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宇宙冒険家ノモ  作者: 坂山海
早熟で未熟者
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体験入隊

ーーー翌日ーーー



私は、昨日の公園へ少し早いが到着していた。

興奮と緊張であまり眠れなかった。昨日の疲れがまだ残っている感じがする。




ベンチで座って待っていると、真上から白のボディと側面にマッドグリーンのラインが入った機体が降りてきた。

昨日は、暗くて、遠くに停めてあったから良く見えなかった。



「お、おぉぉぉおおぉぉお!!!!!!!!」

(こ、こ、これが、『ハインライン』の宇宙船か〜〜〜!!!!!)



着陸した宇宙船をワクワクしながらぼーっと眺めていると、誰か降りてきた。



「よっ!と・と・と・・・。 アブネ・・・」

「お〜!!君がノモか〜!!!予定時刻より早く来ているね!!良いね良いね!!!気合い入っているね!!!」



横にした卵のような形状をした宇宙船から、昨日あった女性とは別の女性が降りてきた。


小柄ながら存在感のある立ち姿。凛々しくてハキハキとした喋り方。細くてふわふわした緑色の髪。内側に少しカールがかった髪型。(可愛い)



「は、初めまして!!入隊希望のページから連絡をしました!ノモです!よろしくお願いします!」

「うん!よろしくね!元気な子が入ってきてくれて嬉しいよ!うちはみんな物静かな奴ばかりだからね〜〜!ハハッ!!」



(げ、元気な人だな〜)


「私はアリア!」

「アリア・A・ハインライン。こんなだけど、チーム『ハインライン』のリーダーをやってる。よろしく!」

「え、昨日の方がリーダーじゃなかったんですね・・・」

「あ、ああ。昨日はサブリーダーのリナが会いに行ってくれてたんだ。ほんとは私が会いたかったんだけど、昨日は報告することが多くて・・・悪かったね」

「あ、いや、ぜんぜん!」

「アリアさんの方が、その、なんていうか、」

「頼り甲斐あるでしょ?」 ムフ-



アリアさんは鼻息を荒くし、腕を組んで自慢げにしている。すると、宇宙船から昨日会ったリナさん?らしき人が降りてきた。


「聞き捨てならないな」

「え、あの、」

「私は頼り甲斐ないってこと?」

「ソーダ!ソーダ!もっと明るくなれー!胸萎めー!身長よこせー!」

「リーダーは黙ってて」



リナさんは私の方へまっすぐ向かってきて問い詰めてきた。


「あ、いや、その、そういうわけでは・・」

「ならどういうこと!」

「その、えーっと・・・。凛々しくてかっこよく仕事をこなしそうなリナさんとは別で、アリアさんは明るく引っ張っていけるような感じというか・・。なんというか・・」

「・・・・」



(あれ、、ダメだった・・・?)


「ッチ」

「コラコラ。新しい子いじめんな!」

「ごめんね〜。リナ褒められたらツンが強めに発動するから」

「しません」

「嘘つけ〜!」


アリアさんが肘でリナさんの腰をウリウリやっている。が、リナさんはアリアさんを担いで近くの公園清掃ロボットの方へ投げ入れた。(怪力過ぎる)


「あの〜。そろそろ〜」



宇宙船の扉から昨日とは別の男性が出発したそうに声をかけてきた。


「うるっさい!!!」

「待って〜!今行く〜」

「・・・・」



リナさんは声をかけてくれた男性に八つ当たりをしながら乗り込んで行った。アリアさんは倒れた筒状の清掃ロボットの上に仰向けで仰け反った体勢のままぶっ倒れた状態で返事をしていた。


私は、乗って良いのか、アリアさんを待っていた方が良いのかで棒立ちになっていた。


「起こして〜!」



清掃ロボットが身動きが取れずガシャガシャと音を立てている。

私は急いで、駆け寄って手を引っ張り起こしてあげた。


「ありがと〜。全く、アイツは加減を知らんのか!!」

「ははは・・・」

「早く行くよ!ノモ!」



清掃ロボットを起こそうと振り向くと、すでに自力で自立し直して、散らばったゴミを集めていた。


「おーい!!あくしろー!!!」

「は、はいー!!!!」





私はアリアさんの後ろついて行って、卵形の宇宙船へ乗り込んだ。


船内でまず文字通り顔に飛び込んできたのは、鳥?のようなものだった。私の顔に飛びつき、網膜と顔をスキャンされる。慌てて振り払うと、鳥の形だったそれはいつの間にか、犬型に変わっていて足の匂いを嗅いでいた。私の周りをくるくる周りながら満足するまで嗅いだと思ったらこちらにペコりと頭を下げて奥へ行ってしまった。



「それは動物変形型機械生命体ペタ

「今のは、整体スキャンをしたんだよ。網膜、指紋、匂い、身長、などなど」

「びっくりしました・・・」

「ははっ!!ペタは私たち全般の補助をしてくれる優秀な機械生命体だよ。言語モデルは組み込んでないから、話せないけど」

「は、はぁ・・」

「星の調査や研究するときなんかにとっても役に立つウチの可愛いムードーメーカーさ!」

「た、確かに可愛い・・・です!」

「だろ!?」



アリアさんが自慢げにペタの紹介をしている間、そのペタは奥で変形して見えなくなった。その直後、宇宙船の入り口が閉まり、ふわっとした浮遊感があった。どうやら離陸したようだ。無音すぎて全く気がつかなかった。


「出航するからどこか掴まってね」

「え?」



私は慌てて近くの手すりのようなものに掴まった。そこからはいきなりとてつもない重力を数秒感じたと思ったら、急に体が軽くなった。窓の外を見ると、もう宇宙空間に到達していた。



「目的地までは少しあるからその間にチームメンバーの紹介と制服!渡しとこうか!」

「あ、ありがとうごz・・・うぅ!」

「ちょ、ちょ、ちょちょちょ!!!!トイレトイレ!!!」

「お"ぅっぅぅえ"ぇ"〜〜〜〜」



初回ゲロをかましてしまった・・・・。




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