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戸惑いながらもお城の侍女に着替えを手伝ってもらい、龍華国の民族衣裳に着替える。
「我が番いは何と可愛いのだろう。」
民族衣裳のメイリンに龍王が綺麗な顔を崩し、デレデレとした表情で褒める。
しかし、メイリンはその言葉は違うと思った。
龍王の欲目があり過ぎているというのも分かるが、この衣装に関してはメイリンの目の部分しか露出していない。
しかも全身黒尽くめである。
「これは既婚者が外に出る時や他の男性と対面する時に着る民族衣裳になります。まぁ、既婚者であれば、ほぼ外出はしませんが。」
不思議そうにしていると、察したカンレイが説明してくれた。
「私、今日どこか出かけるのですか?」
「いえ、特に出かけることはないですが、午前中は殿下の公務に付き合ってもらい、午後からお后教育に励んでもらいます。分かりましたか?」
「はい…。」
カンレイの鋭い瞳がメイリンに向けられる。
メイリンは思わず背筋を伸ばした。
朝食は龍王の宣言通り、龍王の膝の上で食べさせらるという羞恥心満載のことをされ、その上成長が思わしくないと沢山食べさせられた。
その後、そのまま抱えられ、龍王の執務室へと向かう。
そして、龍王はメイリンを膝に抱えたまま仕事を始めた。
「これって普通のことなんですか?」
メイリンが龍王とカンレイの二人に訊ねるが、二人してその質問をスルーした。
龍王は何も聞かなかったように、目の前にある資料を見ながら判を推していく。
「仕事し辛くないですか?」
質問を変えると、カンレイがにっこりと微笑みかけながら答えてくれた。
「貴女はただ、「お仕事頑張っている龍王様、素敵!」と言うのがお仕事です。はい、言ってみてください。」
「お、お仕事頑張っている、龍王様、素敵…」
その笑顔の圧力に負けてメイリンが言ってみる。
「くっ…言わされているのを知っていても嬉しい…」
龍王がそう言うと、目の前の資料はあっという間に片付いてしまった。




