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 2話 教会でのスキル獲得


「アシュー、もしかして緊張してるの?」


 幼なじみのフレイヤが心配そうに僕の手を握ってくれる。大きな丸い目でじっと僕を見ている。ずっと一緒に遊んで来たから実感はないが、フレイヤはこの街で一番綺麗だと言われている。まぁ僕にとっては男友達と何ら変わらないのだけど、最近はやたらボディタッチが多い気もする。


「大丈夫さ、お前なら多分勇者になれるはずさ」


 アッシュが僕の肩を叩く。こいつは僕の親友で今まで常に一緒に遊びながらも互いに研鑽してきた。学園をサボったり悪さしたときもいつも一緒だった。アシューとアッシュ名前が似ているのもあって僕たちは兄弟のように過ごした。年の離れた兄たちよりもずっと近い存在だった。


 僕の名前はアシュー・アルバトロス。翼を広げたおおとりを家紋にもつここら辺一帯を治めるアルバトロス伯爵家の3男だ。ちなみに、フレイヤの家は公爵、アッシュの家は子爵だ。


 僕たちは今、王都の学院から僕の実家のアルバトロス領に帰郷して、教会のアカシックスターチューという石像からスキルを貰いに来た所だ。14の誕生日を過ぎた者がその石像に触れると神から何らかのスキルを貰える。


 全ての武器と魔法にプラス補正がかかるという勇者、剣を扱う事に関して右に出るものがいない剣聖、全てのものを癒すという聖女など伝説級のものから、鍛冶師、調理師、漁師など職業補正のあるものなど多岐にわたるが、それを決定する因子はそれまで研鑽してきた物事に負う所が大きいと言われている。


 僕は剣も魔法も同年代の間では誰にも引けを取らない自信があるので、どういうスキルが発動するか楽しみだ。


 僕の前にスキルを手に入れたフレイヤは聖女、アッシュは剣聖だった。2人の学園での能力とそのために積んできた努力が報われた形だ。親友2人共に引く手数多な伝説級のスキルを手に入れたのを見て僕は心の底から喜んだ。


 天井の高い石造りの教会のステンドグラスから差し込む七色の光が石像を照らす。その横には石像の声を聞く司祭が佇み、後ろには幾人もの聖職者達が控えている。中央の通路の脇に並ぶ椅子には祈りを捧げに来た者と、伯爵家の血を引く僕が何のスキルを引くかの興味にかられた者達が座っている。


 フレイヤとアッシュのスキル取得の時には参列する者たちから抑えきれずざわめきが起きた。


 次は僕の番だ。多分ここにいる全ての者は僕のスキルに驚愕する事だろう。そして僕の栄光はここから始まるのだ。


 僕は前に進み石像に手を伸ばす。前の2人の時にはその手が光り輝いた。


 僕の手が石像に触れる。


 カッ!


 一瞬辺りが閃光に包まれる。僕の今までの努力は無駄ではなかった。きっと驚くほど素晴らしいスキルなのだろう。


「アシュー・アルバトロス。汝のスキルは」


 司祭は言葉につまる。


「汝のスキルは……」


「汝のスキルは……」


 驚いているのは解るが早く言って欲しい。


「司祭様、お気持ちはわかりますが、皆が待っております。さぁ、大声で宣言してください」


 僕は司祭を促す。


 この時僕はまるで世界を手に入れたような気持ちだった。


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