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龍王は部屋を彷徨き、時に頭を壁に叩きつけている。
その痛々しい姿にメイリンは近付きたいのに近づけないでいた。
メイリンの発情期が来てしまったのだ。
龍王はメイリンが心配で後宮に来たはいいが、その色香に酔いしれそうになる。
メイリンは龍華国に来て半年が過ぎ、顔には幼さが残ってはいるが、体つきは程よく肉づき女性らしくなっていた。
発する色香もまた、龍王を惹きつけてやまない強力なものへと変化、いや、進化していた。
のたうち回る龍王を目の前に、メイリンにある考えが浮かぶ。
それはこの国を離れることが決まった時から考えていたこと。
メイリンは一歩踏み出し、龍王の側へと近寄った。
「メイリン、危ないから…」
そう言いながら顔を覆う龍王の手は龍の姿の時のように爪が伸び、筋張った手へと変貌していた。
メイリンはその忠告を無視して、龍王の胸に飛び込んだ。
「ハクレン様の龍心を私にお与えください。」
龍王が国を捨てるのであれば、私も龍王のために何かを捨てよう。
そんな考えからだった。
だから、メイリンは人としての時間を捨てる。
後戻りができなくなる怖さもあるが、後戻りをしたいと思っている訳でもなく。
メイリンの覚悟だった。
「…嬉しい…嬉しいが、メイリンはいいのか?」
今にも欲情に負けてしまいそうな頭を振り絞って龍王はメイリンに問う。
「ずっとそばに置いてください。私を番にしてください…」
龍王はメイリンが言い切る前に抱きしめていた。
あっという間にメイリンは寝台の上に寝かされる。
「今日は焦らさなくていい。早く取ってくれ。」
龍王はそう言い、メイリンに顔を近づけた。
「はい。」
メイリンは潜るこむように龍王の喉元に顔を寄せると、下の歯を鱗と皮膚の間に滑り込ませてしっかりと加えた。
「…私が動こう。」
痛みに顔を歪ませながら龍王は自ら頭を動かして鱗を剥いだ。




