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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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帰宅。修理。戦闘。

日が落ちる前になんとか帰り着いた。


私は帰ってきてすぐにトリニーにペタを預け、隣で見張る。

トリニーのフリをしたテストラがペタを完全に壊してしまうかもしれないから。


休憩する間も無く作業に取り掛かるトリニー。

こちらを何度もチラチラと見てくる。気が散るから出て行けという意味なのかもしれないが、部屋を出たらペタに何をされるか分からない。



ペチン!!!



彼女はいきなり自分の頬をビンタした。



「何してんの?」

(トリニー)「テストラが邪魔しにくるから追い払っていたのだ」

「邪魔・・・?」

(トリニー)「手元の主導権を奪ってきたり、片方の視界を奪ったり。邪魔だから追い払った」

「・・・」

(トリニー)「ペタのことは私が必ず直すから、下へ行ってくれないか?集中したいのだ」

「でも・・・」

(トリニー)「もし、テストラが邪魔して直せなくなったら私の時に殺すのだ」

「え・・・」

(トリニー)「私の体はペタの仇でもあるのだ」

「でも・・・」

(トリニー)「テストラに変わったら勝てないのだ?非戦闘員の私の時に殺すのが一番手っ取り早いのだ」

「でも、トリニー悪くない・・・」

(トリニー)「この身体では仕方が無いのだ・・・」

「・・・」


彼? は手を止めまっすぐ私と目を合わせた。


目の前の少女が幾星霜を過ごした老研究者のような面影



キィィィー    



ガタン



軋む扉を開き、私は下へ降りた。



少しだけトリニーがあの身体にいる理由が分かった気がした。




中には見たことない植物や肉?が保存されており、食欲が失せてしまった。


そのまま隣の寝室へ行き、ベッドに横たわる。

サイドテーブルの上の青紫色の照明をぼーっと眺め、ゆっくり目を閉じる。



(今はトリニーを信じるしかない・・・)



自分の命までかけて直してくれようとしている。表面上だけの言葉かもしれないが。




(トリニー)「nも・・・。ノモ・・・ ノモ・・・!!!」

「う、眩しい!!」

(トリニー)「あ、ごめん。ヘッドライトが」



トリニーは鼻息を荒くし、両手を広げ、私の顔に突き出した。



(トリニー)「直った!!直したよ!!!」

「おお・・・。おお〜〜!!!!!!」



トリニーからそっと腹の上に置かれたペタは真珠色の羽をゆっくりと開閉させていた。



(トリニー)「中央の胴体を直したら、勝手に脱皮して回復したんだよ!!!すごい!!!!こんなの見たことないのだ!!!!!!!!!」

「ちょっ、唾飛んでるから・・・!!」

(トリニー)「いえぇぇぇい!!!!!!!!!!!!直った〜〜〜!!!!!命拾いした〜〜〜!!!!!!」

(トリニー)「なんか!!あれ!!なんだっけ・・・!!!透明な蝶々・・・!!グレタオトだ!!それに似てる!!!」

「あ・・・?そうだね・・・?」



はしゃぎ倒しているトリニーを横目に、左手でそっとペタに触れる。すぐに破けてしまいそうな透き通った真珠色の羽はより神秘的な見た目になっていて、神々しさすら感じる。



「ペタを直してくれてありがと。その、あんたらはなんなの?」

(トリニー)「ウェーー!!っん?私はトリニーなのだ!!」

「違う、そうじゃなくて」

(へファイ)「人工多重人格者の実験体だったんだよ」

「人工多重人格者・・・?」

「実験体・・・?」

(へファイ)「そう。今、この体には5人の人格が宿っている」

「5人も・・・!」

(へファイ)「なんとなく気付いてるかもだけど、眼の色を見ればすぐに誰かわかるはずだよ」



薄々感じてたけど、やっぱりか。眼の色が変わると人格も名前も変わってるんだ。


赤虎目石の眼をしたやつはバカ(テストラ)。翡翠色の眼をしたらトリニー。治癒してくれた琥珀色の眼のジワン。今話している灰簾石色の眼がへファイ。



(あと一人は誰だろう・・・?)



「実験体ってどういうこと?」

(へファイ)「金持ちの道楽に使われただけだよ」

「・・・」



(なんて返答すれば・・・)



(へファイ)「こっちも質問いいかな?テストラがうるさくてね」

「あ、うん」

(へファイ)「ノモは何者なの?操縦士(パイロット)ではなさそうだけど」

「その、パイロット・・・?ってのは知らない。私はただの宇宙探索家見習いだよ」

(へファイ)「宇宙探索家・・・?なんだいそれは?」

「え?知らないの?宇宙船に乗って宇宙生物や資源を調査する仕事だよ?200年前からあるけど・・・」

(へファイ)「ふ〜ん・・・」

「パイロットってのはなんなの?」

(へファイ)「クズの集まりだよ」

「へ、へえ〜」



(へファイ)「ノモが危険なやつじゃないってのは分かった」

(へファイ)「もういいだろ?テストラ?」

(テストラ)「俺はまだ、コイツを信用できねぇ〜」

「私もだよ・・・このクソガキが」

(テストラ)「んだとごら"ぁ!!!!」

(へファイ)「はいはい。そこまで」


(トリニー)「ノモ!この星を案内してあげるのだ!」

「え、いいよ別に」

(トリニー)「見た感じ墜落事故だろう?乗ってた宇宙船がどこかに落ちてるかもしれないのだ!!」

「・・・!」

「どこに落ちたかわかるの!?」

(トリニー)「4つの流れ星が見えたから、その周辺を探しに行ってみるのだ!!」

(へファイ)「それに、一緒に行動した方がお互い信用しやすいと思う。テストラは悪いやつじゃないんだ」


「・・・・・」

「帰るにはそうするしかないか・・・」

(へファイ)「にしても、ノモ。強いよね、色々」

「強い?どこが・・・?」

(へファイ)「・・・。いやなんでもない」



へファイとかいうやつ、なんか見透かしてくる感じがあるんだけど、気のせいか・・・?




ーーー[次の日]ーーー



私は自分の星へ帰るため、多重人格少女と共に乗ってきた宇宙船を探す旅に出た。



(もしかしたら、チームメンバーもこの星にいるのかも・・・・)




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