未知との遭遇は大体嘘
まだ、なんのこっちゃ分からんと思いますが、きちんと書いていきます!
[チーム『ハインライン』船内]
(リーダー)「リナ〜!!腹へった〜〜!!なんか作って〜」
(リナ)「・・・」
「・・・?」
リナさんは何故かリーダーの体を上から下までチェックするように見回している。
(リナ)「胸にばっか栄養が入ってるのかしら・・・」ボソ
(リーダー)「なんて?」
(リナ)「いえ、何食べたいですか」
(リーダー)「ん〜。ノモは?」
「え、私?」
(リーダー)「ノモは何が好きなん?」
「そう、ですね・・・」
「米に合うのが好きです・・・」
(リナ)「ざっくり過ぎでしょ・・・」
(リーダー)「ならカレーで」
「辛くないので、お願いします・・・」
(リナ)「了解、」
(リーダー)「ノモはまだまだお子ちゃま舌やな〜」
「・・・やっぱり辛口で!!!」
(リーダー)「無理しなさんな??」
(リナ)「作る側としては洗い物が少なく済むから助かるけど、食べれるの?」
(リーダー)「そーだよー?リナのカレーは辛党なダニエルでさえ火を吹くんだぞ〜〜!!??」
「う、た、食べれますよ!?」
(リーダー)「嘘〜!?無理無理、やめときな〜〜!!」
こんな安い挑発、普段の温厚な私なら相手にしないけど、わざと対抗心を見せておこう。
(多分この人はなんでも無茶して突っかかってくる生意気ヤンチャ娘的なのが好きなんだろうし、)
30分後、出てきたカレーはマ・ヂ・で・辛かった。
死者出るだろこれ・・・
言い出しっぺのリーダーは泣きながら無理矢理口にかき込んでいたが、私は一口でギブアップした。
私の残りを平然とした顔で平らげたリナさん。
(この人、味覚バグってんな)
(???)「おい、なんかすげ〜匂いするけど、またアレ作ったのか?リナ?」
(リナ)「ダニエル。あんたも食べる?カレー」
(リーダー)「ダニ"エ"ル"!!あ"ん"た"も"味わ"え"!!こ"の"地獄を"!!!」
(ダニエル)「うぉ!?顔真っ赤だぞ、リーダー・・・」
唇と目を腫らしながら、ダニエルさんにパワハラするリーダー。
(この辛さは十分、パワハラだろう)
(ダニエル)「いいよ、俺は・・・。そうだ、ノモ!キイスが呼んでたぞ」
(ダニエル)「お前の未知との遭遇体験を是非とも詳しく聞かせて欲しいんだとよ!」
ダニエルはニヤニヤしながら私に話しかけてきた。
私が気がついて、初めて話した相手だ。
ここでの私は、自分で端末から入隊申請し、面接も体験入隊も終わらせ、正式入隊したばかりの新人雑用係らしい。
私が正式入隊までこぎつけたところの間までの記憶が全く無いと相談したのがこのダニエルだ。
ダニエルは私のことを"不思議ちゃんなオカルト好き"と認識しているらしい。
私には毎回、馬鹿にするような汚い裏声で話しかけてくるし、図体も態度もデカい。
リーダーやリナさんはダニエルの扱いに慣れているようだが、私にとってはずんぐりむっくりなムキムキの意地の悪いおっさんだ。("熊オヤジ"と心の中で呼んでいる)
(ダニエル)「宇宙に出たら分かるが、未知との遭遇なんてありやしねーぞ!?」
(ダニエル)「居ってもせいぜい、無知で気色悪い生物くらいだ」
(ダニエル)「UFOに攫われた〜〜!!!ってガキくせーこと、俺がお前くらいの歳の時にはとっくに覚めたっつーの」
「・・・っす」
(リーダー)「ダニエル!新人いびってる暇があるなら、昨日取ったサンプルの市場調べろ!!!」
(ダニエル)「もう終わりやした〜」
(リナ)「ならカレー食べる?」
(ダニエル)「いや、それはマジで要らん・・・」
(リナ)「くえ」
(ダニエル)「んぐっ!!??」
大きめのスプーンいっぱいに盛られたルーを口に捩じ込むリナさん。
辛過ぎて悶えているダニエルを見て、少し気分がスーッとした。
おそらく、ダニエルの発言に傷ついた私を庇ってくれたのだろうが、私は事実しか述べていない。
そういう奴もいるよな〜くらいにしか思っていないのだ。
「キイスさんのところ行ってきます〜」
(リーダー)「おう!行ってこ〜い!」
私は3Fの共有ルームから1Fの調査室へと向かった。
(リナ)「リーダーはノモが言ってることどう思いますか?」
(リーダー)「う〜ん、、私は本当の事を言ってると思うな。嘘つく必要ないし、それに・・・」
(リナ)「それに?」
(リーダー)「いや、気のせいか」
(リナ/ダニエル)「・・・?」
螺旋階段を降りて、調査室へ入ると背の高いひょろっとした男性が扉の方を振り返った。
(キイス)「早速、こないだの話の続きをしてくれ」
「は、はい」
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