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「あら、貧乏人の同士でお似合いね。」
「でも、祭りの雰囲気には合わないから帰ってちょうだい。」
ローヤンも巻き込まれ罵声を浴びせられるが、ニコニコと笑顔を崩さない。
「もちろん、存じております。しかしながら、あちらの方々が美しい女性と話したいとそわそわしておりましたので、僭越ながらお伝えに参りました。」
ローヤンは腰を低くし、横目でチラリと別の少年の集団を見た。
少女たちはローヤンの視線の先にある少年の集団を値踏みすると、悪くはないと言わんばかりの含み笑いをする。
「まあ、あなたに免じて今日のところはここまでにしてあげるけど、その貧乏人はちゃんと引き取ってちょうだい。」
綺麗な女の子がそう言い残して、少女の集団はローヤンが紹介した少年の集団に合流をしに向かった。
「大丈夫かい?災難だったね。」
ローヤンが振り向き、メイリンを心配そうに見ている。その見慣れた顔にメイリンもホッとした。
「うん。大丈夫。ローヤンが居てくれたから助かった。あのまま意地悪されてこの服まで汚されたら、お母さんに申し訳ないもの。私は帰るから、ローヤンはお祭り楽しんできて。」
メイリンは笑顔でローヤンに感謝し、そう言った。
またあの集団と会えば何かが起こるだろう。
メイリンは騒ぎを起こしたくないし、ローヤンを巻き込みたくはない。
「危ないよ、メイリン。一緒に帰ろう。きっと僕のような貧乏人が祭りにいてもお声なんてかからないさ。」
ローヤンは細い目をさらに細めて笑った。メイリンはそんなことはないと思ったが、優しいローヤンが引かないことを知っていたので、お言葉に甘えて一緒に帰ることにした。