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「番様、今まだ動けないと思いますが、明日からサーシャをここにお呼びして以前のように勉学に励んでもらいます。」
カンレイの言葉をメイリンはにこやかにな笑顔をそのままに頷いた。
「…その前にメイリンにはついて来て欲しい所がある。今から行くが、いいか?」
「ええ。」
龍王に抱き締められ、メイリンは持ち上げられる。
一瞬違和感を感じたが、さほど痛みはない。
どこに行くのかと思えば、建物の外に出たため、メイリンはてっきり龍の姿にで何処か遠くに行くものだと思っていた。
だか、龍王はそのまま宙に浮いて、今まで居た宮中の頭上をゆっくりど異動していく。
そして、いくつもの宮を抱えた広い庭に出ると龍王は動きを止めた。
そこが後宮だと、メイリンは庭にある池の形で分かった。
あんなに息苦しく感じた後宮がこれだけ広いものだと初めてメイリンは知る。
この中にはまだ自分に害意を持つ龍たちがごまんと居ると思うと、メイリンは不安そうに龍王の服にしがみついた。
「私たち龍華国の犯した罪の場所だ。我々は知らなければならない。天命を背負う私の業を。」
龍王が手をかざすと、天から一筋の光が落とされた。
メイリンの身体全体を揺らすような物凄い爆音が轟き、大きな建物に穴を開ける。
そこから火が付き建物全体が炎に包まれていく。
龍王は容赦なく次から次へと雷を落としす。
後宮の全てを消し去るように。
崩された部屋から沢山の龍たちが飛び出し、開かれた門の外へと逃げていく。
雷にも負けない悲鳴の荒らしに、メイリンはまた違う恐怖を抱き、龍王にしがみついていた。
「これくらいで龍は死ない。だが、我が番を害した罪、そして天命を軽んじた罪を身を以て知らしめなければならぬ。」
人型でありながら龍の目をした龍王はそう言って後宮を破壊し尽くした。




