表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/74

 17話 因縁の決着

 読んでいただき、ありがとうございます。


「俺は、アシュー、お前を倒して、王国をそしてフレイヤを手に入れる!」


 黒騎士アッシュは大声をあげ、剣を振り上げる。帝国にそそのかされて、国王を弑すれば国をやるとか言われたんだろう。けど、そんな上手く行くはずはない。国王を殺したアッシュは消されて王国は帝国に併合されるだけだろう。


「まて、お前はそんな事の為に国をそれに俺を裏切ったのか?」


 俺は剣を降ろす。戦う意味が無い。


「そんな事とはなんだ。全てを捨てた俺には、その野望が全てだ! 剣を取れ!」


「お前が欲しいのは国とフレイヤだな。アッシュ、お前は昔からそうだ。1人でなんでも抱え込む。悩みがあったら相談しろ。お前がどう思っているかは知らんが俺は今でもお前を親友だと思っている。出来る限り協力するぞ」


「親友……協力……」


 アッシュの構えから力が抜けていく。


「俺は俺の代わりに王になってくれる者を探していた。今からお前は魔界の王だ。あとフレイヤ、お前はアッシュの事をどう思ってるんだ?」


 俺はフレイヤに目を向ける。


「あ、アッシュの事……友だちかな……」


 フレイヤは俺から目を逸らして答える。友だちって事は可能性はあるのだろう。


「アッシュ、まずは友だちから始めて上手く心を射止めるんだな!」


「何故、何故だアシュー。俺が憎くないのか?」


 アッシュはゆっくり口を開く。


「まあな、けど俺は生きている。もし、お前のスキルなど関係ないという言葉が無かったら俺は死んでいたかもしれない。苦しい時、俺を救ってくれたのはお前の言葉だった」


「俺は、俺は取り返しのつかない事をしてしまった……」


「俺もお前も生きている。生きていればやり直せない事はない。間違ったらやり直せばいい。俺の国に来い。アッシュ」


「…………」


 アッシュの構えている剣が少しづつ下がっていく。


 それから、しばらく俺達は見つめ合った。そして、アッシュは剣を降ろす。


「……アシュー、わかった。それで、魔界の王ってなんなんだ?」


 もう、アッシュからは殺気は感じない。


「俺は奈落の底にあった魔界を統べて王になった。お前にはそこの王になってもらう。まずは自分の目で確かめろ」


「ああ、そうさせて貰う」


「だが、俺に暗殺者を向けた事だけはけじめをつけて貰うぞ。アッシュ、歯を食いしばれ!」


 俺は剣を置き、拳を握りしめる。まあ、剣聖だから少しくらい強くしても大丈夫だろう。


「ああ、俺を殴れアシュー」


 黒騎士は左頬を俺に向ける。



 ゴキュッ!



 殴られた黒騎士は吹っ飛んで壁に当たり動かなくなる。いかん、やり過ぎた。首があり得ない方向に向いている。俺は急いで駆け寄ってアッシュの体に癒し茸の菌糸を

打ち込む。時間との勝負だ。黒騎士の兜を取りなんとか気道を確保して、癒し茸で折れた首を治療する。


「ごふっ!」


 アッシュは血の塊を吐くと、寝息を立て始めた。よかった。なんとか一命を取り留めた。


「アシュー、城が崩れるわ!」


 フレイヤが俺にしがみ付いてくる。俺はアッシュを担ぐと燃え盛る王城を後にした。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 


「アシュー、国王って大変なんだな……けど、やりがいはあるな、国が豊かになっていくのを見るのは」


 アッシュは王冠をかぶり、前まで俺が座っていた玉座に座っている。その周りには十指が控えている。


 俺はアッシュとフレイヤを連れて魔界に戻ると、アッシュに仕事の引き継ぎをして、しばらくフレイヤの要望で魔界を見て回ったあと、王国に帰る前に魔王城に足を運んだ。争いの無い魔界に必要なのはこれからは政治的なものだ。アッシュはそういうのは得意そうだから上手くやってくれるだろう。


「アッシュ、国を頼んだぞ」


「ああ、世界で1番裕福な国にしてみせるよ」


 俺は前に出てアッシュと固く握手する。王になりたくてなったから頑張ってくれるはずだ。


「フレイヤ、ここに残るか?」


 俺はフレイヤに振り返る。


「いや、フレイヤ、お前は俺の代わりにアシューについて行ってやってくれ。アシューは常識がなさ過ぎる。それに、俺は気付いた。この世の女性はフレイヤだけじゃ無いってな。どうも俺はもっとスリムな女性が好みみたいだ」


 アッシュはデスベリーをチラ見する。おい、そいつは見た目幼女だろ、ノータッチ案件だ。しかもスライムだぞ。


「アッシュ、それってあたしがデブって言いたいの」


 フレイヤはアッシュをどついたあと腰に手を当ててぷんぷんしている。アッシュはこんな凶暴な奴のどこが良かったんだろう。


「じゃあな、あばよ」


 俺は右手をあげて振り返りマントを翻して城を後にする。国への憂いも無くなり、心から自由だ。


「まって、アシュー!」


 フレイヤの足音がする。


 とりあえず、地上に戻ったら茸以外の上手い物でも食おう。





分割版『最強の茸使い~クズと罵られて崖から落とされて世界から追放されたけど魔界を平定し眷族の魔王と無双します!力を貸せといわれてももう遅い。俺は好きなように生きて行く~』


             ~fin~




 

 読んで頂きありがとうございます


 みやびからのささやかなお願いです。


「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、


 広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、


 ブックマークの登録お願いします。


 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ