トランペット
トランペット、小学生から大人まで知らない人はいない。それゆえに、良い意味でも悪い意味でも目立ってしまう楽器。
さあ、金管のトップバッターは言わずと知れたこの方々です。金管を心待ちにして下さっていた方、お待たせしました!
私の中で常に飲んでいるイメージのラッパ(特に男子)。陽気でやんちゃでブイブイ!!
あ? マッピ忘れた? だーいじょーぶだーいじょーぶ、これ使えばいいから、品番一緒だろ? ナンクルナイサー!!!
そんなラッパですが、ちょっと紐解いていくとどうやら内情は違うみたい。
私には見せない姿が見えてきました。
トランペット、吹奏楽でもオーケストラでも場所は似たり寄ったりの所にいます。
後ろに横に一列。中央から順番に、1st、2nd、3rd。
どちらにしても金管の花形。
演奏の良し悪しの評価に金管が槍玉に上がったとき、必ずラッパが良かったラッパが悪かったと言われてしまうぐらい、重要なパート。それぐらい、良い意味でも悪い意味でも目立ってしまう。そんな楽器です。
前出のクラの回で、ぽへっとやってしまう事がある、と言ったのを覚えていますか?
そしてそれは、練習をしていないからではない、と。
これを説明する為に、まずは金管楽器の音の出し方を説明しますね。
木管は唇を振るわせず音を出すリード、又はエアリードの楽器に対して、金管は唇が振動して音が出るリップリードの楽器。
唇が振動するってどういう事?
ふふふ、皆さんでも今直ぐに出来ますよ〜
お仕事されてる方は変な人扱いされるので、お家に帰ってからトライしてみて下さいね。
では肩の力を抜いて〜
ラジオ体○第二、よーい……って、違うわ!
でも肩の力は抜いて下さいね。
口をつむります。自然にですよ。力入れない。深呼吸するように鼻から息を吸って、唇を閉じたまま息をはいてみて下さい。
…あの、鼻から息すって鼻から吐いたらそれは深呼吸。。。
鼻から息をすって、口から息を出す。口を閉じたままですよ?
ぶるって来ました?
そう、少しでも唇が震えたら、それが唇を震わす事になります。
もう少し長くぶるぶるぶると出来たらウォーミングアップ完了。金管のマウスピースを当てたらその場で音が出せます。
このリップリードを駆使して金管楽器は音を出すのですが、木管楽器と違ってキーが沢山ある訳ではないので、息のスピードと唇の圧を微妙に調整して出したい音を当てるのです。
トランペットを含め金管楽器は、同じ指のままで、いくつもの音を吹き分けているのです。凄いですよね。
弦楽器のポジショニングと一緒で、どのスピードと圧で音を当てて出すのかは身体で覚えるしかなく、一生懸命反復して覚えるのですが、その当たるポイントを外すと、息の音が出て、ぽへっ、と何とも情けない音が出てしまう。
もしくは気合が入り過ぎて息の圧力が強まり過ぎると、ピヒッ、と甲高い音が出てしまったり。
本番や本番に向かう練習等、トランペット達は緊張しています。
俺らってブイブイだよな、ブイブイなんだけどさ……万が一、ぽへってやったらどうしよう……絶対俺らだって分かっちまう……
メインメロディ、金管の花形、皆を伴奏に従えて吹くのに……!
ぽへピヒ、怖ぇよ〜〜〜〜!!!
そんな事を思っているとですね、まあ、当たり前なんですが必要以上に緊張してしまうのです。
いつもと同じスピードと圧を加えたつもりが……
ぽへっ
やっちゃった……
ああ! 睨まないで睨まないで!! そんなに睨んだらっ!!!
ピヒッ
すまーーん! 練習してない訳ではないんだよ〜〜〜〜(泣)
と本番中泣きそうになってしまうので、どうかお手柔らかに見守って頂けないでしょうか。。。
ちなみにこの楽器も吹奏楽とオーケストラでやっぱり性格が違います。
クラまで顕著ではないものの、吹奏楽は華やかで派手、突き抜ける音。オーケストラは柔らかく温かい、丸みのある音色を求められる事が多いです。交響曲の終楽章ですと吹奏楽並みに突き抜けさせられて、ゼハゼハしてますけどね。
あ! あともう一つ!
吹奏楽でもオーケストラでもチューニングが終わった後、指揮者が出て来るまでに少しだけ間があって、色んな楽器の音がしますよね。
その時に、パラリラ とか、パパパパ とか、ラッパの甲高いパッセージが聞こえてきたら、必見です。
その奏者はそのパッセージを重要視していて、ちょっとだけ心配!している。
本番上手く行けるかどうかは……本人の気持ち次第です。舞台に乗っている私達も、ちょっとだけハラハラして見守っています。
頑張れ、ラッパ。
そして本番後、今日も今日とて飲み屋に繰り出します。
上手くいった日は、
やっぱ、俺たちって天才っしょ! ブイブイだもんよ! これが俺たちの実力よ!!
やっちまった日は、
やっちまったな……
だーーーー! リハーサル完璧だったのに〜〜〜 ちくしょーー!! リベンジ!!!
どちらにしても元気です(笑)
そんな楽器に選ばれた人は。
女子と男子で大きく違う。共通しているのは、明るい事。
なぜか女子はラッパ特有の明るさはもちろんあるのですが、真面目な人多いです。
音も外さない様に、みっちり練習。
本番も余り外さない。
そして、強い。
男子……どうしようもない人が多い。
………
いや、ほんと、この一言に尽きます。
アデュー