研修二日目
[Nr.OB/MONO/アルビノ星] 探索二日目
(リーダー)「ぼーっとしてないで指示を聞け!ノモ!今日からは遊びじゃ無いんだぞ!この星の資源調査をするんだ!運搬係のダニエルと調査官リナと一緒に鉱石を集めてきてくれ!」
「は、はい!!」
(リーダー)「返事はハイではなく、スペーサー!だ!昨日教えただろう?わかったか!」
「す、スペーサー!」(恥ずい…)
(リナ)「リーダーがそれ使わないと誰もそんなのしませんよ」ボソ(恥ずかしい)
(ダニエル)「気合い入ってますねぇ!リーダー!」
(リーダー)「う、うるさい!準備して3人で早く調査に行ってこ〜い!!!」
「・・・」チラ
(ダニエル)「了〜解〜」ニヤニヤ
(リーダー)「ダニエル!!ニヤつくな!!」
(リーダー)「ノモ!返事は!!」
「す、スペ-サー」 ボソボソ
(リーダー)「聞こえない!!!リナ!!!」
(リナ)「了解」
(リーダー)「こーら!!!言えや〜〜〜!!!!!!!!」
(リナ)「だから、リーダーが言い始めたら使いますって」
(リーダー)「ぐ、、、」
私たち3人はリーダーが言うのかジーッと見つめていた。
(リーダー)「す、スペーサーぁ!!!」
(ダニエル)「え?なに?サー!!!!!しか聞こえなかったけど!?どゆこと!?」
(リーダー)「・・・」
(リーダー)「良いから・・・!さっさと行けぇ〜!!!!!!!!!」
リーダーは頬を赤ら、耳まで赤くしながら、スペースガンをこちらに向けて乱発してきた。
(ダニエル)「ちょ!!あぶねぇ!!!!逃げるぞ!!!ノモ!!!」
ジュン!!ジュン!!
スペースガンの弾が地面にめり込み消失していく。当たった場所は直径30cmくらいの穴が空いていた。私は、身の毛が震え、躓いた。咄嗟にこちらへ銃口を向けてくるリーダー。
コケた私をダニエルさんが脇に抱え、私は後ろを向いた体制になりながら、走って遠くまで逃げ出してくれた。巨体の割に逃げ足が早く、みるみるとリーダーの姿が見えなくなっていく。
リーダーは私たちが見えなくなるまで、こちらに向けてスペースガンをぶっ放していた。
(ダニエル)「なんちゅー奴や。昨日のことよっぽど根に持っとんのか?」
(リナ)「でしょうね」
「・・・」
(リナ)「ノモ、そういえば大丈夫なの?」
「へ?」
(リナ)「脇」
(ダニエル)「!!!!」
私は、急いで抱えられていたところをくまなく嗅いでみたが、何も匂わなかった。
「特に何も・・・。無臭です・・・」
(ダニエル)「そら、昨日あんなに言われたら、風呂くらい入ってくるわ!!!!アホか」
(リナ)「あんた。そんな配慮できんのね」
(ダニエル)「あぁ?馬鹿にしてんのか?」
(リナ)「てか、リーダーってあんな銃下手だったっけ?」
(ダニエル)「話逸らすなや!!!」
「え・・?銃うまいんですか?リーダー」
(リナ)「ええ。銀河警察のトップの連中と張り合ってたって聞いたことあるけど」
(ダニエル)「ああ。それ、俺も聞いたことある」
(ダニエル)「でもなぁ、あの腕じゃ、嘘じゃねーの?」
(リナ)「そう・・か・・・?」
「・・・」
(リーダー)「ふぇぇっくしょん!!!」
(キイス)「風邪ですか?」
(リーダー)「う〜ん?」
リーダーの話をしながら、目的地へと向かう。
二人とも身長が高いので、一歩が大きい・・・。
調査/分析官のリナさんはものすごいスタイルが良い。モデルのような振る舞いと立ち姿から、外での活動はしない人だと思ってたけど、違った。この人めっちゃ身体能力高い。ちょっとした崖だとスイスイ登って行っちゃうんだよ。
私は、小走りで二人の後についていった。話題は次第にリーダーの過去の話になっていた。
(ダニエル)「リーダーって・・・・・・・・・・・・・・・・」
(リナ)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「え?」
話に夢中になっていると、目的地の洞穴にたどり着いた。鼻の穴のような壁穴がたくさんある。上は断崖絶壁だ。
(ダニエル)「そう言えばノモ。リーダーに、今日の仕事内容は聞いたか?」
「え、え〜っと〜。多分まだです・・・」 ※[教えられてます]
(ダニエル)「ってことは俺たちが現場の指揮するから」
「了解です!」
(ダニエル)「スペーサー。じゃなかったっけ?」ニヤニヤ
「s、ス、スペ〜サ〜、、、、」
(ダニエル)「ガッハッハッハッハ!!!しなくていいぞあれ。やりたがってるのリーダーだけだからな!」
(ダニエル)「ガッハッハッハ!!!あんなん渋くて誰もやらんっちなぁ!」
「そ、そうですよね〜、、」(先に言ってよ、、、)
(ダニエル)「来てすぐでゲボっちまったのもあるだろうが・・・。気楽にな!ノモ!仕事はもっと楽しないとつらいで〜」
「は、はい!」
(リナ)「あんたらうるっさい」
ダニエルは大きな手でノモの肩を叩いた。
(ダニエル)「よ〜し、新入り!今回の作業について教えるぞ〜!」
「お願いします!」
(お〜!初めての探索!!!)
(ダニエル)「今回は、この洞窟の奥にあるサニークリスタルを取りに行く。できるだけ純度の高いやつが欲しいから、オレンジ色が濃いクリスタルをメインでな」
(ダニエル)「でけーやつは俺が運ぶから、細かいやつは任せる」
「は、はい!」
(リナ)「なら非力な私は入り口で待ってるわ〜。取ってきたらここに置いといて。分析しとくから」
「あっ、はい・・・」
(ずっる〜)
私はダニエルさんと洞穴へ入っていった。
入り口は狭かったが、中はいくつもの穴が繋がっていて、大きな洞窟になっていた。かいていた汗に奥から流れる冷たい風が当たり、背筋からゾクリと震える。
別に、怖いから震えているわけではない・・・。
(ダニエル)「おいフードかぶっておけよ!オンライン状態に常にしとけ!どんな有毒物質があるかわからん」
(ダニエル)「かぶったら首まわりにある丸い印を押さえろ。そしたら、前が閉じて膨らんでっくっから。前に画面と景色が表示されっから出たら報告」
「で、出ました!」
(ダニエル)「よし、そしたら右上に残量ゲージがあるだろう。それがフード内の残りのバッテリー量だ。半分を切ったら帰る。この表示はオンラインのメンバー全員に共有されてっから、非常時に備えて常にオンラインにしておけ。救助できなくなるかもだからな」
「は、はい!!」
ピコンという音と同時に右上に顔写真と年齢、性別、バッテリー残量が表示された丸いプロフィール画面が二つ追加された。他にもいろんな機能が描かれたマークがあるが、何がなんだか分からない。
余計なことにならないよう、下手に触らないようにした。この画面は視界と共有されていて、軽く手を動かすだけで、画面が操作できてしまう。
「操作をオートからマニュアルにしておけ」と言われた意味がようやく理解できた。誤って操作してしまわないようにするためだったのだ。
なんか、規制される前のフルダイブ型ゲームのようだ。




