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 3話 手に入れたスキルは茸使い


「き、きのこつかい!」



 司祭はどもりながら宣う。


「き、きのこつかい?」


 僕は司祭の言葉をオウム返ししてしまう。


『茸つかい』? 


 なんだそれは、それはスキルなのか? もしかして僕の耳がおかしくなったのか?


「アシュー・アルバトロス、汝のスキルは『茸使い』だ!」


 真っ赤な顔で司祭が高らかに宣言する。


「クスッ」


 どっかで失笑が起きる。


 そんなはずはない!


 なんかの間違いだろう。


「司祭様、しっかり確かめて下さい!」


 僕はもう一度石像に触れる。またピカッと光る。


「汝のスキルは『茸使い』、『茸使い』だ。立派な『茸使い』として生きて行くが良い……」


 司祭は堪えているが明らかに顔がピクピクしてる。しかも今『茸使い』って3回も言いやがったな。


「ぷっ」


「クスッ」


「ププッ」


 いろんな所から失笑の声が聞こえる。フレイヤは我慢しているが肩が震えている。アッシュに至っては顔が変顔になっている。


 僕は耐えられず、走り出して教会を後にした。


 それからはどうやって帰ったか覚えていない。僕は屋敷に帰ると自室に入り鍵をかけた。誰にも遭いたくない。僕はベッドに横になって目を瞑った。




 コン、コンッ。


 誰かのノックで目を覚ました。


「アシュー、ここを開けて」


 フレイヤだ。そのあとも執拗に呼びかけるが、今は誰とも話したくない。


「アシュー、さっきはごめんなさい。あたしはどんな事があってもあなたの味方だから。それだけは覚えておいて!」


 よく通る高い声でそう言うとフレイヤは帰ったようだ。意図せずして、僕の頬に涙が伝う。


「おい、アシュー聞こえるか?」


 次はアッシュだ。


「アシュー、元気出せ、この世の中、スキルが全てでは無い。どんなスキルを持ってたとしても要はその本人次第だ。お前はきっと強くなれる信じてるぞ」


 アッシュはそう言うと立ち去った。そうだ、アッシュの言うとおりだ。スキルが無くても努力すれば強くなれるはずだ。


 そんな事を考えながら、僕はしばらくうとうとしていた。



 ドゴン!


 僕の部屋の扉が何者かに壊される。とうも蹴破られたみたいだ。僕はベッドから跳ねあがり壁に掛けてた剣を取る。


「アシュー、このアルバトロス家の面汚しが!」


 怒声と共に部屋に入って来たのは僕の5つ年上の次男のケイン兄さんだ。ケイン兄さんは重戦士のスキルを持ち騎士団入りを約束されている。180センチを超える巨躯でまた19才だけどその年には決して見えない。20代半ばくらいに見える。


「なんだ『茸使い』ってのは、お前のような奴が家にいると伯爵家自体が馬鹿にされる。1週間だ。1週間後に俺と決闘するか家を出るか好きな方を選べ」


 僕の家では早くして母親が亡くなり、父親と長男は王都で政治に関わっているので、次男のケイン兄さんが家長代理で全権を委託されている。そうだから僕には全く選択肢がない。これからどうするか僕は途方にくれた。



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