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「今日、メイリンはどうされますか?」
母が龍王にたずねる。
メイリンは家に帰るつもりだったが、龍王の手はグッと私の腰を抱いて離そうとしていない。
メイリンが龍王を見ると、龍王は優しく微笑んだ。
「メイリン、結婚するのならば自分の夫を優先しなさい。」
何かを察したように母がそう言う。
「そのままお勉強などをしていただかないといけませんから、一ヶ月ほど時間をいただくことになると思います。あと、殿下も里帰りに着いて行く可能性が高いので寝床だけご準備いただけますか?」
横から、カンレイがもう決まっているかのようにスラスラと話す。
「わかりました。」
カンレイの指示に母は腰を折って了承した。
「では、私たちはこれで…」
カンレイが話を切り上げようとした時、メイリンが遮るように声を上げた。
「ちょっと待ってください。必ず戻りますから。」
自分の腰に当てられていた龍王の手をメイリンが両手で包み込むと、渋々だが龍王はその手剥がした。
「カイリ!」
ドアの奥でこちらの様子を伺っていた弟をメイリンが抱きしめる。
「めーねぇちゃ。」
「元気でね、カイリ。」
「ん。」
カイリも体を預けるようにメイリンを抱きしめた。
「龍王、気を確かに。」
「わかっている。」
その光景を見てカンレイが龍王に忠告するが、龍王は弟を抱きしめるメイリンを眉間に皺を寄せて見ていた。




