ファゴット(バスーン)
途中思いのたけを叫んでおります。
熱い。
皆さん、ファゴットという楽器をご存じでしょうか。
(すまん、ファゴット吹き。君達がなんと言おうとマイナーに変わりはないんだ!)
オーボエと一緒のダブルリードで吹き、木を何ヶ所もジョイントして出来る、大きな楽器です。大きくてハンドメイドなので、高額です。末端価格はオーボエ以上! 3桁です! くらくらきます。
詳しいお値段は恐ろしくてここでは出せません!! ちなみに中高の個人もちは音大受験者以外いません。そりゃそうだ!
(リードですが、オーボエよりはヘタリにくいそうです! 小さく合掌)
オーケストラの時には、オーボエの後ろに陣取ってます。クラリネットの隣。
吹奏楽の時には……あれ? 居た?(焦)
ガサゴソガサゴソ
すみません、私のはるか昔の時には居なくてですね。
でも大編成のブラスバンドにはいらっしゃいます。
あんなに大きな楽器なのに、私にまでこんな反応をされてしまう吹奏楽では不遇の楽器。
運良くファゴットがあるバンドに当たっても、音域がバスクラやテナーサックスとかぶり、しかも彼らの方が音が大きいものだから、僕たち私たち、必要なの…?と思ってしまう。
中高生で傷ついているファゴット吹きにお伝えします。
まず、一つ言いたいのは、色んな人が色んな事いうかもしれませんが、楽譜がある、ということは、必要なのです。これは絶対です。作曲者の意思です。
他の楽器がやいやい言ってきても気にしないで下さい。必要ではないという人は、音楽の全体を見れていない人です。
そこに楽譜があるなら、そこにファゴットの音色が必要だから書いてあるのです。
必要ですからね!!
ここを耐え、大学やお外のオーケストラにいってごらんなさい。あなた達はすんごい必要な楽器なんです!!!
だから声を大にして言いたい。
中高の吹奏楽で諦めてやめてしまわないでーーーー!!!(ゼイゼイ)
こんなに不遇のファゴットですが、大学や大人になりオーケストラの門を叩くと待遇は一変します。
え? オーボエみたいな花形の後ろでいいの?
姉御の隣…? 怖いんだけど……
え? 今日は姉御じゃない? フェロモンでいく? そ、そう。じゃ…合わせるね。
オーケストラでのファゴットは、オーボエ、フルート、クラリネットを支える役目も担いながら、ホルンと絡んでみたり、もちろんソロもあったり、なによりファゴットの音をお客様に聞いて貰える……。
誰かとかぶるのではなく、独立して動くので、ちゃんとファゴットの音が聞こえるのです。
ファゴットの音色をしらない方は、オーケストラのコンサートに行った時、
二段目、オーボエの後ろの茶色い煙突のような楽器に注目してください。
楽しげに二本だけで吹く時があります。
ボッカボッカボボボ
と低音も轟かせますし、
中低音で美しいメロディを聞かせてもくれます。
また、木管五重奏(通称・木五)というアンサンブルの形態があります。
編成は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンです。(音高い順)
上記の楽器でオーケストラ所属、最近なんだか皆と合わない、と思ったら、即この木管五重奏を編成して練習してみて下さい。
何故ならば、オーケストラの曲の中でも綿密に絡み合う5人だからです。
木管五重奏で合わせると、それぞれの音をよく聞きながら演奏していきます。
それがオーケストラの中に入った時、メンバーの音がちゃんと聞こえてくるのです。
今までバラバラで自分の所だけ演奏していたのが、スクラムを組むように合わせようと意識が出てくると、良い演奏に繋がっていきます。
また、木管五重奏の曲は各楽器それぞれ技巧に凝った曲が多いので、技術も磨かれていきます。
木管五重奏でぜひファゴットの超絶技巧を聞いてみて下さい。
あんなに不遇な時代を過ごしたファゴット吹きが、ブイブイ聞かせてくれますよ!
さて、そんな楽器に選ばれた人は。
不遇の時代を耐え抜き、恐る恐るオーケストラの門を叩き、皆に認められて花開く、忍耐強い人です。
大学時代はひたすらバイトをし、やっと貯めたお金で念願のマイ楽器購入。
楽器店から引き取ってきた楽器を六畳一間のアパートに持って帰り、開けてじっと眺める。その日はにまにまと眺めるだけで満足し、次の日意気揚々と練習場に行く。
そんな素敵な人です。
また、メロディックな曲が弾きたいと思ったら、ファゴット用に編曲して吹いてしまう、編曲者の一面も持っています。
作曲者が作ってくれるのを待っていません。今時の音楽ソフトを操って、ちゃちゃっと編曲。
あ、ついでに木五の譜面も編曲しといたから。こんどのコンサートで使って。
さらりと言ってよこします。
…エンジニアかもしれません。
そして管楽器の中で一番、常識的な感覚を持っている人です。
アデュー