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「すまないが、これ以上近づかないでくれ。」


龍王に言われ、メイリンは伸ばしていた手をピタリと止めた。

城に入って少しずつ色んなことに慣れてきた時のことだった。

一応話し合い、今まで過度な触れ合いを控えていてくれた龍王だが、今日は朝起きてから寝ぼけているのかメイリンに唇を重ねた。

再び深く唇を重ねようとしたところで龍王は目を覚まし、上記の発言に至る。


「私、何かしましたか?」


メイリンは不思議そうに龍王を見た。


「メイリンは嫌じゃ無かったのか?」

「嫌ではありません。ハクレン様が譲歩してくれたように、私もできる範囲でお返ししたいと思っています。人前は…嫌ですけど、二人っきりなら大丈夫です。」

「…嬉しい…が、それは今は毒になるな。カンレイを呼べ!」


一層苦しそうになる龍王がカンレイを呼ぶ。


「いかが…うっ…。」


扉を開けて入ってきたカンレイが袖を顔に当てて顔をしかめた。


「匂うだろ?」

「…はい。」


龍王の問いかけにカンレイが返事をする。


私の体臭!?


慌ててメイリンは首を肩に寄せて匂いを確かめた。

自分では分からないが、二人が臭いと言うのであれば本当に臭いのだろう。

メイリンはショックを感じた。


「いや、違う!それは…その…」


龍王が言葉を濁す。


「発情期ですね。」


それをカンレイがはっきりと言った。

その言葉を聞いて、メイリンが龍王の方をパッと向いた。


「いえ、違います。龍王様ではなく、番い様です。」


カンレイがズバッとメイリンに言う。


「雄の発情とは雌の分泌物を嗅ぐことによって起こります。なので、メイリン様が発情期なのでしょう。通常は人間は1ヶ月に一度2、3日迎える様です。」


メイリンは聞いている顔を赤くして、途中、布団に身を隠した。


「どうかしましたか?」


そんなメイリンの様子にカンレイが声をかけた。


「…真正面から…発情…って…」


メイリンが振り絞る様に言う。

布団の中でこれまで感じたことのない恥辱に、メイリンは頭に血が上っていくのとともに涙が溢れていくのを感じた。

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