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プロローグ3・超能力

 

「私はね、俗に言う超能力者なんだ」


  2人でマンションの階段を降りていると、千寿(せんじゅ)がいきなりそんな事を言ってきた。


「超能力者って、スプーンを曲げたりするアレか?」

「そうそう。まぁ、私の場合はそんな事はできないんだけどね……」

「は? なら何が出来るんだよ?」

「それは、さっき言ったじゃん」

「え?」


  彼女は僕の前に出ると、こちらを見て、後ろ歩きで説明をし始めた。ここは普通の平坦な道ではなく階段のため、見ているこちらがヒヤヒヤとする。


「私の超能力は、他者の残りの寿命を貰ったり、その貰った寿命をまた別の人にあげたりすることが出来る能力。組織からは『生命与奪(せいめいよだつ)』とか呼ばれてる物だよ」

「ソシ……キ?セイメイ……なんて?」

「まぁ、一度で理解できないのは普通だから気にしないでいいよ」

「……」

「何よ?いきなり黙り込んで」

「いや、超能力って……」


 あ、これ、頭大丈夫?とか言われるヤツだ、と千寿は思っだろう。


「頭大丈夫?」


「そのまんまかよ!? マジかよ!? 少しは(ひね)


  千寿がいきなり叫んだので、慌てて口を塞いだ。


「ま、まみを?(な、何を?)」

「(今は夜の11時だ、当然寝てる人もいるッ! 近隣の方々の睡眠を妨げるなッ!)」

「ふ、ふいまへん……(す、すいません)……」



 ******************************


  僕は、周りに人がいなくなったタイミングで、彼女に話しかけた。


「さっきの超能力の話……。あれって本当か?」

「え?そりゃあ、もちろん。ってか、嘘をつく必要ある?」

「ならさぁ……」


  彼女に真剣な顔を向ける。

  そして、懇願するかのような声で頼んだ。



「僕の母親の寿命を買ってくれないか?」




  夜風が、彼女の髪をたなびかせた。



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