朧げな記憶
『宇宙冒険家ノモ』始まりです!!
今後、多分用語が増えていくと思うので、細く説明は後書きの方に書いていこうと思います!
15歳の誕生日。
ようやくあの地獄から抜け出した。
両親の反対を押し切って飛び込んだ"宇宙産業"。
未成年は雑用しかできないと知ったのは家出して三日後、ネカフェの角部屋で目にした口コミだった。
今の所持金では明日を乗り越えられない。ネカフェ生活も終わりを迎える。
"宇宙産業の副産物"である、国からの生活費支給は未成年の場合、世帯主である父親の口座に振り込まれる。
大喧嘩して縁を切った両親に「お金をください」なんて言ったらどうなるか・・・
おおよその予想はつく。
昼間っから顔を真っ赤にした父は、鼻高らかに過去の栄光と独自の常識を語り始め、子供を見下し、否定し、殴り、支配したがるだろう。
自分にそのヘイトが来ないよう虚勢を張りながら父の味方になる母も相談相手にはならないだろう。
グ〜〜〜〜!!!
「腹へった・・・」
無料の粉末スープでなんとか誤魔化していたが、流石に限界だ。
しかし、中途半端に食べると余計腹が空く。
「コンビニでおにぎりでも買ってくるか・・・」
こじんまりとしたこの都市のコンビニは中規模なディスカウントスーパー的な役割を果たしているため、知り合いに会う可能性が高いのだ。
私は湿ったグレーのパーカーのフードを深く被りフラフラとコンビニへ向かっていると、急に強い光に包まれた。
、
、、
ってところまでは覚えている。
気がつくと私は宇宙探索家チーム『ハインライン』に入隊しており、宇宙船内の雑用を任されていた。
何度か私がどういう経緯で入隊したのか聞いてみたが、不思議そうな顔をされ「あなた自分で応募してきたじゃない??」と返されるだけだった。
(???)「ノモ〜〜??またサボってたな〜〜!?」
「す、すみません!リーダー!!」
(リーダー)「疲れてるならちゃんと休みな?未成年は雑用しかできないんだから」
「は、はい・・・。でも、何か役に立ちたくて」
(リーダー)「もぅ〜〜!!!可愛いやつやな〜〜!!コノコノ!!」
「フグゥ!ちょっ、く、苦しいです!!」
リーダーの豊満ながら引き締まったボディと頭上に乗っかるふわふわな感触。
同性ながら、思春期な私には色々と刺激が強いお姉さんだ。
現場仕事が多い宇宙探索家は汗臭くて泥臭くてたまに何かしらの粘液や体液を纏う職業なのに、この人からはいつも石鹸のようないい匂いがする。
(リーダー)「ノモはきっと凄い宇宙冒険家になるよ!!」
「んぇ?ほうでふか??」
(リーダー)「人のために動けるってのはこの業界では稀有だからね」
「・・・???」
(リーダー)「まあ、大きくなれば直に分かるよ」
「はぁ・・・??」
(リーダー)「ノモ、それよりお腹空いてない?リナに何か作ってもらい行こー!」
「あ、ちょっいきなり走んないでください〜!!」
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[Neo星 地上]
(???)「ノモ、どこ行ったん・・・?」
両親から2週間経っても連絡が取れないからって相談されたけど、家出したって連絡から私も行方知らんねんな〜
ノモの行きそうな場所あらかた回ったけんど、よう分からん奴に連れ去られて変やろうか・・・?
(ええらしい顔しとるしな〜。ノモは・・・)
ノモがおらんくなった時ってそういえば、"冒険家のユニ・フレンド"が帰還してきた時期やったな・・・?
「私の推し〜〜!!」って叫んでたん思い出した。
彼らの宇宙船でも観に行っとんのかもしれんな・・・。
とりあえず、もう一回あのネカフェに尋ねてみよう。