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0章4話 誓った

興味を持っていただき、ありがとうございます。


第3話でユウマは、“日常の崩壊”という最悪の瞬間に直面しました。

そして第4話では、その余波が静かに、しかし確実に彼を襲います。


大切な人を失った少年が、

何を思い、どう立ち上がるのか――

その心の揺れを丁寧に描いた回です。


激しい展開は一段落しますが、

そのぶん“静かな痛み”が強く残る内容になるかもしれません。


どうか、私と共に彼の覚悟を見届けてあげてください。

涙が溢れてくる。

ただただ涙が溢れる。

泣いてもユナは戻ってこない。

いくら、泣いても母さんは戻ってこない。

村の人だってきっと……

「そういえば……父さんは……」

虚ろな目で彼は言った。

ユナを抱えたまま、歩き始める。

唯一残った我が家へと――


教会を出ると、魔物の影一つ見当たらなかった。

きっとユナが何とかしてくれたんだ。

俺には無理だった。

救えなかった。

そんな考えが喉の奥が締め付けた。

家の近くまで来て、足が止まり思わず言葉を漏らす。

「……ごめん…なさい」

目の前にあるのは、剣を地面に突き立て、その柄を握ったままで仁王立ちした父親の姿だった。

だけど、息はしておらず、立ったまま息絶えていた。

剣を握る手は血で黒く染まっており、最後まで戦ったことが伝わってくる。

『お前は俺じゃない……だからできる』

確かにその通りだ。

俺は父さんじゃない。

誰一人助けられなかった愚かな愚者。

できたのは、化け物に吠えたぐらいだ…

言葉が出ない。

震えの止まらない手で、父さんを寝かせた。

できるだけ、汚れないように引きずらないように運ぶ、母さんの隣へと寝かせる。

冷たさが指先に伝わり、吐き気が込み上げる。

泣く間も叫ぶ間もなく、ただ淡々とした動きで二人の体を毛布で包んだ。

手は震えたが、動かすしかなかった。

休息なんて言葉はまだ遠く、ただ安全な場所に置く。

今は、埋葬できるほどの元気はなかった。

ユナも部屋の隅に寝かせてから、部屋に戻る。

体の力が抜けて床に崩れ落ちた。

叫びたくても声は出ず、涙も出なかった。

布団に丸まっていると、外の風が窓から入ってきて、ステンドグラスの破片を思い出させる。

頭の中は真っ白で、時間だけがゆっくり過ぎていった。

――気づいた時にはもう朝だった。

胸の中にぽっかり穴が空いたような感覚が続いている。

首元に触れる。

血の気が引いた。

本来そこにあるはずのペンダントがなかったからだ。

ユナにもらった大切なペンダント、あれだけはなくしちゃいけない。

再び首元を探るが、鎖もロケットもない。全身の血の気が引いていった。

教会へと急いで戻る。

ペンダントが取れたとしたらあそこだけだ。

昨日の光景を思えば足が重い。

中を探し回ると、破れた祭壇、散らばる聖書、割れたステンドグラス。

昼を過ぎてようやく、瓦礫の片隅で、半分溶けて変形した銀色の物体を見つけた。

ロケットは熱で歪み、蓋は固く閉ざされている。

指で掴むと、冷たくて、でも――確かにそこにユナの形が残っていた。

握りしめると、掌の中の金属が小さく震えた。

溶けて形を失いかけた外側は、あの日の輝きを失っている。

でも中に何かがあるような気がして、どうしても開けられない蓋に爪を立てる。

しかし固くてびくともしない。

溶けた跡が指先を汚した。

目の前の世界がまた黒く沈んだ。

声にならない嗚咽が喉を震わせる。

やっと、胸の奥の何かが固まるのを感じた。

心の奥底から何かが湧き上がってくる。

今までに感じたことのない熱い感じがする何か。

握りしめたロケットを握る手に力を込め、俺は低く、でもはっきりと言った。

「やられたらやり返す……なんて言えない。だけど――あの化け物だけは、この手で。必ず――。」

言葉は震えていたが、声には最後まで消えなかった熱が残っていた。

拳の中のロケットが、冷たく重かった。

その後、俺は村人たちの墓を作った。

技術はないから、簡易的な物ではあるがないよりはマシだ。

そして、次にバカ親父と母さんの墓を建てた。

二人の墓は家の庭に建てた。

最後に、ユナは教会の近くに埋葬した。


この物語は俺――ユウマがすべてを失う物語。

そして、ここから先は――凡人が復讐を遂げるまでの話だ。

まずはここまで読んでいただきありがとうございます。

今回の話は1~3話までの話と比べ圧倒的に短かったと思います。


いや~これでやっとプロローグ完成ですよ。

1話~4話までで大体1万1000文字程度!

これは大体少し長めのギャルゲーのプロローグぐらいらしいですよ?

ま、私はギャルゲーをやったことがないので知りませんが…


――さて、一度素のテンションから戻りますね。


……ここまで私の独り言に付き合ってくださり、ありがとうございます。

平和から絶望へ、一気に落とす展開でしたが、ユウマの物語はまだ始まったばかりです。

今後も容赦なく彼を苦しめていきたいと思っています。


……ですが、安心してください。

この物語は最終的にはハッピーエンドで終わります。


長々と語ってしまいましたが、これにてプロローグは完結となります。

どうぞよろしくお願いいたします。

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