もりのくまさん
6/10本目
「さぁみんなで輪唱しましょうねー、さーんはいっ!」
あるーひ♪
アルーミ♪
もりのなかー♪
ホイルをー♪
くまさんにー♪
くちのなかー♪
であーったー♪
ねじこーんーだー♪
スタコラサッサッサの………
「……歌わんの?」
「いやかわいそうやろくまさん!」
「何が」
「なんでアルミホイルねじこんどんねん口の中!」
「はぁ……お前もそっち側の人間か」
「そっちってどっちだよ!」
「ええか、森の中で熊に遭遇してんねんで?」
「ああそうや?」
「ねじ込むやろアルミホイル」
「ないないない」
「したらお前黙って食われるんか」
「食わんわくまさんは。童謡やぞ」
「現実の話をしとるんやこっちは」
「それはよそでやれよ」
「いーや、よそじゃなくてここでやらんと。去年の負傷者200人超えてんねんで。死人も出とるし目撃だけで27,000件以上!」
「お、おう…」
「お前も童謡やらキャラクターやらの可愛らしいのばっかで、危険な熊のイメージ像なんて知らんのやろ」
「いや、危険なクマのキャラクターはおる」
「……おるん?」
「おる」
「…熊被害啓発キャラクター?」
「ではない。ピンクやし」
「…なんとかコラボ頼めん?」
「ムリやろ」
「ムリかー……いや、そいつ以外はなんや黄色いのとか丸っこいのとか垂れてるのとか……」
「垂れてるのは違う。それパンダや」
「あー。あれパンダか」
「やろ?」
「せやなごめん」
「ええよ。じゃなくて!」
「ん?」
「それでなんでアルミホイルねじ込む話になるねんな」
「生き残るためやろ!アホか!」
「アホってなんやねん、そんなんしてへんで逃げろや」
「それこそアホやろ。軽トラと追いかけっこするようなもんや」
「そんな早いの熊……」
「当たり前や」
「ならあれや、死んだフリ」
「お前なぁ……」
「分かっとるわ、分かりやすいボケ出したったねん、ほら、ツッコんでみいや」
「…あんな?それはな、アホやなくて餌やりや」
「…………」
「…………」
「そんならアルミホイルやってあかんやろ!」
「はぁ?なめんなアルミホイル最強や!」
「どこがや」
「ほならお前アルミホイル口の中に入れられたとこ想像してみ?」
「なんやそれ……」
「噛んでみ?」
「!!!!!!?」
「!!!!!!」
「シャレならんわふざけんなほんでなんでお前も悶絶しとんねん!」
「想像させようとしたら想像してまうやろ」
「諸刃の剣過ぎるわ。いやねじ込むの無理ゲーやろ」
「お前俺のこと舐めとるやろ。やってみようや」
「分かったやったるわ。ガオー!」
「行くで。てやー」
「くまさんのつめこうげき」
「ぎゃー。ってふざけんな理不尽やろ」
「順当やろが、どっちが理不尽やねん」
「いいから!ねじ込ませろや」
「えええええ、なんでこいつ野生の熊に接待プレーさせようとしてんの?」
「なんて?」
「なんでもないわ、ええから来いや。ガオー!」
「てやー」
「ガブー」
「ぎゃー。役に立たんやんかアルミホイル!」
「お前以外全員分かっとったわボケぇ」
「じゃあもう逃げるしか」
「ダメやろ、もうええわありg」
「全然ええことないわアホ!」
「は?」
「ええかよく聞けよ?熊さん駆除するなんてかわいそう言うてテレビの前で鼻ほじってるヤツ!そんなん言うならテメェが捕まえて自分とこで世話せぇや!命懸けで対策しとんのやこっちは!………!………!」
ピ、ポ、パ。
プルルルル……
「あ、もしもしマネージャー。ゴメンまた新しい相方の相談なんだけど。もう面白くなくていいから、とにかく普通のヤツおらん?そう、普通の。ムリ?そこをなんとか!」
明日は家族団欒のお話です。




