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重い衣装を脱ぐのに龍王の手伝いは正直助かった。

しかし、全てを手伝おうとして、メイリンの着ているもの全てを脱がそうとしての一悶着はあった。


「ハクレン様、私に似合うと思う服を選んでくれませんか?」


メイリンはにっこりと笑い、あしらう。

サーシャの教えもあって、メイリンも臨機応変に応えることができるようになってきた。


「うむ。番いを着飾るのも楽しそうだ。」


そう言うと龍王は部屋の中をひっくり返してメイリンに合う衣装を持ってきた。


「ありがとうございます。」


受け取った衣装は、村の祭りでメイリンを囲んだ女の子たちが着ていたものによく似てた形のものだった。

あの時はそれがすごく高級なものに見えていたが、今手に持っているものはそのさらに上の高級品だと分かる。

それを普段着としてメイリンは着るのだ。

身分不相応なのは重々承知だが、いつも複雑な気持ちになる。

ふと、見上げると龍王が早く着て欲しそうに、キラキラした瞳でこちらを見ている。

その顔を見るとメイリンの固くなった気持ちは解れていくのだ。

あの人たちとはもう二度と交わらないところで生きていく。

そう考えると、龍王はメイリンを救ってくれた恩人だ。


「お待たせ致しました。」


似合っていなくても、ハクレン様が望むなら…


選んでもらった衣装に着替えたメイリンが龍王の前に立った。


「やはりメイリンは何着ても似合うな。愛らしい私の番いよ、もっと近くに寄ってくれ。」


龍王の言葉は嘘でもとても嬉しくなる。

メイリンが此処に居てもよいのだと、言ってくれるように聞こえる。


限られた中でも救いを。


メイリンも番いとしてできることをしようと誓った。

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