胸が締め付けられる。嗚呼。もう会えないかもな。


「早口で喋り出したと思ったら次はしんみりしてどうした?」

「いや、何でもない。とにかく、急に驚かすのはやめろ」

「でも、これ持ち運ぶにはちょっと大きすぎるのだ。どうやって持ち帰ろう」

「話を逸らすな」


眼の色が青色に変色している。今は(ニー)か、、、、

「で、これどうするのだ?持ち帰るには何かベルトのようなもので結んで担ぐしか無いかな?でも、せっかくのサンプルを傷つけたく無いのだ。保護できるような布もないし、、、」

「大丈夫よ。これで持って帰るから」


インベントリ欄にいき、[回収]と書かれたところを押すと目の前にあった1m2くらいの破片が光と共に左腕の宇宙制服に取り込まれていく。これは何度もダニエルとサニークリスタルを採集しに行った時に見た光景なので、何も考えず普通に使った。が、、、、


「何それ!何それ!!初めて見るガジェットなのだ!!それも研究したい!!どういう仕組み?どう操作したの??取り込まれたらどうなるの??てか、取り込んで大丈夫??身体に異常は??君が食べたわけではないでしょ??ねえ!!!!」


ウルサイ。すごく。うるさいです。研究者ってみんなこんな感じなの?モーラも無口だったけど少し興奮気味に作業してる時あったし。。。キモくて部屋出たけど。


「あの、あとで説明するので離れてもらっても良いですか?」


少し回想を挟んでいる間に破片が吸い込まれた左腕に頬を擦り付けながら腰をクネクネさせて質問を繰り返している。鼻息は荒くなっていき、ベロで腕を舐め始めようとしていたので、反射で左腕を星空へ向けた。


こっちのがキモいかも。

「ああぁ〜〜〜ん;;」


ああ〜ん。じゃねえよキモいよ。何やってんだこの人。って初めて使ったわ。

変な人は放っておいて、私は頼まれていた香辛料を見つけて右手でむしり取り、左腕は星に向けながら野営地に戻った。



野営地に戻って、シチューが焦げてないか確認してから香辛料をどうするのか迷っているところにトボトボと歩いて戻ってきた変態がシチューを見て焦り出した。


「シチュー大丈夫そう!?焦げてない??」

眼の色が変態から橙へ変色している。

「底の方が少し焦げ始めてましたけど、混ぜてみたら無事でした」

「あ〜〜、よかった〜。そうだ、香辛料ありがとう!すぐに食べましょ!」


私は(フォー)に香辛料を渡して、ちょうど腰掛けれそうな石に座り、さっきインベントリに入れた宇宙船の破片を分析させ始めた。

手にした宇宙船の破片には「SORANI」という文字が書いてあり、かの有名な宇宙船開発会社のものであるとわかった。


しかし、それ以外は分からなかった。というか分析できなかった。癒しの動物型の機械生命体「ペタ」がいないため、この宇宙制服の性能は大幅にダウンしているらしく基本情報しか表示できないレベルになっていた。


「ねえ、さっきの何?(ニー)が気になっていて五月蠅いんだよ。僕も気になるし」

(ファイ)の意識を使いながら(ニー)は知的好奇心を鎮めるため少しでも何か知りたいのかシチューを片手に近づいてきた。知りたすぎて、シチューを持つ手が震えている。こぼすなよ、、?その熱そうなシチュー、、、


「さっき回収した破片は宇宙船開発会社[SORANI]が作っているやつだった。私が乗ってきた宇宙船がその企業だったのかは覚えてないし、宇宙制服の機能も大幅にダウンしているから、分析は今のところできないね」

「いや、、それも知りたいけど、その宇宙制服とやらに興味があるんだよ」

「えっ、、?こっち??」

「そう!その未知な科学の玉手箱の情報を知りたい!!その服を作れればこの星での生活がもっと楽になりそうなのだ!!」

「う〜ん、この宇宙制服についてはよく分からない。支給されたばかりでどんな機能があるのかも知らないし、、、今は機能が落ちているから尚更、、、」

「え〜〜〜」


あまり期待してた回答じゃなかったからか、やけ食いのように勢いよく(ニー)?か(ファイ)はシチューをめいいっぱい頬張ったが、熱々なので舌を火傷していた。。。だ、ダセェ。


「ほひたら、あひた、あはうふなっあら、うぐにあえって、ひらべおう!」

(そしたら、明日、明るくなったら、すぐに帰って調べよう!)


右手で持っている匙をブンブンと上下に振りながら何か喋っている。火傷したからまともに喋れてないのが少し滑稽で面白かったので、吹き出してしまった。


っっっふは!!

「ほい、はぁらふあ!!」

(おい、笑うな!!)


「ヒィーーッ、、、!ちょっと、、喋らない、で!!腹、、痛い、、可笑しいから、、!!」


ハァーーーー


「とりあえず今晩は、ここで野営して、明日戻るっていうのはどうだろう?」

「ほう、言ってるだろ!」

「いや、分からんわ」



その夜、私たちは火を囲みながらシチューを食べて、寝ることにした。

宇宙制服の意外な機能として、フード被ったら少し暖かくなることが分かった。


眠れそう。。。


人工太陽電池でつけたライトを少し離して、見張り役をさせて火を背に向けながら横になる。


「おやすみ」


「おやすみ、ノモ」




、、、




、、、、、


いや、流石に眠れなかった。あの怖いリフレクトクローがいた場所で眠れるほど私の肝は据わっていない。眠れないままフードの中に表示されている画面を眺めて、インベントリ欄を開く。[SORANI]と書かれた宇宙船の破片が画面に表示され、手で操作する。反対にしてみると、微かに宇宙船の塗料?のようなものが見えていて焦げてよく見えなかったが、緑っぽい色をしていた。


これって、私が乗っていた『ハインライン』の宇宙船のデザインの一部、、、?

気になり出したら余計に眠れず、画面をずっとみてチームのことを思い出していた、、、

青い星編の最新話となります!!


評価、コメントよろしくお願いします!!!

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