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今日の晩餐は一人で良いと言われ、メイリンはホッとした。

サーシャから色々教えられて、龍王の顔を見るにはもう少し時間が必要な気がしていたので、思わず助けられた形なる。

自分の手からとる食事は龍王から与えられる時よりも美味しく感じた。

龍王と食事を取ると触れる肩や背中、そしてそれを見ている人の視線が気になって、味どころでは無かったので、こちらに来てようやくまともな食事ができている。

しかし、今まで家族みんなで食べていた食事を一人で食べていると、やはり寂しい。


父や母やカイリ、出稼ぎに出ている兄にも食べさせたいな。


自分一人では食べきれないほどの豪華な食事を前に、メイリンはそんなことを思った。

龍王がメイリンに食事を分け与えたい気持ちは、今のメイリンと同じような気持ちなのかもしれない。

しかし、今まだメイリンは草原の中の小さな家の家族と分かち合いたいのだ。


食事を食べたあと、メイリンは湯浴みのために王専用の大浴場へ向かう。

食べること、風呂に入ることはサーシャ曰く、仕事だそうだ。

よく食べて成長を促し、女性らしい身体つきになり、お風呂では美しさに磨きをかける。

昨日は拒否していた侍女の付き添いを許可して、メイリンは浴場へ入っていった。

昨日も思ったが、大浴場に関しても王の部屋に関してもとても巨大に作られている。

サーシャ曰く、いつ何時龍化しても良いようにらしい。

…番いを持った龍は興奮しすぎて、思わず龍化してしまうことがある…と。

メイリンはサーシャの言っていたことを思い出し、口までお湯に浸かる。

サーシャの踏み込んだお后教育はメイリンにとって、とても刺激的で忘れられないものとなった。

侍女から揉みくちゃにされ、頭の先から足の先までツルッツルのテカッテカになったメイリンは、仕上げに昨日龍王からもらった軟膏を塗る。

鏡に映るメイリンは心なしか垢抜けたように見えた。


大きな鏡…


メイリンにとって鏡と言えば母の持つ小さな手鏡だった。

たったの二日ですっかり変わってしまったのだ。

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