とてつもなく大きなレジ袋
ヤスオは久しぶりに帰省したので山に登ろうと思った。子供の頃、毎年初日の出を拝みに行くぐらい登り慣れた山だ。軽い気持ちで登り始めたのだが、あまりのゴミの多さに辟易している。どれも車から投げ捨てられたようなコンビニゴミ、ペットボトルや総菜の食べ残しなどの生活ゴミだ。一応自分の出すゴミくらいは持ち帰ろうとゴミ袋を持参してはいたが、到底太刀打ちできる量ではない。ゴミを入れる特大のレジ袋が欲しくなった。地元人間として、思い出深い風景がコンビニの生活ゴミで溢れているなんて許せない。それこそ近くにコンビニがあれば、大きなゴミ袋を買えるのだが……いや、それでも全然足らない。もっと大きな、特大の袋が欲しい。そんな袋はないかと、ろくに景色も見ないで拾いきれないゴミをチェックしている。いつの間にか頂上だ……っと、まさか、頂上にコンビニがあるとは思わなかった。
見てくれの通り、看板には『平成コンビニ』と書かれている。キツネに化かされる昔話や、注文の多い料理店などを思い浮かべながら恐る恐る入り口の前に立つと、しっかり自動ドアが開いた。新聞こそ置いていないが、雑誌コーナーや日用品、菓子・ドリンクはもちろん、肉まんアンマンに総菜のアイテムも充実して麓のコンビニと変わらない。
ヤスオはそのコンビニでいちばん大きな商品を購入すれば大きなレジ袋を貰えるだろうと思った。だから、雑誌コーナーの脇でトイレへの導線を妨げるように立てかけられたクマの巨大なぬいぐるみを買うことにした。後ろ足二本で真っすぐ立てたら二メートル近くありそうだ。この商品に相応しいレジ袋がどんなものか楽しみで仕方ない。雑誌コーナーの脇から引きずってレジまで運んだ。やせて長髪の、学生バイトのような店員の「二千九百八十円です」という声が、自動レジ慣れした耳に新鮮に響く。さらに、時代を遡る台詞が追加された。
「温めますか?」
「は・はい・・・」ほんわかとノスタルジーに浸りながら答えると、店員はクマのぬいぐるみを抱きしめた。そして顔を真っ赤にしてぬいぐるみに息を吹きかけ始めた。呆然と見つめるヤスオに「レンジ入らないんですよね」と店員は作業を続ける。大きな身体に熱い吐息を吹きかけるのはたっぷりの時間がかかった。午前中に着いたはずなのに、太陽は頂点を越え陽射しが西寄りになっている。ひたすら待ったヤスオだったが、ついにたまりかねて口を開いた。
「それくらいで結構です」さすがにこれ以上遅くなったらまずい。暗くなって目的だったゴミ拾いのゴミさえ見えなくなってしまう。軽登山のつもりだったから、夜営の用意どころか上着すら持ってきていないのだ。
ヤスオの声に顔を上げた店員は「ああ……」とため息をつくとポケットからハンカチを取り出して額の汗を拭いた。
「袋いれますか?」
「はい」キタァー! とヤスオは即答した。
ヤスオの嬉しそうな反応に気を取り直した店員は、レジ下の棚から畳まれたレジ袋を取り出すと、口笛を吹きながら楽しそうに開いていった。レジ袋は開く分だけ倍に広がり、やがてクマのぬいぐるみを包み込むに十分な大きさになった。
「あの、そのレジ袋すぐに使いたいので、そのまま持ち帰りたいんですけど……」
「は?」店員が手を止めて訝る。
「レジ袋をそのまま持ち帰りたいんですけど」
「そのままというのは、この広げた状態のことですよね?」
「いえ、あの、広げる前の畳んだ状態で……できれば持ち帰りたいのです」
「ああ・・・・・・。ということは、せっかく広げたこの大きなレジ袋をもう一度畳めということですね。こうやって元のとおりに」店員は細い指先で、鎮魂歌を奏でるようにレジ袋を畳みはじめた。袋はみるみる小さくなっていく。
「ということは、クマのぬいぐるみはむき出しのまま、お持ち帰りになるということですか?」
「いえ実は、ぬいぐるみより、その大きなレジ袋が欲しかったのです。クマのぬいぐるみは置いていってもいいくらいなんです。もちろんお金はもう払っているから返してなんて言いません」
「ふむふむ、まずですね。当店で一度お買い上げいただいた商品は、いかなる理由があろうと返品不可です。ご了承ください。そしてもう一点、レジ袋の代金を頂いておりません」
「は?」
「一枚五千円になります」
「ちょちょっちょっと、どうしてレジ袋がそんな値段するんですか?」
「レジ袋が有料になったのはご存知ですよね。しかもこの袋は自然素材の特別製なのです。一枚作るのに大変な手間がかかっています。そして超不便な山の頂上という環境設定。それにせっかく広げてぬいぐるみを入れようとしたのに、また畳まねばならなかったではないですか。五千円だって安いくらいです」
「でもそちらで『袋入れますか?』って用意してくれたんですよね」
「ええ、そうです。でもお客様は、レジ袋だけが欲しいと仰いました。それならどうしてプレミア価格にしないわけにいきましょう。袋結構ですという方が多い中、まれに来る正直なお客様をつなぎとめてお金を落として頂かないことには、われわれ山に住む者は生活していけませんから」
「それはそちらの都合でしょうに。わたしは通りすがりの客に過ぎません。それにわれわれというほどの人数が、どこにいるのですか?」
「ここにいるよ」
クマのぬいぐるみがしゃべった。
「ぬいぐるみじゃないんですか?」
「見てのとおりの本物のヒグマです」
「見ての通りって、ぬいぐるみにしちゃリアルだなぁって思わなくもなかったけど、これって詐欺じゃないですか?」
「詐欺には当たりません。なぜならぬいぐるみより本物の方がずっと高価だからです」
「あとになって逃げたり、客を食べたりするっていう話ですか?」
「そんなことはありません。むしろ買ってもらった恩に報いるために、一生けんめい働く仕組みになっています」
ヤスオはヒグマをじっくりと観察した。ヒグマはついさっきまで二足で立っていたが、ぬいぐるみではないことがバレると力を抜いて四足になった。少しおどおどした感じで、下からのぞき込むようにときどきヤスオと目を合わせる。強そうには見えない。それにやせて細長い顔はヤスオより小さいくらいだ。店員といい、どうしてこんなにやせているのか? 何だか可哀そうになってきた。
「わかりました。じゃあ、レジ袋代五千円。ハイ」
ヤスオは特大のレジ袋を背中のザックに入れて店を出た。後ろから甲斐甲斐しくヒグマが付いてくる。急がなければ今日中に家に帰れない。しかしまさに山肌は薄暮を迎えようとしている。足元もおぼつかない。山頂付近の尾根筋から林に入るところで、ヤスオはザックの中に畳まれたレジ袋を取り出した。
「この辺りからなんだ」
下りはじめて、まだそう時間は経っていない。八合目辺りのはず、路が広くなるわけでも、傾斜が緩くなったわけでもない。しかしヤスオは前かがみになって目の前のものを拾うと、特大のレジ袋に入れ始めた。
「何をしてる?」ヒグマが怪訝そうにのぞき込む。ヤスオの前には空き缶があった。そのすぐ右隣りにはポテトチップスのまだ三分の一くらいは入っていそうな袋があった。左の笹藪にはカップ麺の容器らしきものも転がっている。ヤスオはそのひとつひとつを丁寧に拾い集めている。
「ゴミを拾ってたのか」
「うん、登るとき気になってたんだ。子供の頃からよく登った山だから、きれいであってほしいんだよね」
「食べられる物もあるんじゃないか?」ヒグマが物欲しそうに見つめる。
「食べられる物もあるかも知れないけれど、食べない方がいいような気もする」
ヒグマは唾を呑みこんだ。
視界に入ったゴミをすべて拾い集めるものだから、特大のレジ袋はあっという間にいっぱいになった。本物のヒグマが入るほどのレジ袋にぎっしり詰まったゴミは、ヒグマよりも重いくらいだ。
「まだまだあるんだがなぁ」そう言いながら、ヤスオはレジ袋を引きずった。袋は今にも破れそうだ。
「俺が持つよ」たまりかねたヒクマが後ろからひょいとレジ袋を持ち上げる。
「ああ、楽になった。ありがとう」
「仕事だからな」
「ありがたい。しかしゴミはまだまだあるぞ。でも袋はもういっぱいだ。どうしたもんか」
ヤスオはしばらく考えてヒグマの顔を見た。
「袋ならまだある。戻ろう」ヤスオとヒグマはいっぱいになったレジ袋をその場において、ふたたび山を登り始めた。
「ごめんください」頂上のコンビニに入ると返事がない。雑誌コーナーの奥には、インドゾウと札のついたぬいぐるみが置いてあった。ゾウにしては小さ目だが、窮屈そうに身体を折り曲げている。これも本物だとしたら、早くこの狭いお店から出してあげなければ可哀そうだとヤスオは思った。
「ごめんください」もう一度大きな声で言ってみたがやはり返事はない。
「多分あっちにいるよ」
ヒグマの指さす方へ行くと、スタッフオンリーと書かれた部屋で、さっきの店員がとてつもなく大きな白いレジ袋を折り畳んでいる。
「ああ、もうお帰りですか」店員はさほど驚いた様子もなく、ちらりとヒグマを見ただけで作業を続けた。
「いえまだ途中なのですけど」
「途中で帰ってきてはいけないではありませんか」
「それが・・・・・・」言いかけたヒグマを制して、ヤスオが口をはさんだ。
「実はさっきのレジ袋より大きいやつが欲しいのです」
「ということは、とてつもなく大きなレジ袋が欲しい、ということでよろしいでしょうか?」
「ええ、まったくもってその通りです。とてつもなく大きなレジ袋が欲しいのです。おいくらでしょうか?」
「ああ、とてつもなく大きなレジ袋でしたら、当店のとてつもなく大きなぬいぐるみをお買いいただくと、無料でついてきますよ」
「ああ、先ほどは客が欲しいといったものには、値段を付けなきゃ商売あがったりみたいなことを言っていたではありませんか。どうして無料でよいのでしょう?」
「どうしてと言われればお答えしますけれど、さきほどお客様に言われたものですから、やり方を改めてみたのです。お客様のご意見を尊重するのがモットーなものですから」
「それでこのお店にあるとてつもなく大きなものと言うと・・・・・・」 ヤスオの目は、雑誌コーナーの奥に窮屈そうに座っているインドゾウのところに留まった。立ちあがったら、きっとお店の天井をぶち抜いてしまいそうだ。ぬいぐるみか本物かまだ確かめることはできないが、この大きさは引きずることさえ困難なような気がした。
「おれが持ってくるよ」とヒグマがヤスオの前に出た。
「よせやい。恥ずかしいだろ。自分で歩くよ」
やっぱり本物だった。立ち上がると天井いっぱいになるので、インドゾウは少し屈んだ状態でレジ前まで自力歩行した。
「お前もすっとぼけてんだな」インドゾウはヒクマの頭を鼻先で撫でた。
「これも仕事のうちさ」ヒグマが笑う。
「おいくらですか?」
「ああ、ちょっと待ってください。このゾウは高さが二メートル七〇センチありますから……」
「って、店長」
「何ですか?ヒグマ君」
店員と思っていた男は店長だった。ちょうど胸ポケットから電卓を取り出したところだ。
「この人は好い人なのです」
「それがどうかしましたか?」
「ゴミを拾い集めて袋に入れているのです」
「はいはい」
「そしたら途中でさっきのレジ袋がいっぱいになってしまったのです」
「それで?」
「しかもそのゴミは、ほとんどこの店で買われたものなのです」
「ふんふん・・・・・・ああ・・・・・・、何と言うことでしょう」店長は頭を抱えた。
「せっかく良かれと思ってこの山頂にコンビニを開いたのに、それが却って山を損ない、人の心までも穢してしまっていたとは・・・・・・穴があったら入りたい恥ずかしさです」
「袋入りますか?」
「ああ、そうそう袋でもいいです。入ってみたい心境です。でもこの袋はわたしには大きすぎます。どうぞお客様、この袋を持っていってください。私が入るには大きすぎます。ですからここにあっても仕方ありません。どうぞお持ち帰りください」
「ですから、おいくらでしょうか?」
「ああ、何をおっしゃいます。私の方からどうぞお持ち帰りくださいと申しているではありませんか。ただです。ただで結構ですのでお持ち帰りください。何ならこちらからお金をお支払いしてもいいくらいです」
「ああ、でもゾウさんのお金も・・・」
「ゾウさんもお持ち帰りください。ゾウさんを入れる『とてつもなく大きなレジ袋』が無くなるわけですから、ゾウさんだけ残っていても、袋に入れることができません。そうなると平成コンビニの定番台詞だった「袋入れますか」が言えなくなってしまいます。これはわたしのコンビニ店主としてのモットーに違反します。モットーに違反してまで儲けようなんて思いません。どうぞそのままお持ち帰りください」
「そうですか。わかりました。ではこれにて」ヤスオは財布をポケットにしまい、お店を出ようとした。
「お待ちください。大切なことを言い忘れておりました」店長がレジカウンターから大声で叫んだ。
「温めますか?」
ヤスオはまずクマと顔を見合わせた。そして一緒にゾウに目をやった。ゾウは下を向いている。
「いえ、結構です」
「ああ、そうですか……」
ガックリとうなだれる店長の背中が自動ドアで閉ざされて見えなくなった。
「可哀そうなことをしちまった。おれが余計なことを言わなければ、あんたからお金をもらったろうに……」ヒグマの呟きに、少し気の毒なことをしたかもしれない、とヤスオも思った。彼は彼なりに登山客に良かれと思って店を開き、コンビニ店主としてのマニュアルに忠実であろうとしたのだ。けれども、すべての客が同じではないし、さすがにもう暗くなってきている。これからインドゾウの身体全体に熱い吐息を吹きかけるのにどれだけの時間がかかるかと想像したら、気が遠くなりそうだった。不器用な性格のようだけれど悪い人ではなさそうだ。山頂にコンビニがあろうがなかろうが、どのみち人が訪れるたびゴミは増え、動物たちも住みにくくなっている。ヤスオにできるのは、目の前のゴミを拾い集めること、そしてぬいぐるみではない動物たちに生き延びる道を探してもらうことだけだ。案外、あの店長と似ているかも知れない。
「ひいっくしぃ~っ、いっくしぃっ」
インドゾウがくしゃみをし出した。すっかり太陽は沈んで冷たい風が頬を撫でる。インドゾウの長い鼻の先からは鼻水がずるずる出て風に飛んでいく。
「さむいなぁ」ヒグマが呟いた。
「温めてもらうかい?」ヤスオは足を止めて振り返った。
「いいかな」インドゾウが嬉しそうだ。
「俺も温めなおしてもらおうかな」ヒグマが言った。
ヤスオとヒグマとインドゾウはふたたび登り始めた。ところが頂上と思しき所にさっきのコンビニがない。いったいどうしたことかとキョロキョロ探す。おかしいなと夜目を効かすヒグマに鼻をヒクヒクさせるインドゾウ。だが、店のあったところは、ただの空き地になっているし、商品もすっからかんで残り香がするだけだ。
「いくら何でも……。まさか一緒に暮らしてた俺たちまで化かされるなんて……」ヒグマもインドゾウも呆然としている。
頂上のコンビニを失った山は、おそらくこれが本来の夜の過ごし方らしい冷ややかな静寂に包まれた。月は明るいが山のすべてに光が行きわたるわけではない。枝葉が重なればその下は闇、標高が低いほどその闇は深い。間もなく月がすぐ近くの鋭鋒に隠れつつある。そうなると、このコンビニ跡の空き地でさえ見えにくくなるだろう。
「あんなとこに山あったっけ?」ヒグマが首を傾げて、インドゾウもヤスオも、そういえば……と思った矢先「おぉ~い、温まっていきませんかぁ!」と呼ぶ声がした。
「店長!」ヒグマとインドゾウが駆け出した。すぐ近くの鋭鋒の下の闇が捲られると、目の前が一気に明るくなり、温かい風が吹きつけた。灯りを持った店長が手を振っている。鋭鋒と思っていたのは、木の枝と落ち葉で作られた巨大なテントだった。コンビニ店舗を解体した廃材らしきものが石組みの竈の中で勢いよく燃えている。その上に同じく石でがっつり組まれた広い湯船があり、中でシロナガスクジラが気持ちよさそうに横たわって手を振っていた。
「おお~いヒグマどんにインドちゃん、冷えたやろ。一緒に温まろうぜ」
誘われたヒグマとインドゾウが勢いよく浴槽に身を沈めるとざぶざぶと湯が溢れた。すぐ下にいたヤスオはずぶ濡れだ。
「俺も温めてもらっていいかな」
「もちろんですとも」店長がにこやかに答えた。
ヤスオはびしょ濡れの服を火の近くで乾かし、シロナガスクジラとヒグマとインドゾウと一緒に石組みの湯舟に入った。店長も後に続く。
「お店、閉めたんですね」
「ええ、あなたの行いをヒグマ君に聞いて反省しました。きっともう一度いらっしゃると思って、シロナガスクジラ君用の超絶鬼巨大レジ袋を用意して待っていたのです。明日、一緒にゴミを拾いながら山を下りましょう。ヒグマ君はもう一枚ある特大のレジ袋を持って北の斜面を、インドちゃんはとてつもなく大きなレジ袋を持って南斜面、あなたと私は超絶鬼巨大レジ袋を持って今日登ってきた西の登山道を攻めます。どうでしょう」
「素晴らしいアイディアです。有難うございます。ところでシロナガスクジラさんはどうするのですか?」
「ナガス君はこのまま竈のつっかえ棒を外せば川に合流して海に出られるようになっています。麓の適当なところでインドちゃんを背中に乗せてそれぞれのはるかな故郷へ向かう仕組みです」
「俺は北の生まれなんだ」ヒグマが寂しそうに呟く。
「私も北ですから、後で追いかけます。一緒に帰りましょう」店長がヒグマにVサインを送った。
「大丈夫、地球は丸いし狭いから生きてりゃまた逢えるさ」シロナガスクジラの言葉にみんなが頷いた。
「短い間だったけど、楽しかったなぁ」インドゾウがしんみり言う。
「さぁ、コンビニの売れ残りですが、今夜はそれぞれの旅立ちを祝してささやかな宴会といきましょう」
「かんぱ~い」
大合唱が湯煙と共に立ち昇る。テントのすき間からのぞく月は、いつの間にかたくさんの星を従えて微笑んでいた。彼らの盛大な夜が少しでも長く続くよう、明日の朝は日の出を少し遅らせてと太陽に頼むつもりらしい。