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今だったら? 本当の僕を君に見せられるのに。

作者: 七瀬






___僕は、別れた彼女の事が忘れられない。

あんなに、“ステキな彼女は他にはいないだろう。”





・・・それでも、

僕は、彼女と別れる事を選択したんだ。

どうしても、彼女と別れなくてはいけなかった。







___だって!

君と付き合っていた時の僕は、結婚していたからだ!

・・・と言っても、妻とは既に【別居】していたけどね。



親の決めた! 結婚相手だった。

きっと、妻もそうだったに違いない!

僕たちは、お互い好きでも愛し合ってもいないのに結婚させられた!





・・・出会った時から、上手くいくはずがなかった。

現に! 夫婦生活は冷え切っていたし!

新婚生活から、お互い寝室は別々だった。

知らない人同士が、面と向かって食事を取っている感じで。

ふと、僕は“何故? この女性と今、一緒に居るのだろう?”と

考えたことも多々あったんだ。

きっと妻も、そうだったのだろう。

 




【妻】という言い方は?

僕にとって、あだ名のような言い方で。

本当の意味で、僕は彼女を一度も! 妻と思った事はない!

愛を感じない夫婦生活なんか、早く! 終わってしまえばいいと

何度思ったことか!





___そんな時に、僕は君と出会った。

僕は、君に一目惚れして君にその場で声をかけたよね?

君は、ビックリして目がまん丸になっていたけど、、、?

僕は、そんな事お構いなしで!


グイグイ君に、話しかけてしまった。

それでも、こんな気持ちは初めてで、、、。

どうしても、君と友達からでいいから仲良くなりたかったんだ!




・・・きっと、そんな僕を君は変な奴だと思っただろう。

でも、君と会う回数が増えていくうちに、君は僕の事を知ってく

れて自然と僕と君は、一緒に居る事が当たり前になってしまった。




___僕は、普通に君と恋人同士になりたかっただけなのに。

僕は、本当の事を君に最後まで言えなかった。





・・・僕が、結婚していた事。

妻とは? 既に別居している事。

夫婦生活は、初めっから冷めきっていた事。

僕が、妻を愛していなかった事。

それと、僕は君と別れて直ぐに【離婚】した事。



何も、君に言えなかった。

だから、僕は仕方なく! 君の前から姿を消すしかなかったんだ。

これ以上! 君を傷つけたくなかったから!




___まさか!?

君だって? 僕が結婚してると思ってもみないだろうし。

結婚指輪もしていない、僕を見て! まさか!? 結婚してる

なんて、、、。






・・・君と会わなくなって1年が過ぎた頃。

偶然! 僕は君と再会した!


『・・・あぁ、与田くん? こんなところでどうしたの?』

『・・・明日夏ちゃんこそ、どうしてここに?』

『ちょっと、こっちに用事があって! 与田くん? 元気だった?』

『・・・ううん。明日夏ちゃんは?』

『元気だよ! 実は、与田くんに言ってなかったんだけど、、、? 

私ね! “結婚したんだ!”』

『・・・えぇ!?』

『与田くんと別れて、今の旦那さんと出会ってね! 直ぐにプロポーズ

してくれて! 結婚しちゃった。』

『・・・・・・』

『ショックとか言わないよね? もう、私たち別れてるんだし!』

『・・・・・・ううん、』

『じゃあ! 私行くね! 彼が待ってるから! それと、与田くんも早く

いい人見つけてね!』

『・・・・・・ううん。』




___君は、幸せそうな顔で僕と分かれた。

君の旦那さんが、近くで待っていたらしく! 君と腕を組んで

この場を去っていった。


僕の存在に、一切! 気づかずそのまま、、、。

せっかく! 僕が君に本当の僕を見せられると思ってたのに...。



___また、

君とは離れ離れになってしまった。

僕と君は、この先一生! “結ばれる事はない”んだと。

あの時、想ったよ。


君の、幸せそう笑顔が彼に向けられている顔を見てね。

・・・僕じゃないんだと。 





最後までお読みいただきありがとうございます。

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