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見送りに来てくれた龍王が仕事に言ってしまうと、メイリンは本当に後宮に独りぼっちになってしまった。

飲食物や生活必需品は運ばれてくるが、侍女などは一切付けず基本的にはメイリン一人でこの後宮に暮らす。

言わば、家族と暮らしていた時のように小さな家事などはメイリンが行うのだ。

最近は甘えてばかりであり一人で何もかもすることは初めてなので不安もあったが、楽しみでもあった。

自分にお姫様のような生活なんて合わなかったのだと、メイリンはそう思う。

何も無い庭は以前住んでいた丘のようにとはいかないが、自分の手で花いっぱいにすることができる。


「ふふふ…」


メイリンが声を出して笑うと、ひとりの部屋に響く。

そして、漸くメイリンは声を上げて泣いた。

怖くて許せなくて愛せなくて、苦しかった。

嫌われることは慣れているはずなのに、苦しくて仕方なかった。

龍王にも言えず、龍たちの視線を感じながら生活するのは息苦しかった。

やっと解放される。

私もだけれども、きっと私を世話していた他の龍たちも。

学ぶことをを諦めた日、ローヤンとの未来を諦めた日、メイリンにはどこまでても広い草原とそれを覆うよな空があった。

今はもうメイリンの側にはいないけれど、目蓋を閉じたメイリンの脳裏には慣れ親しんだ草原と空が浮かぶ。

だから、もう大丈夫。

後宮の高い壁はメイリンの泣く声を外へと逃さない。

冷たい後宮はメイリンを一人閉じ込めて、楽園になるのだ。

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