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 第二部 魔国統一編 スキル確認


「えっ、それじゃ何て言うか、養わないといけない子供が増えたようなものか?」


 僕は賢者茸に問いかける。


「そうね。だけど、隷属させた者を眷族って言うんだけど、その眷族の能力を一部貰えるって言うのは便利よ。まず、その前に貴方はここ魔界に来てシャドゥウルフを倒したでしょ。ちなみに魔界では倒した相手の能力も自分のものに出来たりするわ。例えば、あのシャドゥウルフの能力の、闇噴出と、風刃の能力も貴方は手に入れてるわ」


 え、まじか。あの能力は厄介だった。あのスキルを僕が使えるのを知ってたら、ロザリンドとも、ルシアンとももっと楽に戦えてたと思うのに。


「しょうがないじゃない。貴方が色々知りたいって心から思ったのはさっきだったわけだし。もっと早く願ってたら、私と接触出来たと思うのに」


 ん、コイツ、何言ってるんだ?


「おい、お前、なんとなくじゃなくて、かなり僕の心読めるんじゃないか? 心を読むな!」


「しょうがないじゃない。私と貴方は繋がってるから、流れ込んで来るんだから。文句があるなら考えを垂れ流さないで」


「どうやればいいんだ?」


「わからないわ」


 ああ不毛だ。なんかコイツと話してると先に進まない。けど、重要な事だけ聞いとかないと、また時間切れになる。話が脱線しそうになったら、すぐに戻すようにしよう。


「じゃ、それは諦める。僕の考えを読んで読んで読みまくれ」


 僕は集中して考える。これではっきりと僕の思考が賢者茸に流れるはずだ。


「なっ、なにそれっ! 失礼ね。私の胸はそんなに垂れてないし、乳輪そんなにデカくも黒くも無いわ!」


「あれー? なんでそんな事言ってるのかなー?」


 賢者茸は両手で胸を隠す。隠しても無駄だ。妄想は自由だ。想像力、それは人間を人間たらしめている素晴らしいものだ。僕は賢者茸の組んだ足の間を想像する。キノコのくせに人間様を舐めるなよ!


「止めろ! いや、止めてください。私が悪かった。もう許可無く心を読んだりしないから、変な想像するのを止めてください。なんかめっちゃ背筋がゾワゾワするわ」


「分かればいいんだよ。時間無いんだろ。話を横道に逸らすな。僕が聞く事に素直に答えろ」


「逸らしてるのは貴方でしょ。ま、で、何聞きたいの?」


「ますはシャドゥウルフのスキルだ」


「闇噴出は、体から不可視の黒い霧を噴き出すものね。もっと練習して威力を上げないと、今は体を覆う事くらいしか出来ないと思うわ。風刃は攻撃した時に見えない刃を飛ばすものだけど、これも今は貧弱で草くらいしか切れないと思うわ」


 そうか、今はまだしょっぼいものなのか。けど、どちらともロマン溢れるスキルだ。多分今の状態でも闇噴出は使えそうだな。昼はただの怪しい黒い人間になるだけだと思うが、夜ならば闇に隠れる事が出来るだろう。


「ロザリンドとルシアンからはどんなスキルを貰えたんだ?」


「ロザリンドからは、影渡り。だけど、これはかなり練習しないと全く使い物にならないわ」


「そうか、けど、いつかはロザリンドみたいに使えるようになるんだよな。楽しみだな」


「ルシアンからは巨乳」


「嘘つけっ!」


「えー、ばれた? ノリ悪いわね。だから」


「だからDTっていうなよ。脱線禁止」


「面白くないわね」


「時間ねーんだろ。面白さはいらんわ」


「しょうがないわね」


「しょうがないのはお前だ!」


 ああ、なんて疲れるキノコだ……


「ルシアンから貰ったのは、熱耐性と、炎魔神化と角人魔法よ。あとはルシアンに聞いて鍛えた方が早いとおもうわ。ちなみに眷族との絆が強いほど沢山のスキルを貰えるわ。まあ、今の状態だと、ロザリンドよりルシアンの方が貴方への好感度が高いって事ね。どちらか上手く攻略して、目指せ脱、ゲフンゲフン、大人の男を目指す事ね。じゃー、またねー」


 言いたい事を言うだけ言うと、賢者茸は両手でバイバイまたしてる。なんか腹立つな。またDTって言おうとしやがったよな。視界が白んでいったと思ったら、僕は目を開ける。そこは明るくなった荒野。やっぱり夢じゃなかったんだ。けど、夢同様忘れたら困るので、しっかり聞いた事を頭の中で反芻する。


「お前様、乳揉みしだくとか叫んでいたけど、どんなスケベな夢みてたのかしら?」


「うわっとっと!」


 つい跳ね起きる。僕の影から生首、ロザリンドが首だけ出して居る。


「驚くじゃねーか。首だけじゃなく出て来いよ」


「やーよ。ロザリー今下着姿なのよ。お前様、ロザリーのドレス返してくれないけしら?」


 あ、そうだった。今、ロザリンドの服は僕が布団代わりにしてるんだった。


「ああ、すまない。ありがとう。暖かかったよ」


 僕はロザリンドにドレスを渡す。ロザリンドは手を出してそれを受け取ると、影の中に消えて行った。

 僕はキノコ力が回復してるのを確認し、筋肉茸を送還し、新たな鎧茸を纏ってなんとか人としての尊厳を取り戻す。

 なんか腹減ったな。とりあえず食用茸を出して口にする。


「おはようございます」


 ロザリンドは影から出てくると、一発カーテシーを決める。

 

「おはよう」


 僕が挨拶すると、ロザリンドはニコリと笑う。可愛いなコイツ。で、今からどうしよう?



 このお話は他サイトノベルピアさんで先行配信しております。下にリンクを張ってますので、ぜひお越し下さい。


https://novelpia.jp/novel/2658



挿絵(By みてみん)


 この表紙絵が目印ですっ!


 読んでいただきありがとうございます。


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