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エピローグ

やっと寒気を越えたと言っても、なんだかんだで少し肌寒い風が吹いている。そんな中、私たちは並んでいつもの場所でいつものように何でもない話をしていた。

結局、結婚はしなかった。もちろん断ってはいない。ただ、一つだけ誤算があったのだ。


彼は、まだ十七歳だった。


「ほんっっっとぉおおおに馬鹿よね! せめて結婚できる歳に言えっての!」

「だから何度も謝ったでしょ!」


その事が悠にとって唯一の汚点。彼もまた余裕がなかったってわけだ。おかげで数少ない弄りポイントになってるから私は面白いのだけど。

散りゆく桜をバックに花びらより赤らめた顔で怒る彼は、敬語も取れてずっと距離が縮まった。お互いを理解して、ようやく恋人がスタートしたのだ。


「でも、もうすぐだね」

「えぇ、卒業したらすぐに結婚?」

「もちろん。美春さんが心変わりしたら嫌だもの。善は急げって言うし」

「……するかバカ」


悠の横腹を小突こうとしたけど、読んでいたのかパシッと止められた。

本当、心が読めるヤツって……。


「美春さん、キスしたい」

「今はダメ」

「ん? でもして欲しそうでしたよ。僕から来て欲しいんですよね?」

「…………」


本当!! 心が読めるヤツって!!


あの日、身体を許してから彼は積極的になった。いや、欲張りと言っていいほど攻めてくる。求められるのも理解されるもの大好きな私としては嬉しいのだけど、なんか悔しい。


「悠……」

「ん?」

「愛してるよ」

「僕も、美春さんを愛してます」


春の陽気に包まれたキスは、幸せな私を受け入れてくれた。

もう使うことのない『穴』は、今は何処にも見当たらない。全部、彼が受け止めてくれるから。

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