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メイリンが龍の細工を施された天井を見上げていた。

草原の小さな家よりも高い天井だが、今メイリンの脳裏に映るのはどこまででも続く草原と雄大な空だった。

そこがメイリンの居場所だった。

龍華国に来て日々忙しくして忘れていたけれど、次から次へと押し寄せる不安が故郷を懐かしく思わせる。

昔の光景を思い浮かべれば鼻の奥をくすぐるみずみずしい青葉の香りさえ今ここにあるかのように思い出すことができた。

その一方で、ジクジクと痛む脇腹がメイリンを蝕んでいく。


どうしても私は龍にはなれない。

人の…私の居場所は…ここではない。


龍王の命により、メイリンは歓迎されている。しかし、その命を除けば誰もメイリンを歓迎していない。それがすごく怖くて城はメイリンの落ち着ける場所ではなくなっていた。


一番苦しい時は大丈夫だったはずなのに今になって…なんで…


ハクレンと一瞬でも離れたから心細いのか、それともこれが本心で今まで見捨てられないように良い子のふりをしていたのか、メイリン自身には分からない。

常にあった悪意を見ないふりしてハクレンに縋り付いていれば落ちくことができた。

ちゃんと好きなはずなのに、利用しているような後ろめたい気持ちも見ないふりして、甘い口づけに溺れる日々。

餌を乞うよう雛鳥のようにしかメイリンは生きていけないのだろうか。


「空が見たい。」


故郷の空は無理でも、ただ同じ空を見て故郷を感じたい。

メイリンはふと呟いていた。

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