18
昼食もまた、メイリンは龍王の膝の上で取ることとなった。
龍王はスープをすくってメイリンに与え、それをメイリンが口が含む度に幸せそうな表情になる。
「これも仕事ですか?」
傍に控えているカンレイに、メイリンが質問する。
メイリンとしては第一に恥ずかしい。
そして美味しい料理の味を堪能できないのでやめてほしいとも思う。
「…支障が無いので、ご自由に。」
自由に、と言われた龍王はメイリンにもう一度スープを飲ませると、そのスープを含んだ口にキスをした。
龍王はメイリンの口の中にあったスープを奪い取り、そのまま口内を蹂躙し満足そうに笑う。
「それはダメです。風紀を乱しすぎです。」
「魔力を…」
「午後から番い様と離れ難くなっても知りませんよ。」
食事を終えると、カンレイの言う通り、龍王はメイリンを離そうとしなかった。
それをカンレイは呆れた顔で見ていた。
「番い様がお困りですよ。」
これまたカンレイの言う通り、メイリンは困った顔で龍王の膝の上にいた。
お后教育は厳しそうだし、怖いけれど、この状態から解放されるのは大歓迎だ。
「知っていましたか?お后教育を行う場から今日視察する剣の修練場が見えるんですよ。ねぇ、番い様。」
カンレイがにっこりとメイリン笑いかけ、顎をクイっと上げで指図する。
「まぁ。龍王様の頑張っているお姿が見れるのね。」
メイリンは棒読みで言う。
メイリンの首筋に顔を埋める龍王がピクッと動いた。
カンレイがもっとやれと言わんばかりにまた顎で合図した。
「私も龍王様のお后として恥ずかしいことの無いように頑張ります。」
「…そうか…メイリンがそこまで言うなら、仕方ない。」
龍王はそう言って、硬く離そうとしなかった手を緩めた。
メイリンは膝から解放され、小さくため息をついた。
その光景を見たカンレイは満足そうに何度かうなずいた。




