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三 彼女

なんなんだ、この女の子・・・・・・・・。

その女の子はただ俺をずっと見つめていた。

まあ、この女の子は俺の好みの美少女といったらそうなんだが・・・・。

その女の子はついに口を開いた。

「あなたが扇 勇?」

なんと冷たい口調だろう。

この口調は冬の粉雪みたいだった。

「そうだけど」

俺が言うと、女の子はそれを待ち構えていたようにいきなり立ち上がり、腰に刺さってた剣をこちらに向けてきた。

「ヒ~~!!」

俺はおもわず悲鳴を口から漏らしてしまった。

「扇 勇!お前を逮捕する!!」

「え?」

俺は全く意味が分からず、ただ固まるのであった。

「あなたが私の胸を触ったから殺したかったけど、私はそれより優先順位があるの。それがあなたの逮捕。」

コイツ、何を言っているんだ。意味分からねぇ。

でも俺が饅頭だと思ってたのってこの子のおっぱ・・・・。

「とにかくあなたには今すぐ来てもらう。来ないと死だよ。」

何だよ、この冷たくて、ぞっとするセリフは。

俺の背に冷や汗が流れる。この女、本気見たいだぞ。

「もう一度言う。来ないと死だよ。」

何回も言うな。このトラウマになるようなセリフを!

さらにこの女の子はいつのまにかチェーンソーに切られて死んだのを映してるテレビ画面を剣で刺したのだった。

「ガチャーン!!!」

俺の部屋がどんどん壊れていく。

「どうする?来ないと死だよ。」

もう、そのセリフやめろっ!!

「はい、行きます!なのでこの部屋を壊さないでください。」

俺は女の子の脚にしがみついた。無意識に。

「分かった」

しかし、女の子は笑った表情を見せなかった。

「じゃあ、こっちに来て、停めてあるから」

何をだ。

女の子が刺した指の方向には玄関の扉だった。

女の子は俺の腕を掴み、俺の部屋を出た。

しかし、出たすぐ先にチエさんがいた・・・・・・・。

チエさんはこっちに気づいたらしく、いつもの笑顔で話しかけてきた。

「勇君、その子は彼女かい?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺の頭が空白になった。

なんと返事したらいいんだ?

「はい、彼女です。」

予想外だった。

まさか、この女の子から言ってくるとは・・・・・・

「さあ、ダーリン行きましょ。」   

と言って、女の子は俺の腕をぐいぐい引っ張ってアパートの裏まで連れてった。

あの時のチエさんの微笑みがちょっと・・・・・・。

 

アパートの裏


なんとそこには、変な穴(?)があった。普通の穴と違い空中に浮いてる。

しかも、穴から時折、電気みたいななのが、流れている。SF映画にそっくり出てきそうなものだ。

「さあ、入って」

女の子は凍てつくような声で耳元で囁いてくる。マジ怖い。

俺はこの死の落とし穴に入らないように少しでも時間稼ぎになるようなネタを探す。

「ねえ、君の名前は?」

俺は全身汗まみれで言った。

「私の名はアイレ・セイレーセン」

本当に儚いような声で言った。

「今度からアイレちゃんって呼んでいい?」

適当に思いついたことを言った。

「アイレでいい。しかも、もう私を呼ぶ回数は限られている」

なんと冷たいんだ。

「じゃあ、アイレ、君って胸が大き・・・・・」

「早く入らないと、ここで死だよ。」

俺は死しか繋がってなさそうなこの落とし穴に入らないと、ここで死んでしまうっ!!

どうするの、俺!?


















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