十一 愛(五)
「ガチャッ」
「やあ!!」
いきなり喋ってきたのは俺と同じ属性の人間、藍村 架である。
「どうしたんだ。俺の所に変な居候が来て、今んとこはR-18ゲーは作り終えていないんんだ。」
そう言って俺はエリスの方に指を指す。
「こんにちは。勇様に使えているエリスと言います。宜しくお願いします。」
俺以外の人間相手にも会話ができるようだ。
「ああ、よろしく。」
すると、架が目を光らせた。
「たぶん居候って最近だろ!それなのにあんな格好させちゃって!ハードル高いぞ!どんなチート使ったんだ!!」
勝手に暴走してる友人。俺はこいつを無視するしか選択肢がなかった。
「そういえば、隣のやつ誰だ?」
俺は見た事もない少女を連れてきた架に聞いた。
「この子ねぇ、今日拾ったんだ」
すると、少女は拳をひいて・・・・・・振り下ろしたっ!!
架の頭に直撃した。
「私の名はシャル・マーズラーだ。変な想像させる事を言うな!!」
というか今のはさすがに少女が悪い。
彼女は長髪の赤い髪を風に揺らせていた。
「とにかく、よろしく。架、さっさと帰るぞ。」
架は、エリスに対し、
「そういえば君。この格好だと勇君に「ご主人様」と言ったほうが喜ばれるよ」
架はエリスにとんでもない事を教えやがった。
「そうなんですか?ご主人様?」
・・・・・。
「さぁ?」
「どうなんですか?」
「まあ、愛は家で育んでくれたまえ。じゃあね。」
こいつ、言葉選べよ。
架はシャルと共に帰っていった。ていうかコイツ俺の部屋の一階上だぞ。
架は帰る途中、またシャルに殴られていた。喧嘩するほど仲がいいってこの事か。
俺はドアの扉を閉めた。
「ご主人様?これってどういう服なんですか?」
知らないのか・・・・・。
「これはええと・・・・だな、自分が仕えてる者に忠誠を尽くし働く時に着る服だ。」
エリスは目を輝かせ、
「それって私にピッタリじゃないですか!!」
「・・・・・・」
「じゃあ、明日コレを着てっていいですか?」
エリスは自分のメイド服を指差して言った。
「いいんじゃない。」
俺はまた儚い声で言った。
ここで無理とか言ったら、何かまた要求されそうだ。
「じゃあ、ご主人様、何か頼みありますか?」
やっぱりこういうパターンか。
「じゃあ、飲み物持ってきて。」
とっさに言った言葉だが、そういえば喉が渇いていた。
「何がいいですか?」
笑顔で問う。
「コーラで」
「コーラですね。かしこまりました!!」
エリスは笑顔で言い終わると冷蔵庫の所まで猛ダッシュし、コーラを取り出すとこちらに猛ダッシュしてきた。
「ハァ、ハァ、はぁいコーラです。」
「さんきゅ。」
俺は勢いよく1、5ℓのコーラを飲む。
俺は少し残し、エリスに差し出す。
「お前も飲めよ」
エリスは急に赤かった顔をさらに赤くする。
「えっ、それってご主人様のじゃ・・・・。」
「俺はさっきなんと言った?」
すると、エリスは受け取り、
「いただきます・・・・。」
エリスは勢いよく飲んだ。ていうかヤケ飲みだ。
エリスは飲んだ後、俺から無理やり視線を逸らそうとしている。
そこがまたおもしろい。エリスはからかいがいがあるな。
午後七時
俺たちは夕食を食べ終わり、楽にしていた筈だが、エリスのこの一言で空気が変わった。
「一緒にお風呂入りません?」