十三 尻尾
俺は目覚めた。
ベッドの上で枕をして寝ていたようだ。
「う~ん」
俺は体を起こそうとする。しかし、体が動かないのだ。
何回か試みてみたがやっぱり無理だ。
「ご主人様、お目覚めですか?」
エリスが顔を覗きこむ。
何でエリスの顔が上下反対に?
俺はすぐ理由が分かった。
それはただの枕ではなく、エリスの膝枕だったからだ。
なんとなく首がつらかったがこういう事だったのか。
「エリス、今何時だ?」
俺はエリスに時刻を確認させる。
「え~とですね。今は~四時三十分ですね。」
俺はびっくりした。
「四時三十分って明け方のか?」
「はい」
何~~?俺は何時間寝ていたんだ!?
「というか学校出発まであと三時間半じゃん!!」
俺は驚きを隠せないでいた。
「ということは八時に出るんですか?」
「そういう事だ。俺はシャワーを浴びに・・・・・・。
「ご主人様?」
「絶対ついてくんなよ!」
<主人公が一瞬だけアイレになった場合>
私は今日こそ彼をつれ戻す!!と言っても今はまだ夢の中だが。
「むにゃむにゃ・・・・・・・・今日こそ、お前を・・・・・・つ・・・・・・れも・・・・・・ど・・・・・・・す」
<主人公の立場に戻った場合>
今は午前六時。朝食の時間なり。
「さあ、ご主人様、食べましょう♪」
もう彼女はメイド服に着替えていた。
前にあるのは、コーンスープ、ご飯、ハンバーグ、サラダ、ヨーグルトである。
量が多いのか少ないのか分かんないぐらいの献立である。
俺は勢いよく食べだした。しかし、エリスはさっきからコーンスープを息で冷ましているだけだ。
「どうしたんだ?食欲無いのか?」
エリスは黙って首を振る。
「決して笑わないでください。実は・・・・・私、ネコ舌なんです・・・・。」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
コイツが!?
「だってネコ耳あり、尻尾なし、語尾に「にゃん」なしなのにネコ舌だって!!!」
すると、顔を真っ赤にして答えた。
「昨日、見えたと思ったんですが、私には尻尾が付いてるんですよ・・・・・・。」
「えぇぇぇぇぇぇっ!!!」
さらにびっくり!!
「今見ますか?」
エリスはメイド服を脱ごうとしている。
「お願いだからやめて!!」
俺は思いっきり叫んだ。しかし、もう遅かった。
俺は見てしまったのだ。
彼女のパン・・・・・・・から飛び出して見える茶色の可愛い尻尾を。
尻尾は振り子のようにあっちに行ったり、こっちに来たりと動いていた。
エリスは頬を夕日に負けんばかりと真っ赤に染めていた。
「あのぅ・・・。」
エリスが不意に俺に問う。
「何だ・・・・・。」
体の全身に汗が流れる
「もう・・・・・着替えていいですか・・・・・」
そう来るかっ!!!
「えっと・・・。」
いきなりの発言に言葉を失う俺。
「別にもっと見たいんだったら着替えませんけど・・・・・・。」