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勇者召喚〜それでも私は勇者をしない!〜  作者: ぴるかす
始まりと終わり
4/9

従者の日々も楽じゃない

前の投稿から随分と時間が経ってしまいました…そこら辺の理由は活動報告でお話し致します…


・不適切な表現と感じることがあるかもしれません

・暴言が度々あります

・元ネタがあるネタが入っています

・作者は元ネタをちょっと知ってるだけのにわかです


以上の項目が大丈夫な方のみどうぞ!

あー静かだ。とても静かで好ましい空間だ。前世の部屋もこんな風に静かだったなぁ。


私が今居るのは我が家が誇る書斎。なんでも、騎士には強さだけではなく頭脳の面でも主を支えなければならないらしいのだ。故に、領主が持つそれと同等もしくは、それ以上の文献がこの家には揃っている。子供騙しの英雄譚から大人でも滅多に読まないこの国の法律について書いてある法律書までなんでもござれ。素晴らしいの一言に尽きるね。


さて、何故私がこんな所にいるのか、疑問に思った方も多々いることだろう。早速その疑問に答えて差し上げるとしよう。

私は今、ここで本を読んでいる。6歳になりある程度の知識を身につけ、文字の読み書きを完璧に覚えたこの私。静かな空間を求めてここにやって来て、その流れのまま本を読んでいる。

実際、ゲームがないこんな異世界(クソゲー)では、知識を集めることくらいしかすることがないのだ。そして、私が身体やスキルを鍛えるでもなく本を読んでいるのにはもう一つ厄介な理由が…



「カーティス!カーティス・リエーレ!どこだー!」



ああ、ここも見つかってしまった…

そう、何を隠そう私がこの書斎に篭っていた理由。それは、私が将来仕えるであろうグラディナ家次期当主であり、私の1歳下の…ルフォア・グラディナ。これがまたやかましいことこの上ない。暇があれば私に剣の稽古とかこつけた決闘を申し込んでくる。ステータスはこの世界の5歳にしては上の上。だがしかし!異世界からやって来た上に女神から絞れるだけチートスキルやらなんやらを絞ってきた私に勝てるはずがない。あたまえのジョーシキだ。私にとっては。


ここまで考えたところで、ルフォアが書斎の中に入ってくる音がしたので、仕方なく名乗り出る。



「ルフォア様。カーティスはここにございます。何か御用でもお有りでしょうか?」



左手は身体に添わせてぴっしりと指先まで伸ばす。右手は心臓の位置に当て、これもまた指先まで神経を張り巡らせる。そして、母親譲りの超絶イケメンの顔には爽やか且つ嫌味にならない程度の真面目さのこもった笑顔を浮かべる。

これが、幼い時の仕える主を出迎える際の作法だ。まあ、笑顔の作り方までは学んでいないが、こんなものだろう。



「なんだカーティス!またこんな所に居たのか!軟弱なやつだな!僕に付いてこい!稽古をつけてやろう!」

「申し訳ございません、ルフォア様。畏まりました。ルフォア様の仰せのままに。」



これもいつものやり取り。私はお前が嫌だからここに居るんだよ!いい加減気付けよ!どこのラノベの鈍感主人公だ!ああん!?

…はぁ。こんなことをおくびにでも顔や態度に出せば、親やグラディナ家現当主からなんて言われるか分かったもんじゃない。ここは、子供の言う戯言として聞き流すのが最善。

そう分かっていても、たまるもんはたまるわけで…イライラとか特にね。どこで発散していいものやらサッパリ。なんだよ、チート級の能力で異世界とかヌルゲーとか思ってたのに、こんな所に罠があったなんて…女神絞める。次会ったら覚えとけよアイツ!



〜〜〜



「へぶしっ!?」



背筋に何か寒いものが走った。今までに感じたことのない悪寒。これは…勇者として送った人になにかあったのかな…?いやでも…あそこまで能力を与えておいて向こうの世界にあの人に害を与えられる人なんて…

え?じゃあもしかしてあの人自身から贈られてきた敵意とか?何それ怖い。もうあの人なんて思い出したくもないよぉ…

とりあえず今日は毛布にくるまってあったかくして寝ようそうしよう。



〜〜〜



「…はっはっはっ…はぁ…ど、どうだ!今日も僕の勝ちだな!本なんてくだらないものばっかり読んでるからそんななんだよ!」

「…そうですね。流石はルフォア様でございます。私など足元にも及びません。今後、一層精進して参ります。」



書斎からルフォアに付いてきて約10分後、稽古という名の決闘開始。

勿論私の能力ならこんな糞ガキ模擬刀なんて使わなくても指1本で倒せる。けど、それをしてしまうとどう考えてもこのルフォアとかいう生意気な糞ガキはしょぼくれて数日間何もしなくなるか大泣きして自分の親と私の親にまで言い付けるだろう。そんな面倒事まっぴらごめんだ。何が悲しくてガキ相手に本気になって今までに積み上げてきた親からの信頼を崩さねばならんのだ。ふざけろ。


と、いうわけで。稽古開始から約20分後決着。

私の体力がなくなって小石に躓いてバランスを崩した(と見せかけた)所をルフォアが胴に一突きでルフォアの勝利。

簡単に負けすぎればこれも親からの信頼を失くすし、さっき説明した通り、私が勝つのも問題。つまりは、善戦したけれども、主には1歩劣るというくらいが丁度いいということだ。

はぁ、従者ってのも辛いもんだな…

そういえば最初に出てきてから全然女神様の出番ないなぁと思ったので、無理やりねじ込みました。なんか女神様も主人公と性格似てますね。まあ、合わないなぁと思ったら変更するかもしれません。

尚、次話はシリアスです。ご注意を。

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