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オーボエ

なみだなみだの物語

 オーボエってどんな楽器?


 黒くて、キーが沢山あって、吹奏楽でもオーケストラでも中心で吹いている、素敵な楽器だよ。


 でもね、皆さん。

 恐ろしい格言を私は思い付いてしまいました。


 曰く、


 オーボエとは、初期投資のいる楽器であり、その後も継続的にお金がいる金食い虫である。



 それでは詳しくお話していきましょう。


 あまりオーケストラからスタートする人は少ないと思うので、最初に触れるとしたらやはり吹奏楽からだと思います。


 お子さんが吹奏楽でオーボエにかち合い、奇しくも購入するまでに至った親御さんはこう思うでしょう。


 高っ!!


 前出したフルートが、安ければ10万以下、ちょっと良いものを、と思っても20万前後で買えるのに対して、オーボエは末端価格が45万前後。


 高っっ!!!


 何故こんなに高いのか。ほぼ職人によるハンドメイド(手作り)だからです。工場で大量生産が出来ない繊細な木管楽器。

 しかも、割れやすい。。。

 なるべく外で吹かないで下さい。

 寒暖差のある所から帰って来てペキ……

 目も当てられません。


 また、オーボエはダブルリードという葦のリード(マウスピースに値します)を使って演奏するのですが、このリードが一本3000円前後!!!

 一本です。しかも消耗品です。

 しかも、せっかく買っても自分と合わないと使えない!!!(音が鳴らない涙)

 次の日また3000円を握りしめて楽器屋に行く中学生……次こそは、次こそは!!


 何という金食い虫なのか。涙しか出ない。



 音大生やプロになると余りにもお金が掛かるのと自分の思う通りの音色を出す為に、リードを作成していきます。

 お部屋の何処かには葦が大量に入った袋があり、一袋(何本入っているのでしょうか…推定100前後)の中で使えるリードができるのは5本も出来れば僥倖。毎日毎日ひたすらリードを削る日々……オーボエを演奏する限りループの様に続いて行きます。合掌。




 オーボエで特出している特徴は、音程(一つの音の高さ…くどい?)がブレない事です。

 なので、吹奏楽、オーケストラ、室内楽で演奏する際に、基準のチューニングを鳴らします。


 オーボエに基準の音を鳴らしてもらって、その音の高さに全ての楽器が合わせていきます。くどいようですが、基準です。

 ねえ、君たち。僕の音に合わせてくれない?

 鼻高々であり、プレッシャーでもあります。


 吹奏楽ではオーボエからの音を1人のクラリネットが引き受け、木管楽器に繋いで音を合わせ、木管が合わさったら、金管に繋げて全楽器の基準が合わさる様にします。


 オーケストラでは、オーボエから1人のヴァイオリンに引き継がれ、木管、金管と繋ぎます。


 吹奏楽では基準の音を吹き、たまにあるソロを吹き、後は大音量にかき消されて聞こえない、

 ちょっと、僕ってチューニングだけに呼ばれたんじゃないよね?

 という時もあるのですが、オーケストラでは華々しく管楽器の中でもまさに中心的な存在でもあります。


 管楽器、特に、フルート、クラリネット、ファゴットのまとめ役でもあり、引っ張っていくリーダー。

 オーケストラの曲の中でソロ(しかも素敵なメロディで長い)を任される事が多く、曲が終わった後、ご褒美にスタンダップする回数も、一番多いんじゃないかな。


 あ、それから……

 オーボエはフルートと逆で、息が余ってしまい、余った息を吐き出しつつ新しい息を吸って吹く楽器なんですね。

 ですから、楽器を吹く時に、顔を真っ赤にして、青筋もぴきっと出てしまうぐらい我慢する楽器なんです。

 それが原因か分かりませんが、男性奏者はその、頭皮の方がですね……えっと、言いたい事分かります?

 オーボエ男性奏者の名誉の為に明言は避けたいと思いますが、何故か多いです。



 さて最後に、この楽器に選ばれる人は。


 オーケストラ、吹奏楽、室内楽で常に中心的存在であるので、ちょっとプライドの高い鼻高々さん。

 でも、毎日毎日リードを削る時間を惜しまない、いぶし銀気質の職人堅気な人。

 そして、メインソロを任されても動じない心の強い人でもあります。

 悩みがあるとしたら、満足のいくリードがなかなか作れない事ともう一つは……察してあげて下さい。(涙)



 アデュー



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