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サックス

気合入って笛より長文。何故かというと…後書き参照。

前半真面目、後半寸劇アリマス。

 サックス、皆さんもテレビやCMで一回は見た事がある超メジャー楽器。


 何故そんなにメジャーなのか? 影には並々ならぬ努力があった、と私は思います。


 今日は音楽史も絡んできますよ〜、皆さん覚悟は良いですか?


 では語っていきましょう。


 サックスは楽器史上一番若い楽器であり、音楽史に左右された楽器です。


 前出のフルート、オーボエがルネッサンスの時代から活躍していたのに対し、サックスは1840年代に作られています。活躍し始めたのはその後、となりますと、実に200年ぐらいの差があるんですね。


 この誕生の差が何をもたらすのか、と言いますと、楽譜の差、になります。


 現在オーケストラで演奏されている曲がモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、若くてマーラーとかがメインだと思うのですが、上記3名(マーラー除く)が曲を書いた時代、サックスはまだ生まれていないのです。


 生まれてなければ書けません。

 当然楽譜も無い。演奏に呼ばれない。

 俺たち不味いんじゃね?

 と思った昔のサックス奏者はいろんな事に挑戦していったのでは。


 カッコよく見られないといけないんじゃね?

 ジャズってのカッコいい、売り込もうぜ。

 テレビって皆に見てもらえるみたいだ、使って貰えるか聞こう、何、大丈夫だ、俺らの音色聞かせりゃ一発OKメロメロだぜ。

(妄想です)


 現在サックスは吹奏楽ではクラリネットに次ぐほぼメインのメロディを吹き、ジャズでは(管楽器としては)メインで担う楽器にまで成長しました。

 オーケストラでは数は少ないのですが、ソロ楽器としてゲスト出演しています。


 ラヴェル作曲の「ボレロ」

 ムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」等。


 その時のサックスの使われ方といったら。

 メインソロです。ドソロです。オーケストラのメンバーも舞台の上で聞き惚れています。

 メロメロです。


 また、一般の方はご存知ないかもしれないのですが、この楽器の凄さはアンサンブルで発揮されます。


 歴史が若い楽器、というのは利点もあって、他楽器が苦労してきた歴史を踏まえて作られていますので、

 吹きやすい。音量の調節がしやすい。指使い(操作)がしやすい。作りやすい。

 というのを念頭に作られたのでは、と思います。

 楽器を作る機械や技術も確立した時代に作られたので、メインのアルトサックスを筆頭に、ソプラノ、テナー、バリトン、と次々に作られていきました。


 それらを同族楽器どうぞくがっきというのですが、サックスの同族楽器は他の楽器と比べて出来が良いのです。

 安定した音色が出せる楽器のアンサンブルは、やはり完成度が高く、聞いていて映えます。


 はるか昔、吹奏楽部内のアンサンブル大会で私達(フルート4重奏)はシャーシャーいってなんとかまとめた演奏の後に、サックスアンサンブルを聞いて打ちのめされたという記憶が。。。

 音色に艶があるんですよね、あと音量の調整が巧みでダイナミックに聞こえる。羨ましい。



 では、吹きやすいから楽してる楽器か? と言われるとそうでも有りません。

 確かに音は直ぐにでて鳴りやすい楽器でしょう。でも新しい楽器には新しい楽器の苦労があります。

 モーツァルトやブラームスに対抗して新進気鋭の現代作曲家は新しい奏法に挑んでいきます。サックスもその波に揉まれます。


 ある時クラシックの作曲家からは、

 君たち、新しい楽器だからこんな奏法も出来るよね?


 楽譜が少ないサックス奏者達は自分達が活躍できる楽譜を渇望しています。


 ああ、出来るよ、問題ない。(…)


 じゃ、テンポめっちゃ早くしてこのメロディ(超絶技巧)吹いて欲しいんだけどいい?


 あ、当たり前だろ、俺たちゃ新しい楽器だぜ、出来ない訳がない。(冷や汗)


 またある時ジャズの作曲家からは、

 なー、ここでフルート入れたいんだけどさ、笛吹き呼んでくる金ねぇからお前持ち替えで吹いてくんね? この間クラ持ち替えてただろ?


(ばっ、かやろぉ… 同じリード楽器だからってやらされて、運指うんし違ってめっちゃ苦労したんだぞ! その上フルート?! 吹き方全っ然ちがうだろ!!)


 運指近いって聞いたから、出来る出来る。


(…)黙ってフルート吹いてみる。


 あ、イーネ! そのザラザラした感じ。採用!


(マジかよ……)



 きっとこんな感じ。苦労人なんです。



 そんな楽器に選ばれた人は、と続けたいのですが、この楽器、使われ方幅広いので代表してそれぞれの方に出演して頂きました。



 ソプラノ、アルトサックスに選ばれた人は。


 俺たちを見ろよ、すげーだろ? カッケーだろ? メロメロだろ? と目の前にいる全ての女子を魅了していきます。

 女性奏者は、この音色、良いんだよね。聞く? いいよ、吹いてあげる。

 と目の前にいる女子も男子も魅了。



 テナー、バリトンサックスに選ばれた人は。

(*4人いらしゃいます)


 テナーの音色もいいだろ。こいよ、お前だけに聞かせてやるよ。

 バリトン好き? いいね! 低音だけどバリバリだぜ!

(ちょっと! テナーはそんなフェロモン野郎ばっかりじゃないわよ!

 そうだよ、バリトンだって皆を支えてるんだ、結構真面目だよ!)

 …コアなファンを魅了していきます。



 ジャズサックスに選ばれた人は。


(…)

 黙っていても音色だけで全ての人間を魅了。



 そして、全てのサックス吹きに言えることなのですが、この人達は素でカッコいい。

 老若男女問わずです。

 音色、立ち姿、振る舞い、自分達がカッコよく見える事を、きちんと承知している人達です。

 でも、本当の本当はお茶目さんで、寂しがり屋さんなんじゃないかな。そうお見受けしました。


 余談ですが、何でカッコいいのだろう。と、はるか昔、練習中に盗み見た事がありました。楽器の形もさる事ながら、楽器を支える為に首から下げている、黒いストラップ姿が何だかカッコいいのです。

 吹奏楽でそんな付属品を着けているのはサックスだけだからですかね。

 でも素でカッコいい人多いので、この楽器が選んでいるのでしょう。

 偽キラキラで武装しているフルート吹きにとっては、眩しかったです。



 アデュー



この楽器、高音、低音でだいぶ性格に違いが有ります。

ちなみに、ソプラノ・アルト・バリトン(男子)には私の友人達がモデル。

その他の方は音色からのイメージです。


それから…お茶目云々は私に吹奏楽の楽しさを教えて下さった師匠がモデルでして。。。最後謙っているのはそのせいです。気合も入ってしまいました。



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